Google Postmaster Tools(ポストマスターツール)の使い方と見方

Google Postmaster Tools(ポストマスターツール)の使い方と見方

この記事では、Google Postmaster Tools(ポストマスターツール)の基本的な使い方とその重要性について解説しています。Google Postmaster Toolsは、Gmail宛てに送ったメールがどう受け取られているかを確かめるための、Googleの無料の道具です。見られるのは、あなたが個人用のGmailアドレス(@gmail.com・@googlemail.com)に送ったメールについてのデータです。たとえば、迷惑メールと報告された割合や、配信エラーが分かります。SPF・DKIM(「このメールは本当にこの会社から出ています」と示す身分証明書のようなもの)やDMARC(身分証明に失敗したメールをどう扱ってほしいかを、先に伝えておく設定)に合格したメールの割合も確かめられます。2026年9月時点では新しい画面(v2)が標準になっていて、旧版にあったドメインとIPアドレスの評価(レピュテーション)のグラフは、なくなることになりました。いまは「コンプライアンスのステータス」という画面で、Gmailが決めた送信者のルールを守れているかを、まとめて確かめられます。このツールを活用することで、メール配信の問題点を早めに見つけて、手を打つことができます。

目次

Google Postmaster Toolsってどんなツール?

あなたがビジネスでメールを使うなら、Google Postmaster Toolsは役に立つ道具です。この無料のツールはGoogleが提供しているもので、メルマガなどをGmail宛てに送るときに特に使い道があります。ただし、見られるのは、あなたが個人用のGmailアドレス(末尾が @gmail.com または @googlemail.com)に送ったメールについてのデータだけです。会社などで使うGoogle Workspaceのアドレス宛てや、Yahoo!メール・携帯のメールなど、個人用Gmail以外の宛先の状況は、ここでは分かりません。では、このツールが何をしてくれるのか、簡単に説明しましょう。

Google Postmaster Toolsは、あなたが送ったメールがどのように受け取られているかを見るためのものです。具体的には、あなたのメールがスパムとみなされていないか、あるいは受信者のメールボックスにちゃんと届いているかなど、メール配信の「健康状態」をチェックできます。これにより、メールが届きにくくなっている原因に気づき、送り方を見直す手がかりが得られます。

また、Google Postmaster Toolsでは、あなたのメールがGmailのルール(メール送信者のガイドライン)を守れているかどうかも、項目ごとに確認できます。これが重要なのは、ルールを守れていないと、あなたのメールが迷惑メールに振り分けられたり、受け取りを断られたりすることがあるからです。このツールを使えば、そうした問題を早期に発見し、対策を講じることができます。

簡単に言うと、Google Postmaster Toolsは、あなたのメールマーケティングの成功を助けるための、とても便利なツールです。このツールで数字を確かめながら送り先や内容、設定を見直していくと、メールが届きにくくなるのを早めに防げます。

Google Postmaster Toolsのリンクはこちら(Googleアカウントでログインして使う無料のツールです。ログインしていないときは、先にGoogleのログイン画面が開きます。)
https://postmaster.google.com/

次のセクションでは、Google Postmaster Toolsがなぜ大切なのかを見ていきます。

Google Postmaster Toolsがメールマーケティングにおいて重要である理由

あなたがメールを使ってビジネスをしているなら、メールマーケティングの成功はとても大切ですよね。しかし、どれだけ良いメールを作っても、それがうまく届かなければ意味がありません。ここで、Google Postmaster Toolsの大切な役割が出てきます。

まず、このツールはあなたのメールがスパム扱いされていないかを教えてくれます。メールがスパムフォルダに入ってしまうと、読まれる可能性がぐんと下がってしまいます。Google Postmaster Toolsを使えば、そうならないようにあなたのメールの「健康状態」を常にチェックし、必要に応じて改善できます。

次に、このツールでは、あなたのメールがGmailのルールを守れているかを確かめられます。送り主が本物だと示す設定(SPF・DKIMなど)が欠けていたり、迷惑メールと報告される割合が高かったりすると、メールが受信トレイに届きにくくなったり、受け取りを断られたりすることがあります。Google Postmaster Toolsで早めに気づいて直すことで、届きにくくなるのを防ぎやすくなります。

さらに、このツールはメールの配信エラーや問題を発見するのにも役立ちます。時には、技術的な問題や設定の間違いで、メールが適切に送信されないこともあります。Google Postmaster Toolsを使えば、そういった問題を早期に発見し、すぐに修正することができます。

要するに、Google Postmaster Toolsを使うと、Gmailに届きにくくなっている原因に早めに気づけるのです。メールが正しく届き、読まれる確率を高めることで、あなたのメッセージはより多くの人に届き、あなたのビジネスの成長を支える力となります。

また、Gmailは2024年2月から、個人用のGmail宛てにメールを送る人向けのルール「メール送信者のガイドライン」を始めています。2025年11月からは、ルールを守っていないメールへの措置(一時的・永続的な受け取り拒否など)も強まっています。このガイドラインでは、迷惑メール率の基準をPostmaster Toolsに表示される数字で決めていますので、Gmail宛てにメルマガなどを送っているなら、ぜひ利用してください(ただし、Gmail宛てに送る数が少ないと、データが表示されないことがあります)。

Googleの公式ヘルプ:メール送信者のガイドライン
https://support.google.com/mail/answer/81126?hl=ja

メール送信者のガイドラインの要点

  • 対象は、個人用のGmailアドレス(@gmail.com・@googlemail.com)宛てのメールです。会社などで使うGoogle Workspace宛てのメールは対象外です。
  • 迷惑メール率(受け取った人が「迷惑メール」と報告した割合)は、すべての送信者が0.3%(1,000通に3通)未満に保つ必要があります。目標は0.1%(1,000通に1通)未満です。
  • 一括送信者(個人用のGmail宛てに、24時間で5,000通近く、またはそれ以上送る人)は、SPFとDKIMの両方とDMARCが必要です。メルマガなどのマーケティングメールには、ワンクリックでの登録解除も必要です。一度この条件に当てはまると、その後もずっと一括送信者として扱われます。

なお、アメリカのYahoo(@yahoo.com)も、ほぼ同じルールを2024年2月から段階的に始めました。一方、日本のYahoo!メール(@yahoo.co.jp)は運営する会社が別(LINEヤフー)で、方針も違います。

この次のセクションでは、Google Postmaster Toolsの主な機能について詳しく見ていきます。

Google Postmaster Toolsの主な機能

コンプライアンスのステータス

新しい画面(v2)でまず見ておきたいのが「コンプライアンスのステータス」です。Gmailのメール送信者のガイドラインで決まっている項目(SPF・DKIM・DMARCの認証、迷惑メール率、登録解除への対応など)を、あなたのドメインが守れているかどうか、項目ごとに見せてくれます。画面の例と確かめられる項目の一覧は、このあとの「新しい画面(v2)」の節でご紹介します。ここからは、旧版のころから続いている「迷惑メール率」「認証」「配信エラー」を順に説明します。

迷惑メール率の監視

Postmaster Toolsの迷惑メール率の画面(2024年1月当時の旧版)

※ 上の画面は2024年当時のものです。2026年9月時点では新しい画面(v2)が標準で、見た目はこの画面と違います(この「主な機能」の節の画面は、すべて2024年1月当時の旧版のものです)。2024年9月当時の新しい画面で迷惑メール率を見たときの例は、このあとの「新しい画面(v2)」の節に載せています。画像の中の「0.1%以下が理想」は当時の書き込みで、Googleの基準では0.1%未満が目標、0.3%未満を保つことが要件です。

あなたのメールマーケティング戦略が成功するためには、送ったメールが実際に読まれることが重要です。そのためには、メールがスパムとして分類されないようにする必要があります。Google Postmaster Toolsの「迷惑メール率の監視」機能がここで大きな役割を果たします。

では、迷惑メール率の監視とは何でしょうか?簡単に言うと、Gmailの利用者が、あなたのメールを「迷惑メール」と報告した割合が分かる機能です。この情報は非常に貴重で、あなたのメール戦略を改善するための重要な手がかりになります。Googleの「メール送信者のガイドライン」では、この割合を0.3%(1,000通に3通)未満に保つことが、すべての送信者の要件になっています。さらに、0.1%(1,000通に1通)未満に抑えることがすすめられています。

Google Postmaster Toolsを使うと、あなたのメールが受信者によってどのように扱われているかのデータを得ることができます。たとえば、あなたのメールが高い割合でスパムとして報告されている場合、それは、送る相手(たとえば、しばらくメールを読んでいない人)や、メールの内容・タイトルを見直したほうがよいという合図です。このような情報をもとに改善することで、迷惑メール率を減らし、メールの配信成功率を高めることができます。

また、Google Postmaster Toolsは、時間の経過とともにあなたのメールの迷惑メール率の変化を追跡することもできます。これにより、ある特定のキャンペーンや変更が迷惑メール率にどのような影響を与えたかを理解し、より効果的なメールマーケティング戦略を立てることができます。

総じて、 迷惑メール率の監視は、あなたのメールが受信者に届き、望む行動を引き出すための重要なステップです。この数字を見ながら送り先や内容を見直すことで、迷惑メールと報告されにくいメールに近づけます。

Google Postmaster Toolsにおける「認証」機能について

Postmaster Toolsの認証の画面(2024年1月当時の旧版)

Google Postmaster Toolsでは、メールの認証プロトコルであるSPF(Sender Policy Framework)、DKIM(DomainKeys Identified Mail)、DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)が適切に設定されているかを確認することができます。これらの認証プロトコルは、なりすましメール対策に非常に重要で、メールの信頼性と安全性を高めます。

SPF、DKIM、DMARCとは

SPF: これは送信ドメインが認証されたサーバーからメールを送信することを許可しているかどうかを確認するプロトコルです。これにより、なりすましメールを減らすことができます。

DKIM: メールにデジタル署名を加えることで、メールが第三者によって改ざんされていないことを保証するプロトコルです。

DMARC: SPFとDKIMの結果を使って、メールが正当なものであることを確認するプロトコルです。SPFかDKIMの少なくともどちらか一方に合格し、そのドメインが差出人(From:)のドメインとそろっていれば合格になります。さらに、認証に失敗したメールに対してどのように対処すべきかをメールサーバーに指示することができます。なお、個人用のGmail宛てに1日5,000通近く以上送る場合は、SPFとDKIMの両方に加えて、DMARCの設定も必要です(最初は p=none の「様子見」でかまいません)。

Google Postmaster Toolsでの認証機能の活用

Google Postmaster Toolsの「認証」セクションでは、あなたのメールがこれらの認証プロトコルを遵守しているかどうかを確認できます。具体的には、以下のような情報が提供されます:

SPF 認証成功率: Gmailに届いた、あなたのドメインから送ったメールのうち、SPFの確認に合格したメールの割合です。

DKIM 認証成功率: DKIMのチェック(メールに付いた電子署名の確認)に合格したメールの割合です。

DMARC 認証成功率: DMARCの確認に合格したメールの割合です。

これらの合格の割合が低いときは、お使いの配信サービスや、ドメインのDNS(ドメインの行き先や身元を書いておく設定の置き場所)の設定を見直しましょう。SPF・DKIM・DMARCを正しく設定することは、Gmailに受け取りを断られにくくするだけでなく、なりすましメールやフィッシング攻撃からあなたのドメインを守るためにも重要です。Postmaster Toolsは、その結果を確かめるための道具です。

Google Postmaster Toolsで、SPF・DKIM・DMARCの合格の割合を定期的に確認し、下がっていたら設定を見直しましょう。

Google Postmaster Toolsにおける「配信エラー」機能の解説

Postmaster Toolsの配信エラーの画面(2024年1月当時の旧版)

※ 画像の中の書き込みは、2024年1月当時の筆者のメモです。Googleの公式の説明ではありません。エラーの種類ごとの対処は、この節の「原因の特定」をご覧ください。

Google Postmaster Toolsの「配信エラー」機能は、メールマーケティングの成功にとって非常に重要です。この機能を利用することで、メールが受信者に届かなかった場合の原因を特定し、それを解決する手がかりを得ることができます。

配信エラー機能の役割

「配信エラー」機能は、送信したメールがなぜ受信者のメールボックスに届かなかったのかを理解するのに役立ちます。このセクションでは、以下のような情報が提供されます:

エラーのタイプ:

Gmailがメールを断った、または一時的に受け取らなかった理由の種類が表示されます。例えば、送るペースが速すぎて一時的に制限された(ペースの制限を超えている)、迷惑メールの疑いがあると判断された(スパムの疑い)、送信者ドメインのDMARCポリシーによって拒否された、送信元のPTRレコード(送った機械の住所から、持ち主の名前を調べられるようにしておく設定。逆引きとも言います)が正しくないか見つからない、などです。

エラーの頻度:

どれだけの頻度で特定のタイプのエラーが発生しているかが確認できます。これにより、特定の問題が繰り返し発生しているかどうかを把握できます。

配信エラーが時間とともにどう変わったか

一定期間内のエラー発生の傾向を追跡することができます。これにより、特定の時期に問題が増加しているかどうかを確認できます。

エラー対処のアプローチ

この情報を活用して、以下のようなアプローチでエラーに対処することができます:

原因の特定: エラーのタイプを見て、それに合った対処法を考えます。例えば「PTR レコードが正しくないか見つからない」と出たら、お使いのメール配信サービスやサーバーの会社に、逆引きの設定を確認してもらいます。「送信者ドメインの DMARC ポリシー」と出たら、上の「認証」で説明したSPF・DKIMが正しく合格しているかを見直します。なお、宛先のメールアドレスが存在しないことによる不達は、この画面のエラーの種類には含まれていません。無効なアドレスは、お使いのメール配信サービスの不達(バウンス)の記録で確認しましょう。

設定の見直し: 特定のエラーが頻繁に発生している場合は、メールサーバーの設定や送信プラクティスに問題がある可能性があります。設定の見直しや最適化を行い、エラーの発生を減らすことが重要です。

長期的な改善: 時間経過によるエラーの傾向を分析し、長期的な改善策を立てます。これにより、将来的に同様の問題が発生するリスクを減らすことができます。

Google Postmaster Toolsの「配信エラー」を定期的に見ておくと、Gmailに断られたり、一時的に届かなかったりしたメールに早く気づけます。定期的な監視と迅速な対処により、メールキャンペーンの成功率を高めることができるでしょう。

旧版にあった「ドメインとIPの評価」(新しい画面にはありません)

Postmaster Toolsのドメインの評価の画面(2024年1月当時の旧版)

※ 上の画面の「ドメイン レピュテーション」と、同じく旧版にあった「IP レピュテーション」(ドメインとIPアドレスの評価)の2つは、Googleが廃止すると案内していて、新しい画面(v2)には入っていません。旧版の画面もいずれ終了する予定です(Googleは終了日を延期していて、新しい日付はまだ公表していません)。この節は、評価という考え方の説明として読んでください。

メールマーケティングを成功させるためには、ただメールを送るだけでは足りません。大切なのは、あなたのメールが信頼される送信元から来ていると受信者に認識されることです。ここで重要になるのが、あなたの「ドメイン」と「IPアドレス」の評価です。旧版のGoogle Postmaster Toolsでは、この評価をグラフで確認できました。

ドメインの評価

ドメインの評価とは、あなたのメールアドレスの一部であるドメイン(例:@yourcompany.com)の信頼性を意味します。旧版のGoogle Postmaster Toolsでは、あなたのドメインがどのように評価されているかをグラフで確認できました。ドメインの評価が高ければ高いほど、あなたのメールはスパムとして扱われにくくなり、受信者のメールボックスに届きやすくなります。

IPアドレスの評価

同様に、あなたがメールを送る際に使っているIPアドレスの評価も重要です。IPアドレスの評価が低いと、あなたが送るメールはスパムとみなされやすくなります。旧版のGoogle Postmaster Toolsでは、メールを送り出すIPアドレスの評価も確認できました。なお、メール配信サービスを使っている場合、送信に使うIPアドレスは配信サービス側が用意・管理していることがほとんどです。

どうやって評価を改善するか?

新しい画面(v2)では、「コンプライアンスのステータス」で「遵守」になっていない項目が見つかったときや、「迷惑メール率」が上がってきたときに、改善する方法を考えます。一般的に、高品質なコンテンツのメールを定期的に送り、受信者からのスパム報告を避けることが重要です。また、正確な送信者情報を提供し、透明性を保つことも評価を上げるのに役立ちます。

評価のグラフは新しい画面ではなくなりますが、Gmailがあなたのメールをどう見ているかが大事なことは変わりません。これからは「コンプライアンスのステータス」と「迷惑メール率」を見て、ルールを守れているか、読者に嫌がられていないかを確かめましょう。

Google Postmaster Toolsの設定方法:Googleアカウントの準備とログイン

Googleアカウントの作成とログイン方法

Google Postmaster Toolsを使用するための第一歩は、Googleアカウントの作成とログインです。ここでは、そのプロセスを簡単に説明します。

Googleアカウントの作成

まずは、Googleアカウントが必要です。すでにGmailなどでGoogleアカウントをお持ちなら、そのアカウントをそのまま使えます。お持ちでない場合は、ブラウザで「Googleアカウント作成」と検索し、Googleのアカウント作成ページで、画面の指示に従って作成してください。

Google Postmaster Toolsへのログイン

アカウントが作成されたら、Google Postmaster Toolsにログインします。

Postmaster Toolsの使い方を案内するGoogleのヘルプページ(2024年1月当時)

※ 上の画面は2024年当時のものです。2026年9月時点では、このヘルプページは「Postmaster Tools のセットアップ」(Gmail ヘルプ)に移っていて、ドメインを追加する手順も上の画面とは変わっています(今の手順は、このあとの節で説明します)。今のページはこちらです↓
https://support.google.com/mail/answer/9981691?hl=ja

Google Postmaster Toolsのウェブサイトにアクセス: ブラウザで「Google Postmaster Tools」と検索し、公式サイトにアクセスします。

Googleアカウントでログイン: ログインしていない場合は、Googleのログイン画面が自動で開きます。作成したGoogleアカウントの情報を使ってログインします。

「ドメインの管理」画面を開く: ログインしたら、Google Postmaster Toolsの「ドメインの管理」画面(https://postmaster.google.com/v2/manage_domains)を開きます。はじめて使うときは、ここでドメインを追加して所有権を証明するまで、メールに関するデータは表示されません(手順は次のセクションで説明します)。

次のセクションでは、Postmaster Toolsにあなたのドメインを追加して、「このドメインは私のものです」と証明する(所有権の証明)方法を説明します。

Google Postmaster Toolsの設定方法:ドメインの追加と所有権の証明

Google Postmaster Toolsでデータを見るには、まずあなたのドメインを追加して、そのドメインの持ち主であることをGoogleに証明する必要があります(Googleのヘルプでは「ドメインの所有権を証明」と呼んでいます)。証明が済むまで、そのドメインのデータは表示されません。以下に、手順を説明します。

ドメインを追加して所有権を証明する手順

Google Postmaster Toolsにログイン: まず、Google Postmaster ToolsにあなたのGoogleアカウントでログインします。

Postmaster Toolsのドメイン一覧の画面(2024年1月当時の旧版)

※ 上の画面は2024年当時のものです。2026年9月時点では新しい画面(v2)に変わっていて、ドメインの追加は、右上の[新しいドメインを追加]→[作成]の順に進みます(この節の画面は、すべて2024年1月当時のものです)。画像の中の書き込みにある「認証」は、ドメインの所有権の証明のことです。下の手順は、今の画面に合わせて書いています。

[新しいドメインを追加]をクリック: 「ドメインの管理」ページ(https://postmaster.google.com/v2/manage_domains)の右上にある[新しいドメインを追加]をクリックします。

Postmaster Toolsでドメイン名を入力する画面(2024年1月当時の旧版)

ドメイン名の入力: SPFやDKIMでメールの認証に使っているドメイン名(例:yourcompany.com)を入力し、[作成]をクリックします。

Postmaster Toolsのドメイン確認の画面(2024年1月当時の旧版)

DNS設定での確認用レコードの追加: 「ドメインの管理」ページで、追加したドメイン名の右側にある「その他」アイコンをクリックし、[ドメインの所有権を証明]を選びます。表示されたTXTレコード(またはCNAMEレコード)をコピーします。Googleからもらう合言葉のようなものです。その後、あなたのドメインのDNS設定にアクセスし、このレコードを追加します。この手順は、あなたのドメインのDNSを管理している会社(ドメインを取った会社やレンタルサーバーの会社など)の管理画面で行います。

サーバー会社の管理画面でDNSレコードを追加する画面(2024年1月当時)
(↑弊社ではXサーバーでドメインを取得していますので、その場合のDNSレコードの追加画面です。あなたのドメインのDNSを管理している会社の設定画面に入り、そちらの「DNSレコード設定」の画面から、Googleの確認用レコード(TXTレコード)を追加してください。)

所有権の証明: DNSにレコードを追加したら、Google Postmaster Toolsに戻って[所有権を証明]をクリックします。Googleのヘルプでは、通常はすぐに証明され、最大10分ほどかかることがあるとされています。DNS設定の変更が反映されるまで時間がかかることもあるので、すぐに証明されないときは、少し待ってからもう一度試してください。

所有権の証明が必要な理由

ドメインの所有権を証明すると、Postmaster Toolsで、そのドメインのデータ(迷惑メール率や、SPF・DKIM・DMARCの認証の結果など)が見られるようになります。ただし、所有権の証明は「データを見るための手続き」で、SPF・DKIM・DMARCによるメールの認証とは別のものです。これをしただけで、メールが届きやすくなるわけではありません。表示された数字を見ながら、SPF・DKIM・DMARCの設定や送り方を整えていきましょう。

以上のステップで所有権の証明が終わり、Google Postmaster Toolsを使う準備が整います。

次のセクションでは、Google Postmaster Toolsのダッシュボードの基本的な使い方について解説します。

Google Postmaster Toolsの使い方:ダッシュボードの見方

Google Postmaster Toolsのダッシュボードは、Gmailから見たあなたのメールの「通信簿」のようなものです。ここでは、ダッシュボードの基本的な使い方を簡単に説明します。なお、開封やクリックの数は出ませんので、それはお使いのメール配信サービスのレポートで確認してください。

ダッシュボードへのアクセス

ドメインの所有権の証明が済むと、Google Postmaster Toolsのダッシュボードが見られるようになります。ダッシュボードには、あなたのメール配信の健康状態に関するさまざまなデータが表示されます。

データが表示されないときは、次の3つを確かめてください。

  • ドメインの所有権の証明が済んでいるか(済むまでは、データは表示されません)
  • 個人用のGmail宛てに送っているメールの数が、少なすぎないか(1日の総数が少なすぎると、データが欠けることがあります。Googleは具体的な通数を公表していません)
  • 送ってから時間がたっているか(データはリアルタイムではなく、通常は24時間以内に更新されます)
Postmaster Toolsのダッシュボードの項目を選ぶメニュー(2024年1月当時の旧版)

※ 上の画面は2024年当時のものです。2026年9月時点では新しい画面(v2)に変わっていて、見た目も項目も上の画面とは違います。

メイン機能の概観

ダッシュボードでは以下のような情報が確認できます:(迷惑メール率・認証・配信エラーの詳細は、この記事の「主な機能」で説明しています。)

コンプライアンスのステータス

Gmailのメール送信者のガイドラインで決まっている項目を、あなたのドメインが守れているかどうか、項目ごとに確認できます(新しい画面(v2)の中心になる画面です)。

迷惑メール率

あなたのメールがどれだけの割合でスパムとして報告されているかがわかります。

IPアドレスとドメインの評価(旧版の画面のみ・廃止予定)

旧版の画面で、あなたのメールが使っているIPアドレスとドメインの評価(レピュテーション)を見られる項目です。新しい画面(v2)にはこの2つがなく、Googleは廃止すると案内しています。

フィードバックループ

受信者からの苦情(迷惑メール報告)が特に多い配信を、キャンペーンごとに確認できます。ただし、メールに「Feedback-ID」という目印(ヘッダー)を付けて送っている場合に限られます。大量にメールを送る人や、メール配信サービスの会社に向けた機能で、ある程度の量のメールと迷惑メール報告がない日は、データが出ません。

認証

メールがSender Policy Framework(SPF)、DomainKeys Identified Mail(DKIM)、およびDomain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance(DMARC)などの重要なメール認証プロトコルに適合しているかを確認し、これらの認証が適切に行われているかを監視することができます。

暗号化

あなたのメールのうち、TLS(メールを運ぶ途中で中身をのぞかれないようにする「鍵付きの封筒」)で送られたものの割合がわかります。

配信エラー

Gmailがメールを受け取らなかった(または一時的に断った)割合と、その理由が見られます。

データの分析と活用

ダッシュボードで提供されるデータを分析することにより、メールキャンペーンの改善点を見つけることができます。例えば、迷惑メール率が高い場合はメールの内容やタイトルを見直す必要があります。また、「コンプライアンスのステータス」で「遵守」になっていない項目があれば、その項目(SPF・DKIM・DMARC、登録解除への対応など)の設定を見直します。

定期的なチェックの重要性

メールを届け続けるためには、定期的にダッシュボードをチェックし、必要な調整を行うことが重要です。データは時間とともに変化するため、継続的な監視が成功の鍵となります。

ダッシュボードの数字を手がかりに、送り先や内容、設定を少しずつ見直していきましょう。

Postmaster Toolsの新しい画面(v2)と「コンプライアンスのステータス」

旧版の画面に出ていたコンプライアンスのステータスへの案内(2024年9月当時)

※ 上の画面は2024年9月当時の旧版の画面で、新しい画面へのお知らせが出ていたときのものです。2026年9月時点では、このお知らせから開いた新しい画面の流れをくむ「新しいPostmaster Tools(v2)」が標準になっています。ただし、その後「ドメイン レピュテーション」「IP レピュテーション」が廃止されることになるなど、中身は当時から変わっています(この節の画面は、すべて2024年9月当時のものです)。

2024年9月にGoogle Postmaster Toolsにアクセスしたら、「コンプライアンスステータスダッシュボード」というリンクがそれまでのダッシュボード画面で案内されていることに気が付きました。

Postmaster Toolsのコンプライアンスのステータスの画面(2024年9月当時)

このリンクにアクセスしてドメインを選択すると、「コンプライアンスのステータス」という画面が表示されます。そうするとメールをGmailに届けるために重要な指標を遵守できているかどうかを一目で確認することが可能ですので親切だと感じます。

Googleのヘルプ(2026年9月時点)によると、この画面で確かめられる項目は次の2種類です。

  • すべての送信者向け:SPF 認証と DKIM 認証、DNS レコード、メッセージの書式設定、暗号化、ユーザーが報告した迷惑メール率
  • 一括送信者(個人用のGmail宛てに1日5,000通近く、またはそれ以上送る人)向け:DMARC 認証、ワンクリックでの登録解除、登録解除への対応

上の画面で「近日提供予定」となっている2項目も、今は確かめられるようになっています。ここに書いた項目名はヘルプでの呼び方です。上の画面にある「From: ヘッダーの適合」のように、2024年当時の画面とは名前が違う項目もあります。お使いの画面でご確認ください。

Postmaster Toolsの迷惑メールの画面(2024年9月当時)

また左カラムにある「迷惑メール」をクリックすると、直近の指定した期間(デフォルト表示は7日間)における迷惑メール報告率が表示されます。お恥ずかしながら、弊社のメルマガをしばらく読んでいないセグメントに送信したところ、通常よりも高い迷惑メール率が表示されてしまったので、今後は気をつけるようにします。(しばらく読んでいない方に再度読んで欲しいと思ってメルマガを送ったのですが、しばらく開封していないセグメントに送るのはリスクがありますね。。)

個人的な感想としては、旧版のPostmaster Toolsよりも分かりやすいダッシュボードだと感じていました。実際に、2026年9月時点ではこの新しい画面(v2)が標準になっていて、旧版はいずれ終了する予定です(Googleは旧版の終了日を延期していて、新しい日付はまだ公表していません)。

どちらにせよ、メルマガ購読者様から迷惑メール報告されないように「メールを読んでくれている人のみに送る」というメルマガ送信施策を徹底していくことを推奨いたします。

それでは次のセクションでは、Google Postmaster Toolsを効果的に使うためのヒントについて詳しく見ていきます。

Google Postmaster Toolsの効果的な使い方のヒント:問題が見つかったときの対処法

Google Postmaster Toolsは、メール配信に関するさまざまな問題を検出するのに非常に有効です。しかし、問題を検出するだけでは不十分です。重要なのは、それらの問題にどのように対処するかです。ここでは、一般的な問題とその対処法について説明します。

迷惑メール率が高い場合

Postmaster Toolsの迷惑メール率が0.1%(1,000通に1通)を超えてきたら、0.3%(1,000通に3通)に届く前に、次のような対処法を検討してください:

メールコンテンツの見直し

メールの内容やタイトルが受信者にとって迷惑と感じられていないか、再検討してください。スパムと誤解されやすいフレーズや、過度な宣伝文句は避けるようにしましょう。

送信リストの精査

送信リストに古い、または関連性の低いメールアドレスが含まれていないか確認し、必要に応じてリストから削除します。

配信エラーが発生する場合

配信エラーが頻繁に発生する場合は、以下の対処法を試してみてください:

技術的な問題の確認: エラーの原因が技術的な問題にある場合、メールサーバーの設定やDNSの設定を確認し、修正が必要かどうかを検討します。

送信頻度の調整: 送信頻度が高すぎると、一部のメールサーバーによって拒否されることがあります。送信頻度を調整して、問題が解決するか試してみてください。

コンプライアンスのステータスで「遵守」になっていない場合

新しい画面(v2)には、ドメインの評価を見せるグラフがありません。そのかわり、「コンプライアンスのステータス」で「遵守」になっていない項目があるときや、迷惑メール率が0.1%を超えているときは、次のステップを踏んで対処しましょう:

送信プラクティスの改善: メールの送信におけるベストプラクティスに従うことで、状況を少しずつ改善していけます。例えば、送信するメールの量を調整し、質を高めることが重要です。

SPF・DKIM・DMARCの設定: この記事の前半で紹介したSPF・DKIM・DMARCが、正しく設定されているかを確かめましょう。Gmailのルールでは、すべての送信者にSPFかDKIMのどちらかが求められます。個人用のGmail宛てに1日5,000通近く以上送る一括送信者は、SPFとDKIMの両方とDMARCが必須です(DMARCは、最初は p=none の「様子見」でかまいません)。

Google Postmaster Toolsで見つかった問題に早めに対処することで、Gmail宛てのメールが届きにくくなるのを防ぎやすくなります。問題の早期発見と迅速な対応が、効果的なメールマーケティングの鍵となります。

Google Postmaster Toolsの効果的な使い方のヒント:定期的に確認することの大切さ

メールマーケティングを成功させるためには、一度設定した後でそれを放っておくだけでは不十分です。市場の動向、顧客の反応、技術的な変化など、多くの要因がメール配信の効果に影響を与えるため、定期的な監視と調整が必要です。ここでは、Google Postmaster Toolsを使用してメールマーケティングのパフォーマンスを定期的に監視することの重要性について説明します。

メールマーケティングのダイナミックな性質

メールマーケティングは常に変化しています。顧客の嗜好、市場のトレンド、スパムフィルターのアルゴリズムなど、さまざまな要素が日々変わります。したがって、メール戦略もこれらの変化に合わせて進化し続ける必要があります。

データの変化に対する迅速な対応

Google Postmaster Toolsを定期的にチェックすることで、これらの変化に迅速に対応することができます。例えば、特定の期間に迷惑メール率が急上昇した場合、すぐにその原因を調査し、必要な変更を加えることができます。このように、データの変化に素早く対応すると、問題が大きくなる前に手を打てます。

長期的なトレンドの分析

短期的なデータ変動だけでなく、長期的なトレンドの分析も重要です。ただし、Postmaster Toolsの画面で選べる期間は、過去7・30・60・90・120日です。それより長い変化を見たいときは、月に1回など日を決めて、迷惑メール率などの数字をメモしておくと、あとで比べられます。

定期的な監視のスケジュール設定

定期的な監視のためには、スケジュールを設定することが効果的です。例えば、毎週または毎月特定の日にGoogle Postmaster Toolsをチェックし、必要に応じて戦略を調整します。これにより、メールマーケティングのパフォーマンスを継続的に最適化することができます。

Google Postmaster Toolsを定期的に監視し、データに基づいて戦略を適時に調整することは、メールマーケティングの成功に不可欠です。この習慣を取り入れると、迷惑メール率などが悪くなり始めたときに、早めに気づきやすくなります。

まとめ

この記事では、Google Postmaster Toolsの使い方と、それを効果的に活用するためのヒントを詳しく見てきました。このツールは、Gmail宛てのメールがどう受け取られているかを確かめるのに役立つ道具です。主なポイントをまとめると以下の通りです:

Google Postmaster Toolsの設定

Googleアカウントでログインすることから始めます。その後、あなたのドメインを追加してその所有権を証明し、ダッシュボードにアクセスして設定を完了します。

データの解析

まずは「コンプライアンスのステータス」で、Gmailのルールを守れているかを確かめます。迷惑メール率は0.1%未満を目標にし、0.3%以上にならないように、ダッシュボードのデータを定期的にチェックします。

問題発生時の対処法

迷惑メール率の上昇、配信エラー、コンプライアンスのステータスで「遵守」になっていない項目などを見つけたら、早めに対処します。

定期的な監視

メールマーケティングは常に変化するため、Google Postmaster Toolsを定期的にチェックし、必要に応じて戦略を調整することが重要です。

Google Postmaster Toolsで数字を定期的に確かめ、問題に早めに手を打つことで、Gmail宛てのメールが迷惑メールとして扱われるリスクを減らせます。また、送り先や内容を見直すときの手がかりにもなります。

数字を定期的に見る習慣をつけると、メールが届きにくくなっている兆しに早めに気づけます。

ぜひあなたもGoogle Postmaster Toolsで、Gmail宛てのメールの様子を定期的に確かめてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

メールで商品をご案内する流れを作りたい方へ

無料の電子書籍「ザ・ファネル」では、弊社がネットで商品をご案内している流れの全体像、ウェブセミナーで販売するときの台本の型、オーダーバンプ・ワンタイムオファーの実例、弊社で使っているノーコードの道具7つをまとめています。SPF・DKIM・DMARCを整えてPostmaster Toolsで届き方を確かめたあと、そのメールからどう商品のご案内へつなげるかを考えるときに役立つ内容です。

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解説動画(旧版の画面で収録)

動画で本記事の内容をご覧になりたい方は以下の動画をご覧ください。
※ 動画は2024年1月の収録で、旧版の画面と手順で説明しています。今の画面との違いは、この記事の本文をご確認ください。

YouTube動画はこちら

ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定と、Postmaster Toolsの登録をまとめて解説した動画をYouTubeにもアップしましたので、ぜひご覧ください(2024年2月に公開した動画で、画面は当時のものです)。

この記事の仕様と画面の名前は、2026年9月23日にGoogleの公式ヘルプ(Gmail ヘルプ)で確認したものです。画面はたびたび変わりますので、実際の画面と見比べながら進めてください。

関連記事のリンク

Postmaster Toolsに登録するのは、SPFやDKIMで認証している送信ドメインです。認証の合格の割合が低かったときは、お使いの配信サービスに合わせて、以下の記事で設定方法をご確認ください。

ActiveCampaignをお使いの方の設定手順です(2024年に書いた記事で、今の管理画面とは違う部分があります)。

Kit(旧ConvertKit)をお使いの方の設定手順です。

SendGridから送っている方(ほかのツールと連携している場合を含む)の設定手順です。

Kajabiの共通ドメインから送っている方向けの記事です。独自ドメインで送る場合は、DMARCを含むDNSの設定が別に必要になりますので、Kajabiの公式ヘルプで手順をご確認ください。

認証の設定以外で到達率を上げる基本(配信リストの整理、送信者情報、送信元ドメイン)はこちらです。

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Google Postmaster Tools(ポストマスターツール)の使い方と見方
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