OpenAIの動画生成AI「Sora」の機能・料金・使い方を解説します

OpenAIが満を持して発表した動画生成AI「Sora(ソラ)」は、テキストプロンプトから驚くほどリアルな動画を生成できる革新的なツールです。月額20ドルのPlusプランから利用可能で、プロ並みの動画制作が特別なスキルや高額な機材なしで実現できます。さらに、ストーリーボード機能やブレンド機能など高度な編集機能も搭載されており、個人事業主や中小企業のマーケティング活動に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。この記事では、Soraの基本的な機能から実践的な活用方法まで、あなたのビジネスで即実践できる具体的な情報をお届けします。(更新:筆者もSoraのアカウントを作ることができましたので、実際に使ってみた上でのレビューを追記しました)

はじめに

あなたは動画コンテンツの作成に、どれだけの時間とコストをかけていますか?

  • プロのカメラマンやビデオグラファーの手配
  • 高額な撮影機材の購入や借用
  • 複雑な動画編集作業
  • ストック動画の購入

これらの課題に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

OpenAIの最新技術「Sora(ソラ)」は、これらの問題を一気に解決する可能性を秘めています。テキストによる簡単な指示だけで、驚くほどリアルな動画を生成できる本ツールは、すでに多くのマーケターやクリエイターの注目を集めています。

なぜSoraが画期的なのか

(↑Sora公式サイトより引用)

従来の動画生成AIと比べて、Soraには3つの革新的な特徴があります:

1. 圧倒的なクオリティ

テキストプロンプトから生成される動画は、まるでプロが撮影したかのような品質を誇ります。物理法則に従った自然な動きや、細部まで作り込まれた映像表現が可能です。(まあ実際に動画を生成してみるとやはりまだまだ実写とは違って不自然な点も多いので今後の進化に期待する部分も多いですが。。)

2. 直感的な操作性

複雑な設定や専門知識は不要です。ChatGPTのように、自然な日本語での指示で望む動画を生成できます。(他の動画生成AIだと英語で入力しないと生成される動画がおかしくなるケースもありますが、さすがOpenAIの動画生成AIだけあって日本語での入力でも英語のプロンプトと比べても差はほとんどないと感じます。)

3. 高度な編集機能

生成した動画の編集や加工も、専用ソフトなしで可能です。ストーリーボード機能やブレンド機能など、プロ並みの編集ツールが統合されています。(これは競合の動画生成AIにはないケースも多いので、Soraの強みだと言えるでしょう。)

OpenAIの公式の発表動画はこちら

次のセクションでは、具体的な料金プランと機能の詳細について解説していきます。

基本情報と料金プラン

Soraは、OpenAIが開発した最新の動画生成AIで、ChatGPTのアドオン機能として提供されています。テキストプロンプトを入力するだけで、高品質な動画を自動生成できる画期的なツールです。

料金プランの詳細

↑ChatGPTの各プランの違い
↑ChatGPTの各プランごとのSoraの機能の違い

ChatGPT Plusプラン(月額20ドル)

  • 月間50本までの動画生成が可能(1,000クレジット)
  • 最大720pの解像度まで対応
  • 動画の長さは最大5秒まで
  • 基本的な編集機能が利用可能
  • 実際に使ってみると1,000クレジットはすぐに消えるのでPlusプランではあくまでお試し程度だと思った方がいいです。

ChatGPT Proプラン(月額200ドル)

  • 月間500本までの動画生成が可能
  • 最大1080pのフルHD解像度に対応
  • 動画の長さは最大20秒まで
  • ウォーターマーク(動画に端に埋め込まれたロゴ)の除去も可能
  • すべての高度な編集機能が利用可能
  • クレジットを使い切ってもリラックスモード(生成に時間がかかるモード)であれば無制限に動画生成が可能
  • 実際に使ってみると10,000クレジットも意外とすぐになくなります。。。(Proプランだと高画質や長い秒数も選択可能になるので、設定次第ではどんどん残りのクレジット数が減っていきます。)
↑プロンプトの入力画面で?マークにカーソルをホバーするとその設定で消費するクレジット数が表示されます。(例:画質480pで10秒の動画を4つのバリエーション作成だと200クレジットを消費します。)

動画生成の基本設定

解像度オプション

  • 480p:最速の生成速度(標準の4分の1の時間)
  • 720p:バランスの取れた品質(標準の2分の1の時間)Plusプランだとこれが最高画質
  • 1080p:最高品質(標準の生成時間)Proプランだと1080pまで使えます

アスペクト比の選択肢

  • 16:9(横長):YouTubeやウェブサイト向け
  • 1:1(正方形):Instagram投稿用
  • 9:16(縦長):ショート動画やストーリーズ向け

生成時の制限事項

重要な注意点

  • 生成クレジットは月単位で更新
  • 未使用分は翌月への繰り越し不可
  • アクセス集中時は生成に時間がかかる場合あり
  • 一度に生成できるバリエーション数は480pだと最大4つまで(720p画質だと2つまで、1080pだと1つだけ、という制限もあります。)

プラン選択のポイント

ビジネスでの活用を考える場合、以下の点を考慮してプランを選択することをお勧めします:

Plusプラン向き

  • 動画コンテンツの実験的な活用を始めたい
  • 月に10本程度の動画生成で十分
  • SNSでの活用が主な目的
  • 実際に使ってみると数回動画を生成したらクレジットがなくなるのであくまでお試し感覚でしか使えません。。

Proプラン向き

  • 定期的な動画コンテンツの配信を行う
  • 高品質な動画が必要不可欠
  • 商用利用での活用を予定
  • 500本の動画を生成可能とありますが、10秒以上の動画や720p以上の画質で動画を生成するとクレジットの消費も速くなりますので、下手すると1万クレジットが1日で消えていきます。。(筆者談)

次のセクションでは、Soraの主要機能と特徴について、より詳しく解説していきます。

主要機能と特徴

Soraは単なる動画生成AIを超えた、多機能な創作ツールとして注目を集めています。主要な機能を詳しく見ていきましょう。

Text-to-Video機能

(OpenAIの公式動画より引用:「砂漠を歩くマンモスのワイドショット」という文章プロンプトにて生成した4パターンの動画)
↑筆者が生成した動画事例:プロンプトはこちら”A young Japanese couple in their 20s walking down a busy shopping street, looking at a smartphone together.
They are casually dressed, with vibrant city life in the background, including shops and signs.
Their expressions are cheerful, suggesting they are planning something or finding directions.”
↑上記のプロンプトで生成した動画の一例:こういうカップル、実際にいそうですね笑

テキストプロンプトから動画を生成する基本機能では、以下のような特徴があります:

高度な表現力

  • 複数のキャラクターや特定の動きを自然に表現
  • 物理法則に従った動きの再現
  • 被写体と背景の詳細な表現が可能
↑筆者が生成した動画の事例:プロンプト”A Japanese businesswoman in her mid-30s, standing in front of a large screen displaying a professional slide deck.
She gestures confidently, addressing an audience.
The setting is a bright, modern conference room with an attentive crowd.”

高度な編集機能

ストーリーボード機能

(OpenAIの公式動画より引用:ストーリーボード機能でタイムライン上の2点に文章プロンプトを記入した例:「(1-5秒)黄色い尻尾の鶴が池にいる」→「(5秒以降)鶴が水中に潜って魚を捕まえる」)
(OpenAIの公式動画より引用:その結果、ストーリーボードの指示通りに水中も潜って魚を探す鶴の動画が生成されました)

アイデアや短い文章から脚本を生成し、画面遷移することなくチャプターごとの微調整が可能です。

ストーリーボード機能の一例:「公園のベンチに座ってスマホを見ている日本人2人」→5秒経過時点から「何かに気が付いて前を見る」というような細かい動作を指定可能

↑ストーリーボード機能で作成した動画の一例:右側の女性の手が。。。(怖っ)

ブレンド機能

(OpenAIの公式動画より引用:2つの異なる動画を合体させることが可能になります。合体具合をトランジション、サンプル、ミックスの3種類から選ぶこと可能です。)

↑ブレンド機能の実践例:上記の2つの動画をブレンド機能を使って合成します。以下のTransition、Sample、Mixの3種類の合成プリセットの事例を貼っておきます。

↑Transition(トランジション)blendの一例:背景が森から商店街に徐々に移り変わっています。
↑Sample(サンプル)blendの一例:最初の動画の内容が優先され、後半に少しだけ商店街が出てきます。
↑Mix(ミックス)blendの一例:最初から2つの動画の特徴である背景の木と商店街のイメージが両方背景に登場しています。(最初からミックスされている、ということです。)
オマケのブレンド事例:「ドラゴンが空中で火を吹く動画」と「ゴリラと柴犬が自然の中で遊ぶ動画」をトランジションでブレンドすると以下の動画が生成されました。
↑ゴリラはどこに消えた?(柴犬が可愛いですね。。)

拡張・編集機能

  • 動画の前後への時間拡張
  • シームレスなループ動画の作成
  • 環境やスタイルのゼロショット変換

次のセクションでは、これらの機能を実践的に活用するための具体的な方法について解説していきます。

主要機能と特徴

Text-to-Video機能

Soraの基本となる機能は、テキストプロンプトから動画を生成することです。プロンプトを入力するだけで、リアルで高品質な動画を作成できます。

主な生成機能

  • 複数のキャラクターや特定の動きを自然に表現
  • 物理法則に従った動きの再現
  • 背景を含むシーン全体の詳細な表現

高度な動画生成の機能

静止画を動画にする(Image to Video機能)

(OpenAIの公式動画より引用:自分がアップロードした静止画に対して追加の指示をして静止画を動か指示をします。)
(OpenAIの公式動画より引用:そうするとまるでドローンで空撮したかような動画を自分がアップロードした静止画から作り出すことができました。)
↑筆者がアメリカのサンディエゴのホテルの部屋から撮影した写真:これをSoraにアップロードして動画にしてみました。

↑風景写真を使えば、上空からドローンで空撮したような動画を生成可能です。

リミックス機能

生成した動画に対して追加のプロンプトを伝えることで動画の一部に修正を加えた新しい動画を生成できる機能です。(例:「マンモスをロボットに変える」)

変更の度合いはRemix Strength(リミックスの強さ)からStrong(大きな変更)、Mild(真ん中)、Subtle(弱い変更)、Custom(カスタム設定)の4つから選ぶことができます。

(OpenAIの公式動画より引用:リミックス機能を使うことで、背景の砂漠は同じまま、マンモスをロボットに変更するした新しいバージョンの動画を生成できました。)
↑先ほどお見せしたホテルの動画をRemix機能で「夜の動画」に変えてみました。ただ、Strongだと完全に別の建物になってしまい、Subtleだと原型は留めているのですが夜になっていない、と加減が難しいと感じました。
↑先ほどのホテルの動画をStrong設定で「夜の動画」にRemixしたら、確かに夜にはなりましたが建物の形が大きく変わってしまいましたね。。

スタイルプリセット機能

動画に特殊な効果を適用して、雰囲気を変換することができます。例えば:

  • Ballon World:バルーンワールド(風船のようなスタイルのサイケなスタイル)
  • Stom Motion:ストップモーション(クレイアニメのようなスタイル)
  • Archival:アーカイブフィルム風(フィルムでの記録映像風)
  • Film Noir:フィルムノワール風(白黒映画)
  • Cardboard & Papercraft:段ボールとペーパークラフト風
  • 以下に実際の動画事例を並べておきます(プロンプトはどれも「ゴリラと芝犬が遊んでいる様子」)
↑プリセット:バルーンワールド
↑プリセット:ストップモーション
↑プリセット:アーカイブ風
↑プリセット:フィルムノワール
↑プリセット:ダンボール&ペーパークラフト

次のセクションでは、これらの機能を実践的に活用するための具体的な方法について解説していきます。

実践的な使い方

プロンプトの書き方のコツ

↑手っ取り早いのはChatGPTなどに「こんな動画を作りたいんだけどプロンプトを考えてみて」と直接聞いてみることですね。そうやってAIにプロンプトを考えてもらうのがオススメです。

基本的な構成要素

  • シーンの詳細な説明
  • 被写体の具体的な動き
  • カメラアングルや撮影方法
  • 雰囲気や光の状態

効果的なプロンプト例

  • 「夕暮れの海辺で、白いドレスを着た女性がゆっくりと歩いている。波が静かに打ち寄せ、髪が風になびいている。ドローンショットで上空からゆっくりと寄っていく」
  • 「近代的なオフィスで、スーツを着たビジネスマンがタブレットを操作している。明るい自然光が窓から差し込み、背景にはガラス張りの会議室。ミディアムショットからクローズアップへ」

品質を最大化するためのテクニック

解像度の選び方

  • テスト用なら480pで素早く生成
  • SNS投稿用なら720pが最適
  • 重要な商用利用は1080pを選択

バリエーションの活用法

  • 同じプロンプトで複数パターンを生成
  • 最適な表現が見つかるまで微調整
  • 成功したプロンプトは保存して再利用

月間制限を効率的に使う方法

プラン別の推奨使用法

  • Plusプラン:1日2本程度の生成に抑える
  • Proプラン:優先度の高い案件から着手

次のセクションでは、具体的な活用事例とその効果について解説していきます。

まとめ:Soraがもたらすビジネスチャンス

デジタルマーケティングの世界で、動画コンテンツの重要性は日々高まっています。Soraの登場により、その動画制作の障壁が大きく下がることになりました。

ビジネスでの具体的な活用シーン

商品プロモーション

  • 商品の使用シーンを様々なバリエーションで表現
  • 季節や時間帯に合わせた展開シーンの作成
  • カスタマージャーニーを可視化した説明動画

SNSマーケティング

  • プラットフォームごとに最適化された動画サイズでの展開
  • トレンドに合わせた素早いコンテンツ制作
  • A/Bテスト用の複数バージョン作成

コスト削減効果

従来の動画制作と比較して

  • 撮影機材の購入・レンタル費用が不要
  • ロケーション確保のコストカット
  • 編集作業の工数削減

今後の展望と可能性

予測される進化

  • より長尺の動画生成への対応
  • さらなる高解像度化(もっと安い費用でHD動画を生成できるようになって欲しいですね。あとは4K動画の対応は今後は必須だと思われます。)
  • リアルタイムでの動画生成

ビジネスインパクト

  • 小規模事業者の動画マーケティング参入障壁低下
  • クリエイティブ制作のスピードアップ
  • マーケティング予算の効率的な配分が可能に

最後に

Soraは、これまでの動画制作の常識を大きく変えようとしています。特に個人事業主や中小企業にとって、プロフェッショナルな動画コンテンツを手軽に制作できる可能性を提供しています。

この革新的なツールを活用することで、あなたのビジネスも新たな表現力を手に入れることができるでしょう。ぜひ、まずは小規模なプロジェクトから試してみることをお勧めします。

OpenAIの新機能紹介ページはこちら

https://openai.com/12-days

Sora公式ページはこちら

https://sora.com

この記事の内容を解説した動画はこちら

自分が実際にChatGPT Pro planに加入してSoraを使ってみた感想

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