
追記(2026年9月):この記事を書いたあと、Groqは大きく変わりました。いちばん大きな変化は、groq.com のトップページから、誰でもすぐチャットを始められる入り口が無くなったことです。chat.groq.com という画面自体はまだ残っていますが、今はGroqそのものについて答えるデモに近い内容に変わっています。いろいろなモデルを自分で試したいときは、無料のGroqアカウントを作って、コンソール(console.groq.com)の中にある「Playground」という画面を使うのが今のやり方です。
無料で試せること自体は今も変わりませんが、選べるモデルは限られ、回数や分量にも上限があります。また、この記事で紹介しているモデル名と画面写真は2025年3月時点のもので、当時のモデルはすべて提供を終えています。画面写真は当時の記録として、そのまま残しています。
とにかく回答が速いことで注目を集めたAIサービス「Groq (グロック)」の全貌に迫ります。公式が示している速さは、いちばん速いモデルで毎秒約1,000トークン。独自開発のLPUチップによる技術と、実用面での制限事項、そして今後の展望まで、わかりやすく解説します。Groqは今も無料のアカウントで試せますが、上の追記のとおり、試す場所も選べるモデルも当時とは変わっています。なお、よく混同されるSpaceXAI(旧xAI)のAIチャット「Grok」とは別のサービスです。
はじめに

あなたはAIチャットボットの処理速度に不満を感じたことはありませんか?質問をしてから回答が表示されるまでの待ち時間が気になったことはないでしょうか?
実は、そんな悩みを解決する仕組みがあります。それが「Groq (グロック)」です。とにかく回答が速いAIサービスとして、開発者を中心に注目を集めてきました。
ここで注意していただきたいのが、この「Groq (グロック)」は、SpaceXAI(旧xAI)が提供しているAIチャット「Grok」とは全く異なるサービスだということです。スペルが違い、Groqは最後がqで終わります。Grokは grok.com で使う一般の人向けのAIチャットで、Groqは独自開発のLPU(Language Processing Unit)という特殊なチップで、AIを高速に動かす仕組みを提供する会社です。読み方が同じなので混同されやすいのですが、作っている会社もサービスの中身もまったく違います。
このGroqの特徴は、単なる処理速度だけではありません。消費電力を抑えられる点も、この記事を書いた当時にGroqがGPUとの違いとして掲げていた売りでした(くわしくは後述します)。
特に開発者の方々にとって、このスピードと効率性は大きな価値を持ちます。自社サービスにAI機能を組み込む際、ユーザー体験を大きく向上させる可能性を秘めているからです。
では、このGroqは具体的にどのような特徴を持ち、どのように活用できるのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。
Groq (グロック)の革新的な特徴

圧倒的な処理速度
Groqの最も注目すべき特徴は、その処理速度です。2026年9月時点で公式が公開している速さは、モデルごとに毎秒およそ260トークンから1,000トークン。いちばん速いGPT-OSS 20Bで毎秒約1,000トークン、GPT-OSS 120BとQwen 3.6で毎秒約500トークンです。ほかのAIサービスと比べて「何倍」という数字は公式には出ていませんので、この記事でも断定は避けます。速度は使うモデルや混み具合によって変わります。
LPU(Language Processing Unit)の革新的技術
この速さを実現しているのが、Groq独自開発のLPU(Language Processing Unit)です。このチップは、言語処理に特化して設計されています。LPUという呼び方は2026年9月時点の公式サイトでも使われていますが、立ち位置は変わりました。この記事を書いた当時は「従来のGPUとは全く異なるアプローチ」という説明でしたが、2025年12月にGroqがNVIDIAと技術のライセンス契約を結んだあと、今の公式トップページは「LPUはNVIDIAの次世代GPUと並んで動く」と説明しています。なお公式ブログには、GPUに対する優位を強く書いた2025年3月の解説ページも残ったままで、トップページの説明と食い違っています。
GPUが画像処理向けに設計されているのに対し、LPUは自然言語処理、DNA解析、音楽、プログラミングコードなどの連続的なデータ処理に最適化されています。
対応モデルの豊富さ


記事を書いた2025年3月の時点では、Groqのサイトで次のモデルを選べました。ここに挙げたモデルは、2026年9月時点ではすべて提供を終えています。当時の記録としてそのまま残します。
- Llama Models(Meta社が開発した言語モデル):
- Llama3-8b-8192
- Llama3-70b-8192
- Llama-3.1-8b-Instant
- Llama-3.2.1b-Preview
- Llama-3.2.3b-Preview
- Llama-3.3-70b-Versatile
- Llama-3-70b-SpecDec
- Qwen Models(中国のアリババ社が開発した言語モデル):
- Qwen-2.5-32b
- Qwen-2.5-Coder-32b
- Deepseek Models(オープンソースとして公開されているDeepSeekモデルをアリババ社とMeta社がそれぞれ公開しているバージョン)
- Deepseek-R1-Distill-Qwen-32b
- Deepseek-R1-Distill-Llama-70b
- Mistral Models(フランスのMistral社が開発した言語モデル):
- Mistral AI (category)
- Mistral-Saba-24b
- Mistral-8x7b-32768
- Gemma Models:
- Gemma2-9b-It
2026年9月時点で自分のアカウントから選べるのは、次のモデルです。OpenAIのGPT-OSS 120B・20B、アリババのQwen 3.6・3.8(27B)、Groq自身のCompoundとCompound Mini、音声を文字にするWhisper、文章を読み上げるOrpheusなど。Llama 3.1 8BとLlama 3.3 70Bは一覧に残っていますが、「要問い合わせ」の企業向け扱いに変わり、自分でアカウントを作って使えるモデルではなくなりました。
公開されているAIモデルが中心という点は今も同じで、ChatGPTやClaudeのような中身が公開されていないモデルは使えません。ただし「OpenAIのモデルは使えない」という意味ではありません。OpenAIが中身を公開したGPT-OSSは、今のGroqの看板モデルとして一覧の先頭に並んでいます。モデルの入れ替わりは速いので、最新の一覧は公式のconsole.groq.com/docs/modelsでご確認ください。
コスト効率の高さ
Groqのシステムは、高速な処理能力を持ちながらも、従来のGPUベースのシステムと比較して消費電力を大幅に抑制している。企業は運用コストを削減しながら、高性能なAI処理を実現できる。この記事を書いた当時、GroqはGPUとの違いをそのように説明していました。ただしLPUの節で書いたとおり、2026年9月時点の公式サイトは、LPUをNVIDIAの次世代GPUと並べて動かすものとして説明しています。GPUと比べて電力をどれだけ抑えられるのかは、今の公式サイトには示されていません。
現状の課題と制限
日本語対応の現状

Groqは以前は日本語での回答が苦手でしたが、私が試した2025年3月の時点では、日本語の回答も問題なく出力できるようになっていました。
ただし、この結果はそのまま今には当てはまりません。当時使ったモデルは、すべて提供を終えているからです。Groqの公式サイトもマニュアルも英語だけで、「日本語に対応しています」と書かれたページはありません。今選べるモデルのうちQwen 3.6には「多言語に強い」という説明がありますが、日本語の品質について公式が数字を出しているわけではありません。私はまだ現行のモデルを試せていませんので、日本語の使い心地はご自身で確かめてみてください。

出力品質の不安定さ

以前は回答が不安定なケースもありましたが、2025年3月時点ではかなり改善されていました。
下の画面写真にある「Clear Chat」でやり直すコツも、2025年3月時点の話です。今選べるモデルは一度に13万トークンほど扱えるので、モデル側の限界で詰まることは少なくなりました。そのかわり無料プランには、1分あたり・1日あたりの回数に加えて、送れるトークンの量にも上限があります(GPT-OSSやQwenで1分あたり8,000トークン)。長い文章を一度に投げると、モデルの限界より先に無料プランの上限のほうに当たります。

開発者向けのメリット
API統合の容易さ
Groqの大きな特徴は、開発者フレンドリーな設計思想です。APIの実装が非常にシンプルで、わずか数行のコードで既存のアプリケーションに統合することができます。
実装例と活用シーン

チャットボットの開発
- カスタマーサポート用の自動応答システム
- 社内向けのナレッジベース検索
- リアルタイムの翻訳サービス
コンテンツ生成
- ブログ記事の自動生成
- 商品説明文の作成
- SNS投稿の下書き作成
コスト効率の優位性
従来のAIサービスと比較して、Groqには以下のようなコスト面での利点があります:
- 処理速度の向上による運用コストの削減
- スケーラブルな価格設定
- 無駄な計算リソースの削減
無料プランの上限は、たとえばGPT-OSS 120Bなら1分あたり30回・1日あたり1,000回までです(2026年9月時点)。試しに触ってみる分には十分ですが、業務で回すには足りません。
実際の料金は、使った分だけ支払う従量課金です。たとえばGPT-OSS 120Bなら、100万トークンあたり入力0.15ドル・出力0.60ドルです(2026年9月時点)。Groqには独立した料金ページが無く、単価はモデル一覧のページにまとまっています。表示はドル建てで、円建ての価格は用意されていません。最新の金額は公式ページでご確認ください。
開発環境の充実
Groqは以下のような開発ツールとの連携をサポートしています:
- Python SDK
- REST API
- JavaScript / TypeScript のライブラリ
- 各種フレームワークとの互換性
これらの機能により、開発者は既存のプロジェクトに迅速にGroqを導入することができます。OpenAIのライブラリを使っているなら、接続先(base_url)を https://api.groq.com/openai/v1 に変えるだけで、今動いているプログラムをそのままGroqで動かせます。
今後の展望と期待
進化する処理速度
Groqの開発チームは、さらなる処理速度の向上を目指して開発を続けています。会社としても2026年6月に6億5,000万ドル、8月にさらに3億5,000万ドルを調達し、2027年末までに設備を大きく広げる計画を公表しています。
競合サービスとの比較
処理速度の優位性
この記事を書いた当時は、ChatGPTやClaudeなど主要なAIチャットと比べて、Groqの速さが際立っていました。ただし2026年9月時点では、他社と比べた「何倍」という数字を公式が出していません。またGroq自身が、一般の人向けのAIチャットではなく、AIを速く動かす土台を開発者に提供する側へ軸足を移しています。同じ土俵で比べるものではなくなった、と考えるほうが実態に近いです。
実用化への展望
特に以下の分野での活用が期待されています:
- リアルタイムコミュニケーション
- 大規模データの即時分析
- ライブストリーミングでの字幕生成
- インタラクティブな教育支援システム
将来的には、高速処理と高品質な出力の両立により、より多くのビジネスシーンでの実用化が進むと予想されます。
まとめ:Groqとは何か
Groqは回答速度が非常に速いAIサービスです。元Googleの開発者が立ち上げた会社が提供しています(その創業者は2025年12月にNVIDIAへ移り、今のCEOはアダム・ウィンター氏です)。一般の人向けのチャットサービスではなく、AIを高速で動かすための土台を開発者や企業に貸し出すのが本業で、2026年9月時点では世界13か所でデータセンターを運営しています。
特徴的なのは、いちばん速いモデルで毎秒約1,000トークンという回答速度です。
2026年9月時点で使える主なモデルは次のとおりです:
- OpenAIのGPT-OSS(120B・20B)
- アリババのQwen 3.6・3.8(27B)
- Groq自身のCompound・Compound Mini
- 音声を文字にするWhisperと、文章を読み上げるOrpheus
日本語については、2025年3月に私が試したときはしっかりした回答が得られました。ただし当時のモデルはすべて提供を終えていますので、今のモデルでの使い心地は、ご自身で試して確かめてみてください。
モデルによって速度や性能は違います。今、自分のアカウントで選べる文章のモデルは、アメリカのGPT-OSS系と中国のQwen系、それにGroq自身のCompound系に絞られました。開発元が気になる方はGPT-OSS系を選ぶとよいでしょう。選べるモデルの数は当時よりぐっと減りましたが、急いで回答が欲しいときや、速さそのものを体験してみたい方には今も役に立ちます。無料のアカウントで試せますので、まずはコンソールにログインしてPlaygroundを開いてみてください。ただし無料プランは、使えるモデルと、1分あたり・1日あたりの回数や分量が決まっています。最新の上限とモデルごとの料金は、公式ページでご確認ください。なお、名前の似た「Grok」はSpaceXAI(旧xAI)の別サービスですので、お間違えのないように。
Groq公式サイトはこちら
groq.com(トップページにチャットの入り口はありません)
実際にモデルを試す画面(Playground)はこちら
console.groq.com/playground(無料のGroqアカウントでログインすると使えます)
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