
もしあなたが「動画のナレーションを自分で録るのは気が重い。でもAIの日本語は不自然で使えないのでは?」と感じているなら、この記事が判断材料になります。ElevenLabs、OpenAI.fm、CoeFont、音読さんなど8本の音声読み上げAIを、私が実際に日本語で試した感想と2026年9月時点の料金をもとに整理し、無料で試す順番から商用利用の注意点までお伝えします。
「ナレーションだけが、いつも後回しになる」

こんにちは、ヒルトルです。
「動画の編集は終わったのに、ナレーションを録る気力が残っていない」「自分の声をあまり出したくない」「ナレーターに頼む予算はない」。ナレーションのところで手が止まった経験はありませんか?
この記事では、ナレーション作りに使える8本の音声読み上げAIを、私が個別に検証した記事と2026年9月時点の各社の情報をもとに整理します。先に大事な前提をお伝えすると、「日本語の自然さ」の感想はすべて私が各ツールを試した時点(2024年11月〜2025年4月)のものです。どの会社も当時より新しいモデルを出していて、私がまだ試していないものは公式の情報として分けて書きます。
音声読み上げAIで、ナレーション作りの何が変わるのか

これまでナレーションは、自分で録るかナレーターに依頼するかしかなく、原稿を一か所直すだけで録り直しでした。音声読み上げAI(Text-to-Speech、文章を音声に変える技術)なら、文章を貼り付けて声を選ぶだけで音声ファイルができ、修正も再生成するだけ。費用も無料か月1,000円〜数千円程度からです。問題は「日本語が自然に読めるか」で、ここはツールによって本当に差が出ました。
音声読み上げAIツール8選(私が日本語で試した感想つき)
ここからは1本ずつ見ていきます。詳しい使い方や画面の様子は、各ツールの個別記事(埋め込みリンク)に譲ります。
ElevenLabs(イレブンラボ)
音声AIの中では一番有名な海外のツールで、読み上げのほかにボイスクローン、効果音の生成、文字起こしまでそろっています。私が2025年1月に試したとき(当時のマルチリンガルモデル)は、英語は自然でしたが、日本語はイントネーションの不自然さや漢字の読み間違いが多く、あまりお勧めしづらい、というのが当時の正直な感想でした。
2026年9月時点の最上位モデルは、2026年2月に正式版となった「Eleven v3」です。公式の説明を見る限り、日本語を含む74言語に対応し、[laughs]のような「オーディオタグ」で笑いやささやきを指示できるとのことです。私はまだv3で日本語を試していないので、上の感想が今も当てはまるかは分かりません。料金は2026年9月時点で、無料は月10,000クレジット(約10,000文字)で商用利用ライセンスなし、商用利用と簡易ボイスクローンはStarter(月6ドル)からです。
OpenAI.fm(OpenAIの音声読み上げモデル)
OpenAIが2025年3月に公開した読み上げモデル「gpt-4o-mini-tts」を、ログインなし・無料で試せるデモサイトです。2025年3月に試したときは、「テンション高めで以下のテキストを読み上げてください」と日本語で指示を書き添えるだけで、驚くほど自然な日本語で読んでくれました。「Claude」のような英語の固有名詞も正確で、広告文では若干の不自然な間があったものの、編集ソフトで調整できる程度でした。
当時の記事では「いつまで無料か不明」と書きましたが、2026年9月時点でもデモとして公開が続いています。月額プランはなく、大量に使うならAPI(開発者向けの従量課金。音声の出力100万トークンあたり12ドル、2026年9月時点)です。
MiniMax Audio(旧Hailuo AI Audio)
動画生成AI「Hailuo AI」で知られる中国のMiniMax社の音声サービスです。私が2025年2月に試したときは「Hailuo AI」の音声機能で期間限定の無料使い放題でしたが、2025年春に「MiniMax Audio」として独立し、2026年9月時点ではクレジット制になっています。当時(モデルはT2A-01-HD)の感想は、日本語ナレーターが多く(アニメ風の声が多めですが)、「ネット上で」を「ネットうえで」と読むなどの不自然さはあるものの、全体的には非常に滑らかで自然な日本語で、当時のElevenLabsより日本語の精度は高いと感じた、というものでした。
2026年9月時点の現行モデルは2026年1月公開の「Speech 2.8」で、公式の説明では息継ぎや言いよどみを再現する「サウンドタグ」や日本語の訛りの改善が挙げられていますが、私はまだ試していません。料金は2026年9月時点で、無料枠は日ごとに期限のあるクレジット、有料はStarterが月5ドルからです。
Speechify(スピーチファイ)

本体はPDFやWebページを「聴く」ための読み上げアプリで、有名人の声(提携ボイス)を選べるのが特徴です。自分の原稿からナレーションを作るのは「Speechify Studio」という別サービスです。2025年1月に試したときは、公式サイトの日本語サンプルはイマイチでしたが、Studioで自分の文章を読ませた日本語の精度は悪くありませんでした。
料金は2026年9月時点で、読み上げアプリのPremiumが月29ドル(年払いなら年139ドル)。Studioは無料で600クレジット(ナレーションなら約10分ぶん)を試せて、有料のStudio Starterは月19ドル/年100ドルです。Studioのナレーションは、公式のよくある質問で日本語を含む20言語が挙げられています(読み上げアプリ本体は60以上の言語に対応で、同じSpeechifyでも数え方が違います)。
CoeFont(コエフォント)

日本語の自然さにこだわった国産サービスで、有名声優やタレントの声を含む10,000以上の声から選べ、約5分の収録で自分の声のAI音声も作れます。2025年1月に広告用コピーを読ませたときは、意外なほど自然なイントネーションで、「人が読み上げている感覚」に近いと感じました。ただ「〜の方」が「ほう」と読まれるなど一部の漢字は気になったので、表記の工夫は必要です。
料金は2026年9月時点で、Freeは月800文字までで非商用のみです(非商用の範囲で公開するときは「Voiced by https://CoeFont.cloud」のクレジット表記が必要で、表記をすれば商用に使えるという意味ではありません)。個人向けのStandardは月3,300円(税込)で商用可・月80,000文字。ただしこの価格は最初の6か月間で、7か月目以降は自動更新で月4,400円(税込)になります。2026年9月には新モデル「CoeFont v4」も発表されていますが、私はまだ試していません。
音読さん

こちらも国産で、アカウント登録なしでもブラウザからすぐ試せる手軽さが特徴です。2025年1月にElevenLabsやCoeFontと読み比べたときは、「お悩みの方のために」のような日本語特有の言い回しも違和感なく読み、文脈を理解した自然なイントネーションと間の取り方では群を抜いていると感じました。
料金は2026年9月時点で、無料は登録なしで月1,000文字、無料登録で月5,000文字(商用利用にはクレジット表記が必要)。有料のベーシックは月1,078円(税込)で月20万文字、クレジット表記なしで商用利用できます(解約して無料に戻ると、有料期間中に作った音声にもクレジット表記が必要になります)。この価格は2025年当時から据え置きです。
ArtlistのAI Voiceover(ボイスオーバー)
BGM・効果音・動画素材の定額サービスArtlistに付いている読み上げ機能です。2024年11月に、自分で撮った鳩の映像にドキュメンタリー風のナレーションを付けて試したところ、英語はプロに近い自然さでしたが、日本語は「命取りになるのです」のような特定のフレーズで違和感があり、完璧さを求められるクライアントワークで使えるかは疑問、というのが当時の感想です。その後ボイスクローンなどが追加されたと公式ブログにありますが、未検証です。
料金は2026年9月時点で、素材もAIも使えるMaxプランが年払いで月6,290円から(7,500クレジット・税別。日本からアクセスした公式料金ページの表示)。AIツールだけならAI Starterが年払いで月1,890円(16,500クレジット・税別)です。音声だけなら7,500クレジットの枠が入口と公式には書かれていますが、その金額は料金ページに出ていないので、契約前に公式サイトで確認してください。すでに素材目的で使っている人が試す機能、という位置づけです。
Gemini Notebook(旧NotebookLM)の音声解説
最後の1本は、ほかの7本と性格が違います。原稿をそのまま読むのではなく、PDFやURLなどの資料を読み込ませると、2人のAIホストがラジオ番組のように内容を語る「音声解説」を作る機能で、声は選べず、原稿も編集できません。日本語対応直後の2025年4月に自分の電子書籍で試したところ、日本語の音声は5分前後と短く、漢字の読み間違いや「えー!」のぎこちなさがあり、英語のほうがクオリティは高い、というのが当時の感想です。
その後2025年9月に討論形式など3種類が加わって計4形式になり(関連記事で検証しています)、2026年7月に「Gemini Notebook」へ改名されました。無料で使えますが、2026年9月2日から利用枠が「1日◯回」ではなく計算量ベースに変わり、Google AI Plus(月725円)やAI Pro(月2,900円)で枠が広がります(2026年9月時点)。
私の検証結果から考える、無料で試す順番
「で、結局どれを使えばいいの?」と思いますよね。ここは正直に、時系列でお話しします。2025年2月の時点での私の結論は、「日本語で使うなら国産のCoeFontや音読さんが無難。特に音読さんはコストが一番安い」でした。その1か月後にOpenAI.fmを試して、海外製でも自然な日本語が出せるようになったと感じました。その後の各社の新モデルは私がまだ試していないので、ここで順位は付けません。代わりに、無料枠で自分の耳で確かめる順番を提案します(新モデルで改めて読み比べた結果は、別の記事でお伝えする予定です)。
ステップ1:同じ原稿を、登録の手間が少ない順に読ませる
あなたの商品名や専門用語を含む300文字ほどの原稿を1つ用意し、登録なしで試せる音読さん、無料デモのOpenAI.fm、無料プランのあるCoeFont、MiniMax Audioの順に読ませてみてください。
ステップ2:読み間違いは、原稿の表記で直す
固有名詞や読み方が複数ある漢字は、どのツールでも読み間違いが起きます(私の検証でも「〜の方」「ネット上で」で起きました)。ひらがなにする、読点を増やす、音読さんなら「PHP(ピーエイチピー)」のように括弧書きで読みを指定する、といった原稿側の工夫で直せます。
使う前に知っておきたい注意点
便利な反面、あとから「知らなかった」では済まないポイントが4つあります。
- 無料プランの商用利用:音読さんの無料プランは公開時にクレジット表記が必要、CoeFontの無料プランは非商用のみ、ElevenLabsの無料プランには商用利用ライセンスが付きません。YouTubeや講座で公開するなら有料プランが前提で、月に何文字ぶん作るかを先に見積もっておくと選びやすくなります。
- 他人の声を使わない:ボイスクローンは自分の声か、権利者の許可を得た声だけに使います。CoeFontの有名人の声は、声ごとに利用条件が異なります。
- 人に頼まれて作るなら条件が変わる:音読さんは、お客さんから頼まれてナレーションを作る(受託・外注)、テレビやラジオで使う、製品に組み込む、音声教材やPodcastを売る、といった使い方には年契約の「ビジネスプラン」(年12万円・税抜〜、2026年9月時点)が必要と規約に定められています。自分の発信に使うぶんには通常の有料プランで足ります。クライアントワークで使うつもりなら、ここは先に確認してください。
- 料金と仕様は頻繁に変わる:Hailuoの無料使い放題の終了やArtlistのプラン再編など、動きの多い分野です。契約前に必ず公式サイトで確認してください。
よくある質問
導入するときに私自身が迷った2つの点をまとめておきます。
無料だけでYouTubeのナレーションは作れますか?
条件付きで作れます。音読さんはクレジット表記をすれば無料でも商用公開でき、OpenAI.fmは無料デモで音声をダウンロードできます(商用利用の条件はOpenAIの規約を確認してください)。CoeFontの無料プランは非商用に限られます。継続的に使うなら、月1,000円台の有料プランのほうが結局は楽です。
自分の声のAIナレーターは作れますか?
ElevenLabs(Starter以上)、MiniMax Audio、CoeFont、Artlistにその機能があります。ただ、私が2025年2月に当時のHailuo AIで自分の声を登録したときは「似ているようで、ちょっと違う」印象で、ピッチの調整が必要でした。まず短い文で試してみてください。
まとめ:順位ではなく「自分の原稿で試す順番」を持っておく
音声読み上げAIを8本、私が日本語で試した時点の感想と2026年9月時点の料金つきで整理しました。私が試した範囲では国産の音読さん・CoeFontと、海外製ではOpenAI.fmの日本語が自然でしたが、その後に各社から新モデルが出ています。どれも無料枠があるので、まずは同じ原稿を読ませて自分の耳で比べるところから始めてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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