
長尺動画からショート動画を作る作業に悩んでいませんか?これまでは長尺の動画を最初から最後まで視聴し、使えそうな部分を手作業で編集して切り出す必要がありました。この記事では、そんな時間のかかる作業を劇的に効率化する方法をご紹介します。ChatGPTやClaudeなどのAIチャットボットツールとタイムコード付き字幕データを組み合わせることで、長尺動画を全て見直すことなく、価値のある部分を素早く見つけ出すことができます。私自身、この方法に切り替えてから作業時間を3分の1以下に削減することができました。動画編集の経験が浅い方でも実践できる具体的な手順を、実例を交えながらステップバイステップで解説していきます。あなたのコンテンツ制作が、より効率的で効果的なものになるはずです。
はじめに

オンラインで商品やサービスを販売している方なら、長尺の動画コンテンツをお持ちのはずです。セミナーやポッドキャスト、YouTubeの動画など、価値のある情報を詰め込んだ長い動画を制作されているでしょう。
しかし、そのような長尺動画には大きな課題があります。せっかく良い情報を発信しても、忙しいお客様がじっくり見てくれないのです。特に最近では、TikTokやYouTubeショートなどの短尺動画の人気が急上昇しており、多くの方が短い動画での情報収集を好む傾向にあります。
これまでの一般的な解決策は、長尺動画を手作業で見直し、良いと思われる部分を切り抜いてショート動画を作ることでした。しかし、この方法には致命的な問題があります。全体を通して視聴し、使えそうな部分をメモしていく作業は、途方もない時間がかかるのです。

例えば、1時間の動画から3本のショート動画を作ろうとすると、以下のような作業が必要でした:
- 1時間の動画を最初から最後まで視聴
- 良いと思われる部分のタイムコードをメモする、マーカーをつける、使える箇所をタイムラインの別のトラックに移動させる、などの作業を行い、使えそうなところを抜き出します
- それぞれの部分を聞き直して、本当に使えるか確認
- 実際の切り抜き作業(不要な部分や冗長な部分をカット)
- 字幕やBGMの追加
これでは、なかなか大変ですので、毎日のように新しいショート動画を作成することは、現実的に不可能です。もちろん、専任の切り抜き動画作成担当の編集者を雇えばいいかもしれませんが、個人事業や小さな会社で専任の担当者を雇ったり、ショート動画作成のためだけに高額なお金を動画制作業者に依頼するのも現実的ではないでしょう。。
そこで今回は、AIを活用して効率的にショート動画を作成する方法をご紹介します。この方法を使えば、長尺動画を全て視聴することなく、価値のある部分を素早く見つけ出し、魅力的なショート動画を作ることができます。
私自身、以前は動画の切り抜きに何時間も費やしていましたが、このAIを活用した方法に切り替えてからは、作業時間を3分の1以下に削減することができました。
では、具体的な手順を見ていきましょう。
AIを活用したショート動画作成の全体像

長尺動画からショート動画を作る新しい方法は、AIとタイムコード付きの字幕データを組み合わせるというものです。
ここで重要なのは、AIに動画の内容を理解させるために、タイムコード付きの字幕データが必要だという点です。タイムコードとは、動画の中の特定の時間を示す情報のことで、例えば「00:05:30」は動画開始から5分30秒の位置を表します。
このタイムコード付きの字幕データがあれば、AIは「この動画の5分30秒から6分00秒の間では、こういう内容が話されている」ということを正確に理解できます。これにより、AIは価値のある情報が含まれている部分を特定し、ショート動画として切り抜くべき箇所を提案できるのです。
具体的な作業の流れは以下の3ステップです:
1. 字幕ファイルの取得
まず、YouTubeや動画編集ソフトの機能を使って、タイムコード付きの字幕ファイルを取得します。これは自動文字起こし機能を使えば、数分で完了する作業です。




2. AIによる分析

次に、取得した字幕ファイルをAIに読み込ませ、「90秒以内で、ショート動画として面白い・役立つ部分を探して」と指示します。すると、AIは複数の候補とその理由を提案してくれます。
3. 実際の編集作業
最後に、AIが提案した時間帯の動画を切り抜き、必要に応じて字幕やBGMを追加します。この時点で実際の動画を確認するため、無駄な部分の有無をチェックすることができます。
この方法の最大の利点は、長尺動画を全て視聴する必要がないということです。AIが内容を理解して最適な部分を提案してくれるため、編集者は実際に使う部分だけを確認すればよいのです。
また、AIは人間が見落としがちな視点からも分析してくれます。例えば、「このセクションは視聴者の悩みに直接応える内容なので、ショート動画として効果的」といった具体的な理由と共に、切り抜き候補を提案してくれるのです。
次のセクションからは、これらの作業を具体的に、ステップバイステップで解説していきます。
ステップ1:動画から字幕ファイルを取得する
まず最初の重要なステップは、長尺動画からタイムコード付きの字幕ファイルを取得することです。この字幕ファイルは、AIが動画の内容を理解するための基礎となる重要なデータです。
取得方法は、動画がアップロードされている場所によって2つに分かれます:
YouTubeに公開されている動画の場合:
YouTubeには便利な字幕ダウンロード機能が備わっています。動画の設定画面から「字幕」を選択し、「字幕をダウンロード」をクリックするだけです。自動生成された字幕でも十分活用できますが、自分で編集した字幕の方がより正確な結果が得られます。
動画編集ソフトで編集中の動画の場合:
ほとんどの動画編集ソフトには「字幕の書き出し」という機能があります。この機能を使えば、動画ファイルから直接タイムコード付きの字幕を生成することができます。具体的な手順は以下の通りです:
- 動画編集ソフトで対象の動画を開く
- メニューから「書き出し」や「エクスポート」を選択
- 書き出し設定で「字幕」または「キャプション」を選択
- 字幕ファイルの形式を選ぶ(.srtファイルが最も一般的)
なぜタイムコードが重要なのか?
ここで生成される字幕ファイルには、すべての文字起こしデータに加えて、タイムコードが付与されています。例えば:
00:02:15 → 今日は効率的な動画編集の方法について00:02:18 → お話しさせていただきます
このタイムコードがあることで、AIは文字データと時間情報を紐付けて理解することができます。つまり、「この内容は動画のどの部分で話されているのか」を正確に把握できるのです。
よくある失敗とその対処法:
- 字幕ファイルが文字化けする場合は、テキストエディタで開く際に文字コードを「UTF-8」に設定してください。
- 自動文字起こしの精度が低い場合は、重要な部分だけでも手動で修正を加えることをお勧めします。
- タイムコードがずれている場合は、動画編集ソフトの設定で開始時間を調整できます。
このようにして取得した字幕ファイルは、次のステップでAIに渡す重要な材料となります。タイムコードと文字データの両方が正確に含まれているかどうか、必ず確認してからAIの分析に進みましょう。
ステップ2:AIに切り抜きポイントを提案してもらう
字幕ファイルを用意できたら、いよいよAIの力を借りて、ショート動画として最適な部分を見つけていきます。このプロセスは、人間の編集者の経験と、AIの分析力を組み合わせることで、効率的かつ効果的な結果を生み出すことができます。
AIへの指示の出し方
AIに正確な提案をしてもらうためには、明確な指示を出すことが重要です。以下のような形で指示を出すと、より良い結果が得られます:
『このタイムコード付きの文字起こしの中から、ショート動画として効果的な部分を見つけてください。以下の条件を考慮してください:
- 長さは90秒以内
- 視聴者に具体的な価値を提供できる内容
- 単独で理解可能な、まとまりのある内容
- できれば5つ程度の候補を提案してください』
このように具体的な条件を示すことで、AIはより焦点を絞った分析が可能になります。
AIからの提案を評価する際のポイント
AIから提案が返ってきたら、以下の観点から評価していきます:
- 内容の完結性:
提案された部分が、前後の文脈なしでも理解できる内容になっているかを確認します。例えば「このように」という指示語で始まる部分は、前の文脈が必要になるため、少し前から切り出す必要があるかもしれません。
- 価値の密度:
90秒という限られた時間の中で、どれだけ価値のある情報を詰め込めているかを評価します。「えーと」「あのー」などの無駄な部分が多い箇所は、別の候補を検討した方が良いでしょう。
- 視聴者の興味を引く要素:
冒頭で視聴者の興味を引く要素があるかどうかも重要です。例えば「この方法を使うと作業時間が3分の1になります」といった、具体的なベネフィットを示す部分は、ショート動画の出だしとして効果的です。
AIの提案を実際の動画制作に活かす
AIから提案された時間帯は、あくまでも「候補」として捉えることが重要です。実際には、以下のような微調整が必要になることがほとんどです:
- 提案された開始時間の5-10秒前から切り出す
- 文章の途中で切れている場合は、自然な区切りまで延長する
- 複数の候補を組み合わせて、より効果的な内容にする
このように、AIの提案を基準としながらも、最終的な判断は人間の編集者が行うことで、より質の高いショート動画を作ることができます。
次のセクションでは、これらのAIの提案を実際の動画編集作業に落とし込んでいく方法を解説していきます。
ステップ3:提案された箇所を実際に編集する
いよいよ、AIが提案してくれた部分を実際のショート動画として編集していきます。この工程は、AIの分析結果を実際の価値あるコンテンツへと変換する重要なステップです。
基本的な編集の流れ
まず、AIから提案された時間コードを使って、動画編集ソフトで該当部分を切り出します。この時、単純に提案された時間通りに切り出すのではなく、より自然な区切りを意識することが重要です。例えば、文章の途中で切れているような場合は、一つの話題が完結するところまで範囲を広げましょう。
次に、切り出した部分の品質を向上させるための微調整を行います。具体的には以下のような作業が含まれます:
- 冒頭部分の調整
最初の「えーと」や「あのー」といった言い淀みを削除し、視聴者の興味を引く部分から始められるようにします。ただし、あまり機械的に削りすぎると不自然になってしまうため、話者の個性や親しみやすさは残すように心がけましょう。
- 字幕の追加
ショート動画では、音声がオフでも内容が理解できることが重要です。先ほど使用した字幕ファイルを活用して、テキストを追加していきます。この時、以下の点に注意を払います:
- 文字数が多すぎないよう、必要に応じて要約する
- 重要なキーワードは太字や色を変えて強調する
- 読みやすい位置に配置し、背景との contrast を確保する
- BGMの選択と追加
適切なBGMは、視聴者の集中力を維持し、内容の理解を促進する効果があります。以下のような点に気をつけながら選びましょう:
- 話者の声が明確に聞こえる音量に調整する
- 内容に合った雰囲気の曲を選ぶ
- 著作権フリーの素材を使用する
編集時の重要なチェックポイント
最終的な書き出しの前に、以下の点を必ずチェックします:
- 動画の尺が90秒以内に収まっているか
- 音声と字幕が正確に同期しているか
- 話の前後の文脈がなくても内容が理解できるか
- 視聴者に具体的な価値が提供できているか
特に最後の「具体的な価値」については、例えば「この方法で作業時間を3分の1に削減できる」といった、明確なベネフィットが含まれているかを確認することが重要です。
このように丁寧に編集作業を行うことで、AIの分析結果を本当の意味で価値のあるショート動画へと昇華させることができます。次のセクションでは、この工程でよく直面する課題とその解決方法について詳しく解説していきます。
よくある失敗とその対処法
ショート動画の編集作業を進めていく中で、いくつかの課題に直面することがあります。ここでは、私自身が経験した主な課題と、その具体的な解決方法をお伝えしていきます。
1. AIの提案が的確でない場合の対処
AIからの提案が期待通りでない場合、多くの場合は指示の出し方に改善の余地があります。例えば、単に「90秒以内の面白い部分を見つけて」という指示では、AIは表面的な分析しかできません。
より良い結果を得るためには、以下のように具体的な指示を出すことが効果的です:
「このコンテンツの主要な価値提供ポイントを見つけ、その中で具体的な手順や方法が説明されている90秒以内の部分を探してください。特に、視聴者が具体的なアクションを起こせる情報が含まれている箇所を重視してください」
このように詳細な条件を示すことで、AIはより精度の高い提案ができるようになります。
2. 字幕ファイルの読み込みエラーへの対処
字幕ファイルの読み込み時にエラーが発生する場合、主な原因は文字コードの問題です。特に日本語の場合、UTF-8形式でない字幕ファイルはAIが正しく認識できないことがあります。
この問題を解決するには、テキストエディタで字幕ファイルを開き、「UTF-8形式で保存」するという簡単な手順で対応できます。もし文字化けが発生している場合は、一度メモ帳で開いて「名前を付けて保存」を行い、文字コードをUTF-8に指定して保存し直すことで解決できます。
3. 動画の切り出しが不自然になってしまう場合
AIが提案した時間通りに切り出すと、不自然な区切れ方になることがあります。これは、AIが純粋にテキストベースで分析を行っているために起こる課題です。
この問題に対しては、以下のような基準で切り出し位置を調整すると、より自然な仕上がりになります:
- 話者が一旦息継ぎをする場所
- 一つの話題が完結する場所
- 新しい話題に移る直前の場所
- ジェスチャーや表情の変化が見られる場所
例えば、「このように」という言葉で始まるシーンを切り出す場合、その前の文脈も含めて切り出すことで、視聴者により分かりやすい内容になります。
4. 音声とBGMのバランスが取れない場合
ショート動画では、メイン音声とBGMのバランスが特に重要です。BGMが大きすぎると内容が聞き取りづらくなり、小さすぎると印象が薄くなってしまいます。
この問題は、以下のような段階的なアプローチで解決できます:
- まずメイン音声を最適なレベルに調整
- BGMを追加し、メイン音声の40-50%程度の音量に設定
- 実際に視聴環境で確認(スマートフォンのスピーカーなど)
- 必要に応じて微調整
このように、編集作業で直面する課題には、それぞれ効果的な解決方法が存在します。次のセクションでは、これまでの内容を踏まえた総括と、さらなる効率化のためのポイントをお伝えしていきます。
まとめ
長尺動画からショート動画を作成する作業は、適切な手法とツールを活用することで、大幅に効率化できることをご理解いただけたかと思います。今回ご紹介したAIを活用した手法は、これまでの手作業による編集の課題を解決し、より効果的なコンテンツ制作を可能にします。
この方法の最大の利点は、時間の大幅な節約にあります。従来のように1時間の動画を全て視聴して切り抜き箇所を探す必要がなくなり、AIが提案した部分だけを確認すれば良いのです。これにより、1本のショート動画作成にかかる時間を30分程度まで短縮することが可能です。
また、AIの分析により、人間では気づきにくい価値のある部分を発見できることも大きな利点です。AIは感情や先入観にとらわれることなく、純粋にコンテンツの価値や情報の密度を分析してくれます。これにより、より客観的な視点でショート動画の候補を見つけることができます。
ただし、重要なのはAIはあくまでも補助ツールだという認識です。最終的な判断は、あなたの経験と直感に基づいて行う必要があります。なぜなら、あなたこそが自分の顧客のニーズを最も理解している存在だからです。
今後、AIの技術はさらに進化し、動画編集の作業はより効率化されていくでしょう。しかし、そのような中でも変わらないのは、価値ある情報を適切な形で届けるという私たちの使命です。AIはその使命を果たすための強力なツールとして活用していくことができます。
このような形で、今回のテーマについて総括させていただきました。あなたのショート動画作成が、より効率的で効果的なものになることを願っています。
実際の切り抜き動画事例
そこから以下のように複数本のショート動画を切り抜くことも可能です。
これらの切り抜き作業を全部人間がやろうとすると大変ですが、タイムコード付きの文字起こしファイルをAIチャットボットツールに読み込ませて、「このデータを元にショート動画で使えそうな箇所を探して」とお願いすると、意外と使える箇所を教えてくれますので、AIからのアドバイスに従って切り抜き動画を作って作業効率を高めていきましょうね!