Final Cut Proで動画と音声を同期する方法|二重音・音ずれの直し方

Final Cut Proの動画と音声の自動同期を解説するヒルトル・フィリップ太郎と編集画面

カメラで撮った映像に、ピンマイクやレコーダーで別録りした声を合わせたい。そんなときに使えるのが、Final Cut Proの「クリップを同期」です。この記事では、講座や解説動画を作るあなたに向けて、素材の選択から、二重音・音ずれの確認までを説明します。

まずはこの4手順で、映像と別録り音声を合わせる

  1. 素材を選ぶ:ブラウザで、同じ場面を収録した映像と別録り音声を選びます。
  2. 同期を実行:「クリップを同期」を開き、波形で合わせる場合は「同期にオーディオを使用」を選びます。
  3. 使う声を絞る:外部音声だけを使うなら、カメラ側の音声を無効にし、二重に聞こえないか確認します。
  4. ずれを確認:同期クリップを再生し、冒頭・中盤・末尾で口の動きと声が合っているか確かめます。

2026年9月12日更新:本記事は「初心者のためのFinal Cut Pro解説 その12」の更新版です。私が2024年に解説した動画と当時の画像を残し、同日に確認したAppleなどの公式資料をもとに操作と注意点を補足しました。最新版アプリを実機で検証した記録ではありません。ショートカットは標準のコマンド設定の場合です。

編集全体の流れから確認したい方は、Final Cut Pro初心者向けまとめも参考にしてください。

別録り音声を使う理由:カメラとマイクの位置を分けられる

ヘッドフォンを着けてマイクの前でギターを演奏する室内録音のイメージ

※上は室内録音のイメージ素材です。私の収録場所を撮影した写真ではありません。

私自身、動画制作を始めた頃は画質にばかり気を取られていました。しかし、ある時プロの動画クリエイターから「音声は映像以上に大切だ」というアドバイスをもらい、目から鱗が落ちる思いでした。その日から、私は音声収録にこだわるようになりました。

動画講座では、説明の言葉が聞き取りにくいと、内容を理解するために何度も聞き返すことになります。カメラの位置は画角に合わせ、マイクは話し手の近くに置く。このように分けて考えられるのが、別録りの利点です。

私は胸元にピンマイクを付け、iPhoneアプリで録音する方法も使ってきました。2024年の解説では、後ほど写真で紹介するZOOM F2と付属のピンマイクを使った別録りも紹介しています。

ただし、別録りにしただけで音質が良くなるわけではありません。ピンマイクの衣擦れ、風、部屋の反響、マイクとの距離を、撮影前の短い録音で確認しましょう。同期機能は映像と音のタイミングを合わせる機能で、録音時の雑音を取り除く機能ではありません。

音声を含めた収録環境については、こちらの記事でも紹介しています。

Final Cut Proで映像と別録り音声を同期する手順

ピンマイクとZOOM F2で別録りした音声を使うヒルトル・フィリップ太郎の2024年の編集画面

上は、私の2024年の収録素材です。カメラの音声に加えて、ピンマイクや別のマイクで録音しています。まずは映像1本と、同じテイクの外部音声1本で流れを確認すると、使う音を見分けやすくなります。

ブラウザで同期する素材を選ぶ

  1. カメラの動画と外部録音した音声をFinal Cut Proへ読み込みます。ファイル名や収録日時、実際の内容から、同じテイクかを確認します。
  2. ブラウザで対象を選びます。離れた項目はCommandキーを押しながらクリックして追加選択できます。
  3. 波形で自動同期する場合は、両方に共通する音が録音されているか確認します。カメラにも確認用の音声を録っておくと、外部録音との照合に使えます。

選択するのは、素材が並ぶブラウザです。プロジェクトのタイムライン上に、別々の素材を先に並べておく必要はありません。

「クリップを同期」で音声の設定を確認する

ブラウザで映像と音声の2クリップを選び、クリップを同期を開く2024年の画面

選択した素材を右クリックして「クリップを同期」を選びます。メニューバーの「クリップ」から選ぶ方法や、Option+Command+Gでも開けます。Controlキーを押しながらクリックした場合も同じメニューを開けます。

同期にオーディオを使用とAVクリップの音声無効化を選んだ2024年の同期設定画面
  1. 名前と保存先:同期クリップに分かる名前を付け、保存するイベントを確認します。
  2. 同期方法:音の波形を使う場合は「同期にオーディオを使用」にチェックを入れます。
  3. カメラ音声の扱い:別録りの音声ファイルだけを使う場合は「AVクリップのオーディオコンポーネントを無効にする」を選びます。映像付き素材の音も使いたい場合は、このチェックを外して作成し、後で使う音を選びます。
  4. 自動設定:カスタム設定が開いていて目的が分からない場合は「自動設定を使用」に戻し、内容を確認して「OK」をクリックします。

画像には私が当時使っていたビデオ設定も写っていますが、4K・29.97pなどを全員が同じにする必要はありません。素材や制作する動画に合わせて確認してください。解析にかかる時間は素材によって異なり、波形が自動同期に適さない場合もあります。

現在のガイドでは、「元のクリップを非表示」が有効だと、作成後にブラウザの元素材が非表示になります。削除されたわけではありません。元素材も表示したままにしたい場合は、この設定を解除します。操作と設定はApple公式の同期手順で確認できます。

同期クリップを再生し、音声を一つずつ確認する

同期クリップの内容を開き、カメラ音声と別録り音声を確認する2024年の編集画面

新しい同期クリップがブラウザにできたら、プロジェクトのタイムラインへ追加して再生します。口の動き、手をたたいた瞬間など、映像と音の対応が分かる箇所を確認しましょう。

声が二重に聞こえる、響いて聞こえる場合は、カメラの音と別録りの音が両方鳴っていないか確認します。同期クリップを選び、「オーディオ」インスペクタの「オーディオ構成」で各コンポーネントを聴き比べ、不要な音声のチェックを外します。すべて外すと必要な声も出なくなるので、一つずつ確認してください。

表示名はロールや構成によって変わります。「ストーリーラインなら必ずカメラ」「接続中なら必ず外部音声」と名前だけで決めず、録音内容を聴いて判断します。上の2024年の画像も、同期クリップの中身を開いてカメラ音声を下げた例です。現在のオン・オフの操作はApple公式のオーディオ構成の説明を参照できます。

音源を見分けにくい場合は、ロールで声・BGMなどを整理する方法も役立ちます。使う声を決めてから、音量とBGMのバランスを整えましょう。

カメラ映像と画面収録を切り替えるならマルチカム

顔を映したカメラ映像、パソコンの画面収録、外部音声をまとめて編集したい場合は、マルチカムクリップが候補です。複数の映像を合わせるだけでなく、説明に応じて見せる映像を切り替えやすくなります。

カメラ映像・音声・画面収録を選び、新規マルチカムクリップを作成する2024年の画面
  1. ブラウザで、同じ場面のカメラ映像・画面収録・外部音声を選びます。
  2. 右クリックから「新規マルチカムクリップ」、または「ファイル」→「新規」→「マルチカムクリップ」を選びます。
  3. 波形で合わせる場合は「同期にオーディオを使用」を確認して作成します。共通の音がない画面収録などは、マーカー等を使う別の合わせ方が必要です。

作成はApple公式のマルチカム作成手順を参照できます。位置や同期を調整するアングルエディタと、映像を見ながら切り替えるアングルビューアは用途が異なります。

マルチカムクリップで別録り音声をアクティブオーディオアングルに選ぶ2024年の画面

上は、私が別録りの音を「アクティブオーディオアングル」に選んだ例です。声を一定に保ちたい講座では、使う音声を決めてから、アングルビューアの「ビデオのみ」の切り替えモードを使います。映像を切り替えたときに声まで別のマイクへ切り替わっていないか確認しましょう。Apple公式のアングル切り替えと、私のマルチカム編集の記事も参考にしてください。

同期できない・途中からずれる場合の確認方法

自動同期が合わない場合

最初に、同じテイクの映像と音声を選んでいるか、両方に共通する音があるかを確認します。無音のカメラ素材や、雑音で声が聞き取れない素材では、波形から合わせにくいことがあります。自動同期は必ず成功するものではありません。Appleも音声素材による制約を案内しています。

次回の収録では、両方の録音が始まってから手を一度たたくなど、映像でも音でも分かる目印を入れると確認しやすくなります。カメラ音声がない素材でも、映像上の動作と音から対応を判断できれば手動で合わせる方法があります。マーカーを使う場合は、それぞれの同じ瞬間に最初のマーカーを置き、カスタム設定の「クリップの最初のマーカー」を使えます。共通の音がない場合は、「同期にオーディオを使用」を外してマーカーを基準にします。

全体が同じ量だけずれている場合

  1. ブラウザまたはタイムラインの同期クリップを選び、「クリップ」→「クリップを開く」で中身を表示します。
  2. 共通の音や動作を目印に、接続された音声クリップの位置を左右に調整します。
  3. 再生して確認したら、タイムライン左上の左矢印で戻ります。

プロジェクト上で同期クリップ全体を動かすだけでは、中の映像と音声の位置関係は変わりません。調整する対象は内部の音声です。念のため、使っているほかの箇所でも問題がないか確認してください。

先頭は合っているのに、後半ほどずれる場合

これは、最初の位置を動かすだけで全編が合うずれとは分けて考えます。まず冒頭・中盤・末尾を再生し、どこからどの程度ずれるか確認してください。収録の停止・再開、別テイクの混在、途中のカットや速度変更も確認します。

収録時の時間の進み方などによって長い素材でずれが生じる場合、自動同期をやり直すだけでは解消しないこともあります。原因を一つに決めつけず、元素材の長さと編集状態を確認しましょう。必要なら話の区切りごとに短い区間へ分け、位置を合わせ直して、継ぎ目の言葉が欠けたり重なったりしていないか聴きます。分けるだけで、各区間の中のずれまで直るわけではありません。

ずれが残る場合は、収録機器やファイルの条件を確認したうえで、音声の長さの補正などを個別に検討してください。完成後は、短く書き出したファイルでも口の動きと声を確認すると安心です。

私の録音例と、機材を選ぶときの確認点

ヒルトル・フィリップ太郎が別録りに使っているZOOM F2と付属ピンマイク
(私はZOOM F2と付属のピンマイクを使って音声を別録し、それをFCP上で同期して使っています。ピンマイクだと口元との距離を保ちやすく、私の収録では音量の変化を抑えやすいのでYouTube動画などを収録する際はこのF2を使って音声を別録りすることが多いです。)

上の写真と説明は、2024年の記事で紹介した私のZOOM F2の使用例です。机上のマイクだけでなく、胸元のピンマイクで声を収録し、FCPでカメラ映像に合わせる方法を使っています。

F2は32-bitフロートWAVで録音するレコーダーです。入力ゲインの調整が不要で、録音後に音量を整えやすい点が特徴です。ただし、32-bitフロートなら、どんな大音量・マイク・収録環境でも音が歪まない、という意味ではありません。入力が大きすぎる場合の表示やマイクの使い方は、F2/F2-BT公式マニュアルも確認してください。衣擦れや風、部屋の反響は、録音形式とは別に対処します。

製品仕様はZOOM公式のF2/F2-BTページで確認できます。下は元記事から掲載しているAmazonの紹介リンクです。購入する場合は、型番・付属品・現在の価格を確認してください。

ZOOM F2のAmazonリンクはこちら(アフィリエイトリンクです)

買う前に、今の機材で別録りできるか確認する

  • スマートフォンを使う場合:端子やマイク、録音アプリの対応を確認します。端子が合うだけで録音できるとは限らないので、短いテスト録音をMacに渡して再生します。
  • ワイヤレスを使う場合:送受信だけか、送信機内で別録りもできるかを型番ごとに確認します。電波が途切れた場合への備えも考えます。
  • レコーダーを使う場合:電池・空き容量・接続・録音開始を確認します。撮影前後に数秒余裕を持って録っておくと、編集する範囲を選びやすくなります。

マイクは同じ製品名でも、世代や接続端子で使える条件が変わります。買い替えを急がず、現在持っている機材で声が聞き取りやすく録れるかを先に確認してください。マイクの使い分けについては、こちらも参考にしてください。

まとめ:同期してから、使う声と音量を整える

まずブラウザで同じ場面の素材を選び、音声の波形を使って同期します。作成後は使う声を一つずつ確認し、冒頭・中盤・末尾のずれを確かめましょう。そこまでできたら、不要な部分をカットする編集へ進めます。

聞き取りやすさの仕上げは、Final Cut Proの音量調節、完成ファイルの確認は書き出しの手順をご覧ください。

Final Cut Pro公式サイトはこちら
https://www.apple.com/jp/final-cut-pro/

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※動画は私が2024年に解説した内容です。現在の操作や設定については、上の更新した本文も併せてご確認ください。

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