Final Cut Proのカットの仕方|切り取りとトリミング(解説その11)

Final Cut Proで不要な部分をカットする方法を解説するヒルトル・フィリップ太郎と編集画面

Final Cut Pro(ファイナルカットプロ)で動画の不要な部分をカット(切り取り)するなら、途中を抜く操作と、先頭・末尾を短くするトリミングを使い分けましょう。この記事では、ブレード、Command+B、トリムの3つの方法を、画面付きで紹介します。範囲選択で途中を削除する方法や、削除後に隙間ができる理由も補足しました。波形を手がかりにしながら、言葉や大切な間を残して、見やすい動画に整えていきましょう。

カットする場所で、3つの方法を使い分けましょう

最初からすべてのショートカットを覚える必要はありません。あなたが消したいのは、動画の途中の言い直しでしょうか。それとも、撮影を始める前や話し終わった後の余白でしょうか。

  • 位置を見ながら途中を抜きたい:Bキーでブレードに切り替え、不要部分の前後を分割して削除します。
  • ツールを切り替えずに分割したい:Command+Bで不要部分の前後を分割して削除します。
  • クリップの先頭・末尾だけを詰めたい:Option+[で先頭、Option+]で末尾をトリムします。

途中の不要部分をひとまとまりで選べるなら、Rキーの範囲選択→Deleteも使えます。Option+[とOption+]を順番に押す操作は、途中の区間だけを抜く操作ではありません。残したい側を確認してから使ってください。

撮影が終わっても、言い直しや長い待ち時間が残っていると、そのまま公開しづらいですよね。まずはカットだけに集中し、話が伝わる長さに整えます。文字入れや装飾は、その後に進めると整理しやすくなります。

2026年9月確認:Mac版のApple公式ユーザガイドに合わせて操作説明を更新しました。画像と動画は2024年の初回公開時のものです。ショートカットは標準のコマンド設定を前提としています。

Final Cut Proの基本:タイムラインとツールの概要

カットする場所は、動画や音声を並べるタイムラインです。まず、今どこを見ているかを確かめましょう。

  • 再生ヘッド:再生や編集の基準になる位置を示します。マウスの移動で素材を確認する線は「スキマー」です。
  • クリップ:タイムラインに置いた動画や音声のひとまとまりです。
  • 波形:音声の大きさを形で表したものです。声の切れ目を探す手がかりになります。

よく使うツールは、Aキーの「選択」、Bキーの「ブレード」、Rキーの「範囲選択」です。クリップの端をドラッグして長さを変える基本的なトリムは、「選択」ツールでも行えます。「トリム」ツールには、隣り合うクリップの境界などを調整する役割もあります。

細かいカットの前には、タイムラインをCommand+プラス記号(+)で拡大します。全体の流れを見るときはShift+Zでウインドウに収めます。波形が小さくて見えない場合は、タイムライン右上の「クリップのアピアランス」から表示を調整してください。

表示の調整は、Apple公式のタイムラインの拡大・縮小とクリップのアピアランスでも確認できます。タイムラインの使い方を先に押さえたい方は、こちらの記事をご覧ください。

不要な部分をカットする3つの方法(切り取り・トリミング)

ここからは、タイムライン中央の基本ストーリーラインに動画を置いた状態を例に説明します。最初は短い区間で試し、削除しすぎたときはCommand+Zで戻しましょう。

ブレードツールで前後を分割して削除する

マウスで切る位置を確かめながら進めたいときは、ブレードツールが使いやすい方法です。途中の言い直しを抜くなら、不要部分の前と後の2か所で分割します。

  1. Bキーを押して「ブレード」に切り替えます。
  2. 消したい部分の開始位置と終了位置を、それぞれクリックします。
  3. Aキーで「選択」に戻し、2つの切れ目の間にできた不要なクリップをクリックします。
  4. 選んだクリップを確かめて、Deleteキーを押します。

切れ目を入れただけでは、動画は短くなりません。分割した後に、不要なクリップを選んで削除するところまでが一組です。操作の基本はApple公式「クリップを2つにカットする」に沿っています。

Command+Bでツールを切り替えずに分割する

何度も分割する場合は、Command+Bを使うとツールの切り替えを減らせます。分割する位置は、スキマーが出ていればスキマー、そうでなければ再生ヘッドの位置を確認してください。

  1. 不要部分の開始位置にスキマーまたは再生ヘッドを合わせ、Command+Bを押します。
  2. 不要部分の終了位置に合わせ、もう一度Command+Bを押します。
  3. 間の不要なクリップを選び、Deleteキーを押します。

何も選択していないとき、Command+Bは基本ストーリーラインのクリップに働きます。上下に重ねた動画も扱う場合は、どのクリップが選択されているかを確認してください。すべてのクリップをまとめて切るShift+Command+Bとは区別しましょう。

トリミング(トリム)でクリップの先頭・末尾を短くする

撮影開始前の待ち時間や、話し終わった後の余白を詰めるときは、トリムが便利です。クリップの端を、指定した位置まで動かす操作だと考えるとわかりやすいですよ。

  • 先頭を詰める:残したい最初のフレームにスキマーまたは再生ヘッドを合わせ、Option+[を押します。「トリム」→「トリム開始」でも操作できます。
  • 末尾を詰める:終わらせたい位置に合わせ、Option+]を押します。「トリム」→「トリム終了」でも操作できます。

たとえば、冒頭の待ち時間を消すなら、話し始める直前に合わせて先頭をトリムします。一方、動画の途中だけを抜きたいときは、前後を分割して削除するか、次の範囲選択を使ってください。

重ねたクリップがある場合は、意図しない映像を詰めないよう対象を選んでから操作します。細かな端の調整やトリムの対象は、Apple公式「クリップを伸ばす/縮める」でも確認できます。

範囲選択で途中を削除する方法も覚えておく

「ここからここまでを消す」と決まっている場合は、クリップを2回分割する代わりに、その区間を直接選べます。

  1. Rキーを押して「範囲選択」に切り替えます。
  2. タイムライン上で不要な区間を横にドラッグし、黄色の枠を確認します。
  3. 選んだ範囲が正しければDeleteキーを押します。必要ならAキーで「選択」に戻します。

範囲はIキーで開始点、Oキーで終了点を指定する方法もあります。削除では「消す範囲」、選択部分へのトリムでは「残す範囲」を選ぶため、取り違えないようにしてください。Apple公式の範囲選択ガイドでは、選択範囲の調整方法も確認できます。

削除で詰める場合と、ギャップを残す場合の違い

Deleteで基本ストーリーラインのクリップや範囲を削除すると、後ろのクリップが前に詰まります。これがリップル削除です。動画全体の長さも短くなります。

全体の長さや後ろの配置を保ちたいなら、Shift+Delete、または「編集」→「ギャップに置き換え」を使います。消した部分の時間がギャップとして残るので、間を詰めたい通常のカットとは目的が違います。

また、クリップ全体を削除すると、そこに接続されたタイトルや別の動画も削除されることがあります。削除後は上下の素材とタイミングも確認してください。ギャップへの置き換えでは接続されたクリップを保持できます。詳しくはApple公式「プロジェクトからクリップを削除する」をご覧ください。

波形を手がかりに、不要な区間を探す

長い動画では、波形を見ると声の切れ目を探しやすくなります。ただし、波形が低いだけで不要とは判断できません。小さな声や息継ぎ、視聴者が説明を理解するための間が含まれていることもあります。

  • 波形が高い部分:比較的大きい音が入っています。声とは限らず、音楽や物音の場合もあります。
  • 波形が低い部分:比較的小さい音や無音の候補です。削るかどうかは、実際の内容を聞いて決めます。

削る候補を見つけてから、前後を試聴する

  1. まず全体を見渡し、長い待ち時間や言い直しの候補を探します。
  2. 候補の少し前から再生し、次の言葉まで聞きます。何を説明している途中なのかを確かめます。
  3. 必要な間を残して、削る区間の前後を分割するか、範囲選択で指定します。
  4. 削除後は、切れ目の2〜3秒前から次の一文まで、通常速度で聞き直します。
  5. 語尾や次の言葉の頭が欠けていないか、説明が飛んでいないかを確認し、必要なら戻して切る位置を調整します。

講座動画では、画面の操作を見てもらう時間や、考えてもらうための間にも意味があります。無音をすべてなくすことより、視聴者が無理なくついてこられることを優先してください。

長い素材の内容をざっと確認するには、Lキーによる再生速度の切り替えも使えます。停止状態からLキーを1回押すと通常再生、さらに押すと2倍速、Kキーで一時停止です。つなぎ目の仕上げは通常速度に戻して確認しましょう。操作はApple公式の再生ガイドで確認できます。

仕上げは音声と映像のつながりを確認する

カットが終わったら、短くなった動画を一度通して見てください。言葉だけでなく、表情や画面の操作も自然につながっているかを確かめます。

  • 話の意味:理由や結論が抜けていないか。言い直しを消したことで、違う意味に聞こえないか。
  • 声のつながり:語尾や子音が欠けていないか。息継ぎまで詰めすぎていないか。
  • 映像と素材の位置:説明に合う画面が出ているか。接続されたタイトルやBGMの位置が変わっていないか。

音量差が気になる場合は、Final Cut Proで音量を調節する方法へ進んでください。編集をひと通り終えたら、動画を書き出す手順を見ながら、実際に再生できるファイルにして確認しましょう。

まずは短い区間で、使い分けを覚えましょう

途中を抜くなら分割と削除、先頭や末尾を詰めるならトリム。この違いがわかれば、消したい場所に合った操作を選べます。最初は短い区間で試し、カット前後を聞くところまでを習慣にしてみてください。

編集の順番に迷ったときは、初心者向けFinal Cut Proの使い方まとめから、今必要な操作の記事を選べます。

Final Cut Pro公式サイトはこちら
https://www.apple.com/jp/final-cut-pro/

この記事の内容を動画で学びたい方はこちら

こちらは2024年の初回公開時の解説動画です。先頭・末尾のトリムと途中の区間削除の使い分けは、現行の公式ガイドを確認して更新した本文を参照してください。

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