誰でも動画を使える時代です
かつて、「映像」「動画」「ビデオ」と呼ばれるものは、いわゆる「テレビ局」「映像製作会社」「プロダクション」という組織に所属する「プロ」と呼ばれる人たちだけが扱える特権でしたが、今はその意味が変わっています。
私は、これまでの4年間ほど、「動画の撮影や編集」を行い、自社の売り上げだけを数えても、数千万円を稼いできました。
が、「映像製作会社」で働いた経験は一切ありません。
一応、大学の時に、「映画研究会」に顔を出したりしていた時期があり、そこでは後輩が、大学にあったMac Proとfinal cut proを使って自主制作映画を編集していましたが、私は技術的なことは何も分かりませんでした(汗)
そして、社会人になって入った会社が、コンサルティング会社だったので、自社のセミナーの簡単な撮影編集や、画面収録ビデオの収録や編集なども、先輩に教えてもらいながら、見よう見まねでやっていました。
(そのときに、同業の他のコンサル会社がやっている動画撮影セミナーに会社の費用で参加させてもらったりはしました。)
全てを独学で習得
そして、会社を独立した後、今思えば、素人に毛の生えたようなスキルしかなかったのですが、怖いもの知らずだった私は、動画制作の仕事を、前職のコネを使い、知り合いの社長さんに頭を下げて、仕事をもらいました。
今から振り返ると、本当に当時は恥ずかしいぐらいスキルや技術しかなかったので、実際、クライアントさんからは、編集した動画をボロクソにけなされたり、悔しい思いをたくさんしてきました(涙)
一時期、知り合いのセミナー動画撮影会社の業務を手伝わせ頂いたことも良い経験でしたが、基本的には、「独学と実践」でスキルを学んだと言っても良いでしょう。
特に、Lynda.comや、Ripple TrainingのEラーニングコースには、めちゃくちゃお世話になりましたね。
そして、ここ3−4年のうちに、Mac Pro (late 2013)を買い、ビデオカメラや一眼レフ、ミラーレス一眼、さらにはスタビライザーやドローンまで買い揃えました。
話題になることが増えたRawとLogとかの扱いは苦手ですが、120コマのスローモーション、空撮、4K撮影など、最近の流行の動画トレンドは、全て押さえました(笑)
時代はウェブ動画が全て
ちょっと前に、「動画のプロが集まる勉強会」に顔を出したこともあったのですが、「専門用語」が多すぎて訳が分からず、私が「中小企業のクライアントさん向けにウェブ動画をやっている(むしろそれ以外なんてできない)」みたいな話をすると、すごく興味深い目で見られたので、
「あ、映像業界って、特殊な場所なんだな。自分とは全く違う世界だな〜」と実感したのを覚えています。
そのときに感じたのは、いわゆるテレビの仕事をしている「プロの動画制作業者」の人は、「YouTuber」とか「ウェブの動画を撮影する会社」のことを、「自分たちより下だと思っている」という印象でした。
あからさまではありませんでしたが、彼らの言葉の中には、「あいつら素人が、クソみたいな動画をアップしやがって・・」というネガティブな感情を感じましたね(笑)
しかし、現実を見ると、動画なんて、誰でもスマホや一眼レフで撮れる時代になり、「コモディティ化」しているので、動画制作の単価はどんどん安くなっているでしょうし、
「今までの時代の動画のプロ」と「YouTuber」どちらが稼げているかというと、動画の技術的には圧倒的に劣るにも関わらず、YouTuberのほうが稼げているのではないでしょうか?
今は企業も、テレビ広告よりも、数字がはっきりわかる「ウェブ動画広告」に力を入れているようなので、必然的に動画制作会社も、「ウェブ動画」の仕事が増えているはずです。
(私が独立した3−4年前は、そこまで顕著ではなかったと思います。)
「プロ」の定義が拡大する
そもそも、「プロ」とは何かというと、「お金をもらって、仕事をする人」だと私は理解しています。
今までは、動画、というのは、機材やスキルのハードルが高かったので、制作会社に所属していないと仕事はできませんでしたが、
かつての私のような素人が、ちょっとした機材とパソコンを買って、格安で動画制作を引き受けたり、YouTubeに動画をアップして、お金を稼ぐことが簡単にできるわけです。
つまり、「参入障壁が下がり、技術がなくてもプロになれる時代」がやってきてしまったわけです。
「動画のプロ」という言葉の意味が、広がったわけですね。
きっと既存の制作会社は、「これはマズい、俺たちの仕事がなくなる」と思ったはずです。
「既得権益が崩れる」ってこういうことですよね(笑)
実際、それで潰れてしまった動画制作会社も多いんじゃないかなーと思います。
Final Cut Pro X事件
動画業界の中では、2011年にAppleが業界標準の編集ソフトの地位を確立していたFinal Cut Pro7の開発を止め、Final Cut Pro X(FCPX)を発表したときには、業界に激震が走ったと、よく聞きます。
私は、会社に勤めていた時は、Premiere Elementsから始め、Premiere Proを使うようになったので、独立した後も、安いiMacを買って、Premiereで編集をしていました。
で、ネットを調べてみると、「final cut pro 7は最高だったのに、Xになってから、本当にクソみたいなソフトになってしまった」という話ばかりでしたし、実際にリアルでもFCPXの悪評は聞きました。
ただ、「せっかくMacユーザーなんだし、Final Cut Pro使ってみたい!」という欲求に駆られた私は、Apple StoreでFCPXとMotionとCompressorを買い、試行錯誤しながら使ってみることにしました。
もともとPremiereを使っていた私は、最初はひどく使いにくいと感じたのですが、海外の情報サイトを見ると、「FCPXは最高だ!」と言っている人もおり、前述したEラーニング教材で学んでいくと、
確かにFCPXは、「一度慣れてしまうと、もうPremiereには戻れない!」と感じてしまうほど、根本的に編集に対する概念が違うソフトなんだな、と実感しました。
なので、私の会社の動画編集ソフトは、FCPXしか使っていません。(外注さんはPremiereを使ったりしていますが、もとから動画をやっている人は、好きなソフトを使えばいいと思っています。)
ヒカキンやはじめしゃちょーなどの有名YouTuberにもFCPXを使っている人は多いので、FCP7は「それまでの時代のプロ」のための編集ソフトだったのに対し、FCPXは私のような「新しい時代のプロ」のためのソフト、という目的で開発されたのだ、という明確な意思を感じます。
実際、fcp7よりも、fcpxのほうが売れているそうですので、Appleの路線変更は正しかったと言えるでしょう。
ファイナルカットプロXに関する話はもっと書きたいのですが、長くなりそうなので、またの機会に書きます(笑)
Final Cut Proについてのブログ記事はこちらからどうぞ
動画制作からの脱却
前述したように、私はコンサルティング業界の出身であり、たまたま動画が少しだけ得意だったので、独立したときに、そのスキルでお金を稼ぐことができたわけです。
ただ、もともと人の動画を撮るのがやりたかったわけではないので、2017年になってからは、請負の動画制作は全て断りました。
で、私の会社が今は何をしているかというと、私のコンサルティングやセミナーを販売するためのマーケティング、セールス、およびEラーニングコンテンツの撮影だったり、ビジネスパートナーさんと一緒にプロジェクトを組んで、同じことをしています。
つまり、それまでは、他社が企画する案件の映像制作の請負のほうが収入が多かったのですが、今年からは完全に、自社案件だけに集中し、動画制作チームを社内に抱えるマーケティング会社に変わった訳です。
これまでも、自社の企画案件は行なっていたのですが、他社さんの請負仕事も行なっていたために、リソースを自社案件に集中できないことが、フラストレーションになっていたので、思い切って、下請けの仕事を全て断ることにしたのです。
動画制作業者なんて必要ない
下請けから脱却したことで、それまでとは違うプレッシャーも増えましたが、取引先に自社のスケジュールを左右されずに、仕事を行なっていくことができ、私もさらに自由なライフスタイルを手に入れられるようになりました。
(安定した収入のある取引を切るのは、怖くなかったといえば嘘になりますが、思い切った決断をして、本当に良かったと思っています。)
そして、素人から「動画のプロ(?)」になった私が言いたいのは、「今の時代、動画なんて誰でも出来る」ということです。
今は、「どんなビジネスでも動画を使うべき時代」だと信じています。
動画をウェブ上にアップすることも、視聴者がスマホやタブレットで動画を見ることも、とてつもなくハードルが下がりました。
だからこそ、自分の商品・サービス・メッセージを伝えたいと思っている人なら、動画を使うことで、自分の言葉を世界中に伝えられます。
逆に、それができなければ、ライバルがあなたのお客様を持って行ってしまうでしょう。
あなたも今すぐ自分で動画にチャレンジ!!
私の会社も、お金を頂いて、動画を撮ってあげるよりも、「動画の撮り方や編集方法を教える」ということを重視しています。
私のアメリカの先生のジェフ・ウォーカーも、自分の息子に動画制作を任せていますし、私も、家族がいるクライアントさんには、「私が息子さんに動画を教えますよ!」と言っているぐらいです(笑)
なので、あなたもいちいち動画制作を外注するのではなく、「自社で動画制作ができる担当者を育てる」というつもりでいてください。
そのほうがいちいち外注に頼むより、安価で効率的に動画ができますよ。
そのぐらい「動画コンテンツをつくる」ということは、すべての企業や個人事業主がおこなうべき、必須の方法なのです。
ぜひ今すぐ、あなたも動画制作にチャレンジしてくださいね!
「モバイルビデオ」こそが今の時代のトレンドですよ!