
ブランディングの本当の意味は、人々の記憶の中にある「あなたのイメージ」を意識して、言葉と行動で少しずつ形づくっていくことです。ブランドは、有名な会社や高級品だけのものではありません。あなたという「人」にもブランドがあります。人のブランドを育てることは、「パーソナルブランディング」や「セルフブランディング」とも呼ばれます。
この記事では、個人や小さな会社の経営者が、SNSと動画を使って「この人なら信頼できる」と思ってもらうための考え方と進め方を、動画で発信を続けてきた私自身の経験からお伝えします。
- ブランディングの本当の意味(「ブランド」とは何か)
- なぜ、SNSと動画がブランディングに向いているのか
- 私(ヒルトル)の動画の事例
- 動画ブランディングの4つのステップと、顔出しの不安との向き合い方
会社やお店、商品のブランド化(メリットと進め方)については、「ブランド化とは?ビジネスでの意味と5つのメリット、実践方法」の記事で解説しています。
はじめに
SNSが当たり前になった今の時代。ビジネスにおいて「信頼」こそがすべての鍵を握っています。
なぜなら、今や良い評判も悪い評判も、すぐにSNSで拡散されるからです。たとえば飲食店で素晴らしい料理とサービスを体験すれば、その感動をSNSで共有したくなるでしょう。逆に、ひどい接客に遭えば、二度とその店には行かないと思うはず。そしてそのことをSNSで発信することで、多くの人にその店の評判が広まります。
つまり、事業者は常に「信頼」され続けなければ生き残れないのです。もはや「信頼」なくしてビジネスの成功はありません。
しかし、見方を変えれば、これはあなたにとって大きなチャンスでもあります。
なぜなら、SNSを活用すれば、誰でも自分の想いを発信し、ファンを増やすことができるからです。
2000年代のはじめごろまで、たくさんの人に情報を届ける方法は、ほぼテレビや新聞、雑誌といったマスメディアに限られていました。しかし今は、YouTubeに動画を投稿したり、X(旧Twitter)にポストしたりして、マスメディアを通さずに、自分で情報を届けられるようになりました。
正直に言うと、私もごく普通のサラリーマンでした。それが、YouTubeに動画を投稿したことをきっかけに、今では多くの人に私のことを知ってもらえるようになりました。
つまり、時代は「企業ブランド」から「個人ブランド」へと移り変わったのです。
企業に所属していようと、個人で活動していようと、「信頼」さえ獲得できれば、SNSを通じて多くのファンを獲得し、ビジネスを成長させることができるのです。
しかも、今の時代、「信頼」を獲得し、「ファン」を増やす方法は非常にシンプルです。
それは、動画を活用して自分のことを知ってもらい、好きになってもらうこと。

つまり、「動画ブランディング」こそが、SNSマーケティング成功の鍵を握っているのです。
次の章では、そもそも「ブランディング」とは何なのか?ブランディングがなぜ大事なのかについてお伝えしていきます。
ブランディングの本当の意味(人にもブランドがある)
あなたは「ブランディング」と聞いて、何を思い浮かべますか?
おそらく、シャネルやグッチといった高級ブランドを想像する人が多いのではないでしょうか。
たしかに、それも一つの「ブランド」です。しかし、ここで私が言う「ブランド」とは、もっと広い意味での「ブランド」のことを指します。
私が考える「ブランド」の定義は次の通りです。
「ブランド」とは、人々の記憶の中にある「あなたに対するイメージ」のこと。
つまり、シャネルやグッチのような企業ブランドも、あなた自身の個人ブランドも、ブランドである以上、人々からどのように思われているのかが重要だということです。
「人もブランドになる」という考え方は、1997年に、経営書『エクセレント・カンパニー』の共著者として知られるトム・ピーターズ氏が、アメリカのビジネス誌『Fast Company』の表紙記事「The Brand Called You(あなたというブランド)」で書いたことをきっかけに広まったとされています。
ブランドを「人々の記憶の中にあるイメージ」と考えれば、あなたのブランディングとは、ほかの人があなたをどう見ているのかを意識して、言葉と行動で少しずつ形づくっていくことです。
例えば、カリスマ美容師としてのブランドを確立したい人は、髪型やファッションはもちろん、話し方や動画の撮り方まで、徹底的にこだわる必要があるでしょう。
また、温かみのある街医者としてのブランドを築きたいなら、白衣姿で知識をわかりやすく伝える動画を定期的に投稿するのが良いかもしれません。
要するに、あなたのブランドをデザインするということは、「あなたが人々にどう思われたいのか」「どんな価値を提供したいのか」を考え、それを行動で示していくことなのです。
ここで本当に大事なポイントがあります。
それは、強いブランドを持てば、新しい商品やサービスも、まず手に取ってもらいやすくなるというところです。
なぜでしょうか?
それは、人々があなたのことを信頼し、あなたのファンになっているからです。
例えば、あなたのYouTubeチャンネルのファンが10万人いるとします。そのファンの大半は、あなたのことが大好きで、あなたを信頼しているはずです。
そんな中で、あなたが新しい商品を発売したとしましょう。
ファンの多くは、「この人の商品なら安心だ」と、前向きに検討してくれるはずです。
もちろん、商品の品質も重要です。しかし、ブランドへの「信頼」があれば、最初の一歩を踏み出してもらうことができるのです。
つまり今の時代は、「作る人」や「売る人」の「ブランド力」が商品の売れ行きを大きく左右する、「ブランドファースト」の時代なのです。

次の章では、そんな「ブランドファースト」の時代に、なぜ動画がブランディングに向いているのか、詳しくお伝えしていきます。
動画がブランディングに向いている2つの理由

ここまで、ブランディングの重要性についてお伝えしてきました。
では、数あるコンテンツの中でも、なぜ動画が特に重要視されるのでしょうか?
それには大きく分けて2つの理由があります。
1つ目は、動画には人を惹きつける力があるからです。
文字だけの記事とくらべて、動画はあなたの表情や声、しぐさなど、言葉以外の情報も含めて伝えることができます。
つまり、動画を通してあなたの人となりがよりリアルに伝わるということ。これにより、見る人との親しみや信頼を育てやすくなるのです。
例えば、朝の通勤電車の中で、スマホを片手に持ちながら目を通すのは、文字情報と動画、どちらでしょうか?
おそらく、大半の人は動画に目が行くはずです。それだけ動画コンテンツは人の目を引きやすいのです。
2つ目の理由は、SNS各社が、短い動画を見てもらう場所づくりに力を入れているからです。
YouTubeのショート、Instagramのリール、TikTokのように、多くのSNSが、短い動画を次々に見られる画面を用意しています。Instagramでは、2024年4月の時点で、リールを見る時間がアプリの利用時間の半分を占めていました(Metaの決算説明会〔英語のPDF〕での説明)。
ただし、「動画なら必ず多く表示される」わけではありません。どの投稿を見せるかは、見る人がふだん何を見て、何に反応しているかをもとに決まります。Instagramも公式ブログ(2023年・英語)で、フィード(ホーム画面に並ぶ投稿)では、写真を好む人には写真を多く見せる、と説明しています。
それでも、あなたの表情や声まで伝えられる動画は、SNSの中で見てもらえる入り口が多い分、ブランディングに向いている、というのが私の考えです。
しかし、「自分には動画制作のスキルがない」「機材も何もない」と二の足を踏んでいる人もいるかもしれません。
でも大丈夫です。次の章では、私が動画をブランディングに活用してきた事例をご紹介します。
きっとあなたにもすぐにでも実践できるヒントが見つかるはずです。
ヒルトルのブランディング動画事例
前の章で、動画がブランディングに向いている理由をお伝えしました。
でも、実際にどのように動画を活用すればいいのか、具体的にイメージできないという人もいるかもしれません。
例えば、私もYouTubeチャンネルを運営しています。
動画の内容的に一般の方を対象にしたコンテンツではないので、再生数は数千回程度が多いですが、それでも濃い内容を配信することで、ファンが付き、売上にもつながります。
実際に、弊社で使ってきた海外のソフトウェア(ClickFunnelsやKajabi)の使い方を紹介する動画もYouTubeで公開していますが、その動画経由でこれまでたくさんのお申し込みが入り、弊社の売り上げアップに貢献してくれています。
※ 上の2本は2021年の動画で、画面や料金プランは今とは違います。ソフトの導入をお勧めするためではなく、ブランディングの例としてご紹介しています。
別にかっこいい撮影や編集を行わなくても、「役に立った」「刺激を受けた」と思っていただける動画を作れば、あなたのファンは増え、ブランドの力が強まり、結果的に「この人(会社)の商品なら買ってみたい」と思っていただけるようになり、ビジネスが育っていくのです。
動画ブランディングのステップとポイント
ここまで、動画ブランディングの重要性と事例についてお話ししてきました。
本章では、それらを踏まえて、実際に動画ブランディングを行うための具体的なステップとポイントをお伝えします。
ステップ1:自分のブランドを明確にする
動画ブランディングを始める前に、まずは自分のブランドを明確にしましょう。
具体的には、以下のような質問に答えてみてください。
- あなたの強みや専門性は何ですか?
- あなたはどんな価値を提供できますか?
- あなたの理想的な顧客像は誰ですか?
これらの質問に答えることで、あなたらしさが明確になり、ブランディングの方向性が定まります。
ステップ2:動画を届けたい相手(ターゲット)を決める
次に、動画を見てもらいたい相手(ターゲット)を具体的に決めましょう。
年齢や性別、興味・関心などを決めておくと、見る人の心に届く動画の企画が立てやすくなります。
また、YouTubeやSNSの分析ツールを活用すれば、どのような人があなたの動画を見ているのかを知ることもできます。そこから得られる気づきは、動画の改善に役立つはずです。
ステップ3:価値ある動画コンテンツを発信し続ける
いよいよ動画の制作と発信です。
ここで大切なのは、視聴者にとって価値のある情報を提供し続けることです。
あなたの専門知識を惜しみなく共有したり、視聴者の悩みを解決するヒントを提供したりと、常に視聴者目線で動画制作に取り組みましょう。
また、動画のクオリティを上げるためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 画質や音質は十分か
- 見る人を惹きつけるサムネイル(動画の表紙の画像)になっているか
- 冒頭で見る人の興味を引く工夫をしているか
画質や音質を上げたいときの機材の選び方は、「オンライン講座・ライブ配信の撮影機材」と「動画撮影用マイク5機種を比較」の記事にまとめています。
編集技術の習得には時間がかかるかもしれませんが、とにかくコンテンツを発信し続けることが上達への近道です。
ステップ4:動画広告で認知度を高める
広告を使わない、ふだんの動画の投稿に加えて、動画広告を活用するのも効果的です。
FacebookやInstagram、YouTubeの広告では、地域や年齢、興味・関心などで「見てほしい人」を伝えられます。今はその情報を手がかりに、広告の仕組み(AI)が、反応してくれそうな人まで広げて届ける設定が、初めから入っていることが多くなりました。
地域や年齢など、どうしても外せない条件がある場合は、その条件が必ず守られる設定になっているかを確かめておきましょう。Metaの広告では、この設定を「オーディエンス制御」と呼び、地域・最低年齢・言語などが当てはまります。一方、年齢の範囲や性別、興味・関心は、初めは「提案」として扱われ、指定した人以外にも届くことがあります。年齢の範囲なども必ず守られるようにしたい場合は、リンク先のヘルプの手順で「オーディエンス制御」に切り替えられます。YouTube広告の具体的な配信設定は、「YouTube広告のお勧めの配信設定方法を解説します」の記事にまとめています。
広告の内容は、ブランドの世界観を表現するブランディング広告でも、その場で申し込みや購入を呼びかけるダイレクトレスポンス広告でも構いません。
大切なのは、動画広告を通して、より多くの人にあなたのブランドを認知してもらうことです。
以上、動画ブランディングの4つのステップについて説明しました。
とはいえ、これらを実践するには一定の覚悟が必要です。
次の章では、動画ブランディングに大切な心構えについてお話しします。
動画ブランディングに大切な心構え
動画ブランディングのステップやポイントをお伝えしてきました。
しかし、実際に動画を制作し、配信し続けるとなると、勇気がいるものです。
特に、多くの人が抵抗を感じるのが「顔出し」ではないでしょうか。
「顔出しなんて恥ずかしい」
「下手なことを言ったらどうしよう」
「否定的なコメントがついたらショックだ」
こんな不安から、なかなか一歩が踏み出せない人も多いと思います。
でも、ここで思い出してほしいのは、信頼されるためには、自分をさらけ出す必要があるということです。
人は、リアルな表情を見せてくれる人に親近感を覚えます。
感情を隠さず、素直に語ってくれる人に心を開きます。
つまり、ブランディングで大切なのは完璧さではなく、等身大のあなたを見せることなのです。
例えば、スティーブ・ジョブズが2007年に初代iPhoneを発表したときのことです。スライドを送るリモコンが、途中で動かなくなってしまいました。
ジョブズは、裏方が直しているあいだ、高校時代に、のちにアップルを一緒に創業するウォズニアック氏とテレビの映りを乱すいたずらの機械を作った思い出話をして、会場を和ませました。
入念な準備で知られるジョブズでも、思いどおりにいかない場面はあったのです。
そんなとき、取りつくろわずに観客と向き合う姿は、完璧な発表以上に、人の心に残ることがあります。
どうでしょう。
これまでお伝えしてきたことを踏まえると、動画ブランディングへの抵抗は少し和らいだのではないでしょうか。
あなたには、人々の心を動かす力があります。
あなたの言葉には、誰かの人生を変える力があります。
ぜひ、あなたの人間性を感じさせる動画を通して、多くの人々に前向きな影響を与えてください。
次の章では、これまでの内容をまとめるとともに、あなたが今すぐ始められることについてお話しします。
まとめ
本記事では、SNSの時代に「動画ブランディング」がなぜ大切なのかをお伝えしてきました。
- 今の時代、「信頼」こそがビジネス成功の鍵を握る
- ブランディングとは、人々の記憶の中にある「あなたのイメージ」を、言葉と行動で形づくっていくこと
- 動画は人柄が伝わりやすく、SNS各社も短い動画に力を入れている
- 再生数が多くなくても、役に立つ動画を続ければファンは増えていく(私の動画の事例)
- 動画ブランディングには4つのステップがある(自分のブランドを明確に、ターゲットの特定、価値ある動画の発信、動画広告の活用)
- 動画ブランディングには勇気が必要だが、等身大の自分を見せることが大切
これらのポイントを押さえれば、あなたも動画でファンを獲得し、ビジネスを加速させられるはずです。
でも、理屈ではわかっていても、なかなか行動に移せないのが人間の性(さが)。
そこで、今すぐ実践できる3つのことをご提案します。
- まずはスマホで自己紹介動画を撮影してみる
- 撮った動画をSNSにアップして、感想や反応をもらう
- 感想や反応を参考に、次の動画のテーマを考える
たったこれだけです。
お忙しい中でも、1日10分もあれば十分に実行できるはずです。
大切なのは、完璧を目指すことではありません。
とにかく「始める」こと。
そして、「続ける」ことです。
最初のうちは、再生回数が伸びなかったり、思ったような反応が得られなかったりするかもしれません。
それでも、コツコツと動画を発信し続ければ、あなたの想いに共感し、あなたの言葉を待っている人たちと、少しずつつながっていけるはずです。
ビジネスの世界では、どんなに優れた商品やサービスを持っていても、それを必要としている人に「信頼」してもらえなければ、なかなか買ってはいただけません。
動画ブランディングは、その「信頼」を得るために、私がいちばん手応えを感じてきた方法です。
ぜひ、SNSの波に乗って、あなたの魅力を存分に発揮してください。
そして、あなたにしかできない形で、多くの人々の人生をより良いものにしてください。
あなたのブランディング動画を、心から楽しみにしています。
この内容を深く学べる書籍のご案内
今回お伝えした「SNSと動画を活用したブランディング戦略」。
しかし、この記事だけではお伝えしきれない、もっと具体的で実践的な内容があります。
私が海外のマーケターや起業家から学び、自分のビジネスで試してきたSNSと動画の使い方を、一冊の書籍にまとめました。
その書籍のタイトルが、「SNS動画ブランディング」です。

SNSで集客して商品をご案内するまでの仕組み、ファンが増えるコンテンツの作り方と発信の仕方、SNS動画広告の組み立て方を、図や実際の広告の画面とともに96ページにまとめた本です。
なお、この本は、感染症の流行でリモートワークが広がった時期に書いたものです。第3章・第4章はFacebookを中心に書いていて、画面や広告の仕様は当時のものですが、ファンづくりやコンテンツの考え方の部分は、今もお使いいただけます。
SNSと動画での集客にお悩みの経営者や個人事業主の方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
本の代金はいただかず、送料390円(税込)のみで、ご自宅に郵送でお届けしています。お支払いはクレジットカードのみで、お申し込みから長くても1週間ほどで郵便受けに届きます。
送料だけでお届けしているのは、この本を読んで価値を感じていただけた方に、弊社のほかのオンライン講座も知っていただきたいからです。お申し込みの画面では、本の内容を私が動画で解説した講座(約3時間・3,300円・税込)を一緒に追加することもできますが、本だけのお申し込みでも問題ありません。
また、本が届いてから30日以内にメールでお申し出いただければ、お支払いいただいた送料を全額お返しします(本を送り返していただく必要はありません)。一緒に追加できる動画講座にも、30日間の返金保証がついています。送料だけでお届けするこの形は、予告なく終わることがあります。
お申し込みは、下のボタンのページからどうぞ。
こちらのYouTube動画もご覧ください
2019年に撮った、「ブランディングの本当の意味」についての動画です。この動画では、ブランディングを「濃いファンを集めること」という面からお話ししています。人々の記憶の中に良いイメージが積み重なると、その先にファンが生まれます。言い方は違いますが、この記事と同じ考え方です。
この記事は2026年9月24日に内容を見直しました(冒頭に「ブランディング」の意味を置き、SNSと広告の仕組み、ジョブズの例、書籍のご案内を今の事実に合わせ、「どんな商品でも売れる」などの言い切りを改め、Twitterの表記をX〔旧Twitter〕に直しました)。
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