
ビデオセールスレター(VSL)とは、商品をご案内する長い文章「セールスレター」の中身を、スライドと声で伝える動画のことです。この記事では、いきなり売り込まず、先に視聴者の役に立つ情報を届けてから商品をご案内する「価値提供型ビデオセールスレター」の作り方を、6つのステップと台本の例文で解説します。文章のセールスレターとの違い、動画の長さの目安、成果の数字・期限・返金保証を伝えるときに守りたい条件もまとめました。お客様に価値を提供しながら、自然な形で販売につなげる方法を学びたい方は、ぜひ最後までお読みください。
【2026年9月の更新】この記事は2024年7月に書いたものです。台本の例文の中に、裏付けのないまま成果を約束する言い方(「30日で売上2倍」「誰でも」など)や、条件を書かない期限・割引・返金保証が「効果的な書き方」として並んでいたため、訂正しました。本文の例文を書き直し、元の例文は「例文をまねする前に」の章でNG例として、理由とOK例を並べています。作った例を「成功例」と呼んでいた見出しは「台本の例文」に改めました。あわせて、VSLなら文章を書く力がいらないように読める比較と、VSLが広まった時期・動画の長さの説明も直しています。
はじめに:ビデオセールスレターの始まりと、動画で伝えるよさ
あなたは自分の商品やサービスをオンラインで販売しようとして、こんな悩みを抱えていませんか?
- 長文のセールスレターを書くのに時間がかかりすぎる
- 高額なコピーライターに依頼するのは予算的に厳しい
- せっかく書いたセールスレターを、お客様が最後まで読んでくれない
もしそうなら、ビデオセールスレターも選択肢に入れてみてください。話す中身(台本)を書く手間はなくなりませんが、長い文章を読むのが苦手な方にも、最後まで内容を届けやすくなります。
ビデオセールスレターは、文章のセールスレターを、スライドと声で伝える形にしたものです。アメリカのコピーライター、ジョン・ベンソン氏は、次に出す本のセールスレターを3通り書いてもどれもうまくいかず、絵のない画面に黒い文字と赤い強調だけを出し、自分の声で読み上げる動画を作ったのがVSLの始まりだと、公式サイトで説明しています(同じページでは、2007年ごろのこととしています)。つまりVSLは、もともとセールスレターの文章を読み上げた動画です。台本(文章)が土台であることは、今も変わりません。
では、文章ではなく動画で伝えると、何がよいのでしょうか。主に次の3つです。
- 撮影の負担が小さい: PowerPointやKeynoteなどのスライドの道具とマイクがあれば作れます。顔出しや撮影、凝った編集の技術は要りません(ただし、話す中身である台本は、自分で書く必要があります)。
- 視聴者のエンゲージメント向上(興味を持って見続けてもらうこと): 動画なので、長い文章を読むのが苦手な方にも、内容を届けやすくなります。
- 情報伝達の効率化: 口頭での説明により、複雑な情報もわかりやすく伝えることができます。
しかし、単にビデオを使えば売れるというわけではありません。真に効果的なビデオセールスレターの鍵は、「価値提供」にあります。
この記事では、あなたも実践できる「価値提供型ビデオセールスレター」の作り方を、具体的なステップとともにお伝えしていきます。これを習得すれば、お客様に感謝されながら商品が売れる、Win-Winの関係を構築することができるでしょう。
では、まず「ビデオセールスレター」とは何か、従来のセールスレターとどう違うのか、詳しく見ていきましょう。
ビデオセールスレターとは?従来のセールスレターとの違い

土台の台本は同じでも、スライドと声で伝えると、伝わり方が変わります。ここでは、ビデオセールスレターの特徴と、文章のセールスレターとの主な違いを見ていきましょう。
ビデオセールスレターの特徴
- 視覚と聴覚の活用:
文字だけでなく、画像や音声を使って情報を伝えることができます。これにより、より豊かで印象的なメッセージを届けることが可能になります。
- 短時間での情報伝達:
長さは、商品や、見る人の関心の高さで変わりますが、10〜20分ほどに収めるのが無難です。関心の高い方ならやや長めでも見ていただけますが、そうでない場合は短くまとめます。
- パーソナリティの表現:
話し手の声や表情(顔出しの場合)を通じて、より人間味のあるコミュニケーションが可能になります。
- 柔軟な構成:
スライドやアニメーション、実際の製品デモなど、多様な要素を組み合わせることができます。
従来のセールスレターとの違い
| 項目 | 文章のセールスレター | ビデオセールスレター |
|---|---|---|
| 作るもの | 長い文章(セールスレター)を書く | 台本(セールスレター)を書き、スライドにして、声で録音する |
| 必要な力 | 読んでもらえる文章を書く力(コピーライティング) | 台本を書く力は同じように要る。加えて、話して録音する作業 |
| 情報の伝わり方 | 読み手のペースで読める。細かい説明も載せやすい | 作り手のペースで進む。画面と声で、順番に理解してもらえる |
| 最後まで届くか | 読み飛ばされやすく、最後まで読まれないことがある | 動画でも途中で閉じられる。続きを見たくなる工夫はどちらも要る |
| 直しやすさ | 文章の一部を直すのは比較的かんたん | 一部を直すにも、録音や編集のやり直しが要ることがある |
| 見る環境 | どこでも手軽に読める | 音を出せる環境と、データ通信量への配慮が要る |
つまり、VSLでも土台は台本(セールスレター)です。違うのは伝え方で、文字を読んでもらう代わりに、スライドと声で届けます。台本の書き方そのものは、「動画1本で商品が売れる「ビデオセールスレター」のつくり方」で7つのステップに分けて解説しています。
ビデオセールスレターは、これらの特徴を活かして、商品やサービスの価値を伝えられます。
次のセクションでは、なぜ「価値提供型」のビデオセールスレターが重要なのか、詳しく見ていきましょう。
価値提供型ビデオセールスレターの重要性

なぜ「価値提供」が大切なのか
ビデオセールスレターを作成する際、単に商品を売り込むだけでは効果的ではありません。押し付けがましい広告やセールスを嫌う方は多い、と私は感じています。そこで重要になってくるのが「価値提供」という考え方です。
価値提供型のビデオセールスレターには、以下のような利点があります:
- 信頼関係の構築:
視聴者に有益な情報やアドバイスを提供することで、あなたが業界の専門家であり、信頼できる存在だと認識してもらえます。
- 長期的な関係性の構築:
即座の販売だけでなく、将来的な顧客との関係性を築くことができます。
- 自然な流れでの販売:
価値を提供した後に商品を紹介することで、押し付けがましさを感じさせずに自然な流れで販売につなげることができます。
- 口コミ効果:
価値ある情報を提供することで、視聴者が自発的にその情報を他の人とシェアしたくなる可能性が高まります。
- ブランドイメージの向上:
顧客第一の姿勢を示すことで、あなたのブランドに対する好感度が上がります。
従来の売り込み型との違い
従来の売り込み型のアプローチと、価値提供型のアプローチには大きな違いがあります。以下に主な違いをまとめました:
- コンテンツの焦点:
- 売り込み型:商品やサービスの特徴や利点に焦点を当てる
- 価値提供型:視聴者の問題解決や目標達成に焦点を当てる
- コミュニケーションのスタイル:
- 売り込み型:一方的に商品の良さを主張する
- 価値提供型:視聴者の立場に立ち、思いつきそうな疑問や不安に、先回りして動画の中で答える(質問を受け付けるメールアドレスなどの窓口も用意する)
- 視聴者の反応:
- 売り込み型:抵抗感や警戒心を抱かせやすい
- 価値提供型:感謝や信頼感を得やすい
- 長期的な効果:
- 売り込み型:一時的な売上増加は見込めるが、リピート購入につながりにくい
- 価値提供型:長期的な顧客関係の構築が期待でき、リピート購入や紹介につながりやすい
- ブランドイメージ:
- 売り込み型:押し付けがましい、利己的といったネガティブなイメージを与える可能性がある
- 価値提供型:お客様のことを第一に考えている(顧客志向)、専門性が高いといったポジティブなイメージを与えやすい
価値提供型のアプローチを採用することで、あなたは単なる「売り手」ではなく、視聴者の問題を解決する「パートナー」として認識されるようになります。これにより、商品やサービスの販売だけでなく、長期的で強固な顧客関係を築くことができるのです。
次のセクションでは、具体的にどのように価値提供型ビデオセールスレターを作成するか、6つのステップでご紹介します。
価値提供型ビデオセールスレター作成の6ステップ
効果的な価値提供型ビデオセールスレターを作成するには、以下の6つのステップを踏むことが重要です。ステップごとの画像は、この6つのパートをまとめたスライドです。例文の「○」や「20XX年」は、実際の数や時期を入れる印です。その事実がないときは、その文ごと使いません。
1) 準備:視聴者の興味を引き付ける

この段階では、視聴者の注目を集め、最後まで見てもらうための下地を作ります。パート1のスライドの1行目のとおり、動画は売り込みではなく、やり方を教える「チュートリアル」として始めます。
- 明確な価値提案: このビデオを見ることで得られる具体的なメリットを伝えます。
例:「このビデオでは、見込み客を集める3つの手順と、その1つ目のやり方を、約10分でお伝えします」
ここで伝えるのは、このビデオで何がわかるか(中身)です。「あなたも30日で売上2倍」のように、見る人の成果を約束する言い方は使いません。あなた自身にそういう記録があっても、見る人も同じ結果になる裏付けにはならないからです。自分の結果を話すなら、記録のある数字だけを、いつ・何を数えたかと一緒に話します(ステップ4。くわしくは後の「例文をまねする前に」の章)。
- 視聴者の準備を促す: メモを取ることを勧めるなど、積極的な姿勢を引き出します。
例:「重要なポイントをお伝えしますので、ぜひメモを用意してください」
- 時間の確保: ビデオの長さを伝え、十分な時間を確保してもらいます。
例:「このビデオは約10分です。できれば、途中で席を立たずに見られる時間にご覧ください」
2) 集中:質問で聴衆を引き込む

ここでは、視聴者の現状や悩みに焦点を当て、共感を得ます。
- 問いかけ: 視聴者の悩みや課題を直接的に問いかけます。
例:「あなたは毎月の売上に満足していますか?」「もっと効率的に顧客を獲得したいと思いませんか?」
- 共感: 視聴者の気持ちを理解していることを示します。
例:「私もかつては同じ悩みを抱えていました。毎日の売上に一喜一憂する日々でした」
3) ストーリー:自身の経験を共有

ここで、あなた自身のストーリーを共有し、信頼関係を築きます。上のスライドでは、このパートを「疑い」と名づけています。視聴者が心の中で思っている「そんなことは無理だろう」という疑いを先に言葉にしてから、「私もかつてはそう思っていました」と、自分のストーリーにつなげます。
- 過去の苦労: あなたが直面した課題や失敗談を率直に語ります。
例:「○年前、私のビジネスは○○で行きづまっていました。○○な日々が続きました」
ストーリーは、あなたに本当にあったことだけを話します。話を大きくしたり、作ったりした体験談を使うと、うその広告になってしまいます。
- ターニングポイント: 状況が好転したきっかけや出会いについて語ります。
例:「そんな時、あるマーケティングの専門家と出会い、彼から○○という考え方を学びました」
4) 発見:ソリューションの提示

ここでは、問題を解決する方法や、その手順を紹介します。スライドのとおり、話すのは、視聴者が望んでいる「結果」を可能にした「発見」です。望んでいる結果とは、ステップ2の質問で触れたもの(例文なら「もっと効率的に顧客を獲得したい」)です。ここでうそを話してはいけません。話すのは、本当のことだけです。
- 具体的な方法: あなたが実際に使ってきた具体的な手法やシステムを紹介します。
例:「私が学んだのは、『3ステップ顧客獲得システム』でした。見込み客に、最初に何をお渡しし、次に何をお伝えするかを、3つの手順に分けた考え方です」
- 結果の共有: その方法を使って得られた結果を、記録で確かめられる範囲で示します。
例:「この手順に変えてから○か月で、メールの登録者は○人から○人になりました(20XX年○月〜○月、私の講座のメール登録者数)」
あなたの結果は、あなたの場合の結果です。視聴者も同じ結果になるという約束に聞こえないよう、期間・かけた費用・もともとの状況などの条件も添えます。買った方の多くが同じような結果になっていないなら、あなたの結果を「この方法の効果」として話すのはやめておきます。
5) チュートリアル:価値あるコンテンツの提供

ここが価値提供型ビデオセールスレターの核心部分です。視聴者にすぐに実践できる有益な情報を提供します。
スライドのとおり、伝えるのは中身の一部、それも大枠だけで十分です。細かく伝えすぎて「難しそう」と思われると、先に進んでもらえなくなります。目的は、「この人なら私を助けてくれる」と感じてもらうことです。
- 具体的なステップ: ソリューションの一部を、大枠で説明します。
例:「では、3ステップ顧客獲得システムの1つ目のステップ、『理想の顧客像の作成』のポイントをお伝えします」
- 実践的なアドバイス: 視聴者がすぐに行動できるヒントを提供します。
例:「今すぐできることとして、あなたの理想の顧客の特徴を5つ書き出してみてください」
6) オファー:自然な流れでの商品紹介


最後に、提供した価値と関連付けて、自然な流れで商品やサービスを紹介します。
- 価値の再確認: 提供した情報の価値を改めて強調します。
例:「今お伝えした1つ目の手順だけでも、今日から始められます」
- さらなる価値の提案: 商品やサービスを通じて得られる追加の価値を説明します。
例:「しかし、これはほんの一部です。私の完全版『顧客獲得マスタープログラム』では、さらに詳しいノウハウをお伝えします」
- 行動の促し: 具体的な次のステップを提示します。
例:「詳細は下のボタンからご覧ください。○月○日23時59分までのお申し込みは、○円(税込)でご案内しています」
上の2枚目のスライドのとおり、オファーでは期限も伝えます。期限は、本当に守れるときだけ使い、過ぎたら本当にその条件を終えます。購入ボタンを出したあとも、自分がこのノウハウをどう使ったかを話し、ボタンが見えている時間を長くする、という工夫もスライドに挙げています。
スライドにあるとおり、購入の直後に1回だけご案内するワンタイムオファーなら、ページを閉じるまでが期限です。ページを閉じたあとに、メールなどで同じ条件をご案内することはしません。ボタン1つで申し込めるページには、講座の中身の量(回数や見られる期間など)・値段・支払いの時期と方法・提供の時期・返金のルールと、「このページを閉じると、この条件ではお申し込みいただけません」を、ボタンの近くに書きます。
これらの6ステップを順番に踏むことで、視聴者に価値を提供しながら、自然な流れで商品やサービスの販売につなげることができます。重要なのは、各ステップで常に視聴者の立場に立ち、彼らにとっての価値を最優先に考えることです。
次の章では、6つのステップを10分ほどの台本に並べた例文を見ていきます。
台本の例文:6つのステップを10分の動画に並べる
ここでは、6つのステップを10分ほどの台本に当てはめた例文を使って、これまで説明してきた要素がどこに入るかを見ていきます。
例文:見込み客の集め方を学ぶオンライン講座のVSL
私が作った架空の例で、実在の動画や講座ではありません。時間は目安です。
- 導入部(0:00-1:00)
- 視聴者への挨拶と自己紹介
- 注目を集める一文: 「この10分で、見込み客を集める3つの手順と、その1つ目のやり方がわかります」
- メモを取ることを推奨
- 問題提起と共感(1:00-2:30)
- 質問: 「あなたは今の売上に満足していますか?」
- 共感: 「私も以前は同じ悩みを抱えていました」(あなたに本当にあった話をします)
- 具体的な苦労の経験を共有
- ストーリーの展開(2:30-4:00)
- 転機となった出来事の説明
- 学んだ手法の概要紹介
- 実際に得られた結果の提示(数字は記録で確かめられるものだけ。いつ・何を数えたかも添える)
- ソリューションの提示(4:00-6:00)
- 「3ステップ顧客獲得システム」の紹介
- 各ステップの概要説明
- お客様の声の紹介(実在の方の声を了承を得て。全体の人数と、同じような結果が出た人の割合も添える)
- 無料の価値提供(6:00-8:00)
- 第1ステップ「理想の顧客像の作成」のポイントの解説
- 実践的なワークシートの提供
- 即座に行動できる具体的なアドバイス
- 商品の紹介とオファー(8:00-10:00)
- 完全版講座の内容紹介
- 価格と特典の説明
- 期間限定オファー: 「○月○日23時59分までのお申し込みは、受講料○円(税込)を○円(税込)でご案内します」(割引前の○円は、これまで実際に販売してきた受講料。期限を過ぎたら、本当にこの割引を終える)
- 返金保証: 「30日間の全額返金保証」と、すぐ下に条件「お申し込みの日から数えて30日以内に、購入時のメールアドレスからご連絡いただければ、全額お返しします」(画面に文字でも出し、声でも伝え、申し込みページにも書く)
- まとめと行動の促し(10:00-10:30)
- 主要ポイントの復習
- 明確なCTA(次にしてほしい行動の呼びかけ): 「お申し込みは、この動画の下のボタンからどうぞ」
例文のポイント
- 適切な長さ:
例文は10分30秒ほどです。長さの目安(10〜20分ほど)の中に収めています。
- 価値提供の重視:
無料で具体的なアドバイスを渡し、見ている間に役立つ中身を届けるねらいです。
- ストーリーテリングの活用:
制作者自身の経験を話し、共感と信頼を得るねらいです。
- 具体的な数字の使用:
「3つの手順」「約10分」のように、中身を数字で具体的に伝えています。自分の成果の数字は、記録で確かめられるものだけを、いつ・何を数えたかと一緒に話します。見る人の成果を約束する数字(「あなたも売上○倍」など)は使いません。
- 緊急性の創出:
申し込みの期限を日時で示し、行動のきっかけにしています(期限は、本当に守れるときだけ使います)。
- リスク軽減:
返金保証と、その条件をすぐ近くに示し、買う側の不安を小さくするねらいです。
- 明確なCTA:
ビデオの最後で、次に取るべき行動を明確に指示しています。
このように、6つのステップは、10分ほどの台本の中にこうして並べることができます。重要なのは、単に形式を真似るのではなく、あなた自身の経験や商品の特徴を活かしながら、視聴者にとって最大の価値を提供することです。
次の章では、例文をまねするときに守りたい決まりを、NG例とOK例で確かめます。
例文をまねする前に:数字・期限・返金保証で守りたいこと
VSLは、動画で話す広告です。話す言葉にも、文章の広告と同じ決まりがあります。事実と違うことや大げさなことを言うと、景品表示法(実際よりよく見せたり、得に見せたりする広告を取りしまる法律)や、特定商取引法(ネット通販などの広告や申し込みの決まりを定めた法律)に触れるおそれがあります。この記事の元の版に載せていた例文を「NG例」として並べ、その理由と、書き直した「OK例」を示します(「○」の意味は、6ステップの章の冒頭で説明したとおりです)。
- 成果の数字
NG例:「このビデオを見れば、あなたも30日で売上を2倍にする方法がわかります」「このシステムを導入してわずか2ヶ月で、私の売上は3倍になりました」
理由:講座やサービスの効果をうたう言葉です。国(消費者庁)から裏付けとなる資料を求められて出せないと、実際よりよく見せる表示(優良誤認)とみなされます。あなた自身の売上が2倍になった記録があっても、それだけでは「あなたも」の裏付けにはなりません。「方法がわかります」という言い方でも、見る人は「30日で2倍になる」と受け取りやすくなります。
OK例:何がわかるか(中身)を伝えます。「見込み客を集める3つの手順と、その1つ目のやり方を、約10分でお伝えします」。自分の結果を話すなら、記録のある数字を、いつ・何を数えたかと一緒に話します。「この手順に変えてから○か月で、メールの登録者は○人から○人になりました(20XX年○月〜○月、私の講座のメール登録者数)」 - 「誰でも」
NG例:「この方法を使えば、誰でも効率的に見込み客を集められるのです」
理由:「誰でも」は、すべての人に効果があると約束する言葉です。裏付けがなければ、成果の数字と同じく問題になるおそれがあります。「簡単に稼げる」のような副業・情報商材の勧誘には、国民生活センターも注意を呼びかけています。
OK例:誰に向いているか(前提)を書きます。「すでに売りたい商品があり、週に○時間ほど作業の時間が取れる方に向けた手順です」 - 体験談・お客様の声
NG例:自分に起きていない「破綻寸前から立ち直った」話をする/成果の出たお客様の声だけを並べる
理由:体験談そのものを作ると、うその表示になります。本物の声でも、見る人は「たいていの人が同じ結果になる」と受け取り、「個人の感想です」と添えても、その受け取り方はほとんど変わらないと、消費者庁の報告書(2018年6月)は書いています。
OK例:あなたに本当にあったことだけを話します。お客様の声は、了承を得て、言葉を変えずに使います。成果の数字を載せるなら、全体の人数と、同じような結果が出た人・出なかった人の割合も近くに書きます。お願いして書いていただいた声や、お礼(割引・特典など)をお渡しして書いていただいた声は、「こちらからお願いして書いていただいた感想です(お礼に○○をお渡ししています)」のように、そのことが分かるように書きます。お客様にお願いして、その方のSNSやブログに感想を書いていただくときは、こちらが頼んだもの(広告)だと分かるようにしてもらいます(ステルスマーケティングの規制。2023年10月から、隠すと景品表示法違反になります) - 期限
NG例:「今なら特別価格でご提供しています」
理由:「今なら」だけでは、いつまでなのかが分かりません。期限を過ぎても同じ値段で売ると、実際より得に見せる表示(有利誤認)のおそれがあります。
OK例:期限は日時で書き、過ぎたら本当に終えます。「○月○日23時59分までのお申し込みは、受講料○円(税込)を○円(税込)でご案内します」。締め切ったあと商品そのものが買えなくなるなら、申し込める期間を、販売ページと、申し込みボタンを押す直前の画面(最終確認画面)にも書きます - 割引前の値段
NG例:「今日から3日間限定で50%オフ」
理由:「50%オフ」の割引前の値段は、最近その値段で実際に販売していたものでなければなりません。消費者庁のガイドラインの目安は、セールを始める日からさかのぼる8週間(売り出してから8週間たっていないなら、売り出してからの期間)のうち、その値段で売っていた期間が半分を超えていることです。ただし、その値段で売った期間が合わせて2週間に満たないときや、最後にその値段で売った日から2週間以上たっているときは、半分を超えていても「最近販売していた値段」とは認められません。
OK例:割引前の値段には、最近実際に販売してきた値段を使います。新しい講座で、まだその値段で売ったことがないなら、「割引前」と比べる言い方はしません。「○月○日から○円になります」と予告するなら、その日から本当にその値段で売り、すぐに下げずに続けます(消費者庁の執行方針では、2週間以上続けていれば「ごく短い期間」とは考えないとしています) - 返金保証
NG例:「30日間の全額返金保証付き」(条件を書かない)
理由:実際には返金に条件があるのに書かないと、得に見せる表示になるおそれがあります。返金や解約のルールは、販売ページと最終確認画面にも書く決まりがあります(特定商取引法)。消費者庁の同じ報告書は、動画の広告では、条件を映している時間の長さや、声でも伝えているか、強調した言葉と同じ画面に出ているかも見る、としています。
OK例:見出しのすぐ下に、小さくしすぎない字で条件を書きます。「30日間の全額返金保証」(すぐ下に)「お申し込みの日から数えて30日以内に、購入時のメールアドレスからご連絡いただければ、全額お返しします」。これは、書いた条件だけで返金するときの書き方です。ほかにも条件(手数料・対象外になる場合など)があるなら、それも一緒に書きます。動画では、強調した言葉と同じ画面に、読める時間だけ条件を文字で出し、声でも伝えます。動画の下の申し込みページにも書きます
日本で売るときの表示の決まりは、「動画1本で商品が売れる「ビデオセールスレター」のつくり方」の「④日本で売るときに気をつけたい表示のきまり」にもまとめています。ここでの説明は一般的なもので、法律の相談に代わるものではありません。迷ったら、弁護士などの専門家に確認してください。
まとめ:価値提供型ビデオセールスレターを作ってみよう

ここまで、価値提供型ビデオセールスレターの重要性とその作成方法について詳しく見てきました。最後に、ポイントをまとめ、あなたが今日から始められるアドバイスをお伝えします。
重要ポイントの復習
- 価値提供が鍵:
単なる売り込みではなく、視聴者に有益な情報を提供することが成功の鍵です。
- 6つのステップ:
準備、集中、ストーリー、発見、チュートリアル、オファーの6ステップを意識しましょう。
- 適切な長さ:
10〜20分ほどを目安に、商品と見る人に合わせて、簡潔で内容の濃いビデオを作成しましょう。
- 信頼性の構築:
あなた自身の本当の経験や、記録で確かめられる数字、実在のお客様の声を活用しましょう。お客様の声で成果を伝えるなら、全体の人数と、同じような結果が出た人の割合も一緒に書きます。
- 行動の促進:
期限や返金保証を使うなら、本当に守れる条件だけを、すぐ近くに書いて伝えましょう。
今日から始められるアクションプラン
- ターゲット分析:
あなたの理想の顧客像を具体的に書き出してみましょう。彼らの悩みや欲求は何でしょうか?
- 価値の明確化:
あなたの商品やサービスが提供する価値を3つの文章で表現してみましょう。
- ストーリーの準備:
あなた自身の経験や転機となった出来事をメモしてみましょう。
- 無料の価値提供:
視聴者にすぐに役立つ具体的なアドバイスや小さなツールを1つ考えてみましょう。
- シナリオ作成:
6つのステップに沿って、簡単なシナリオのアウトラインを作ってみましょう。
- 機材の準備:
パソコンでスライドを数枚作り、手元のマイク(スマートフォンでもかまいません)で、まずは1分ほど試しに録音してみましょう。
最後に
完璧を求めすぎないことが重要です。最初から素晴らしいビデオセールスレターを作ろうとするあまり、行動を先延ばしにしてしまう人が多くいます。しかし、実際に作って公開し、フィードバックを得ながら改善していくことが、上達への近道です。
今日学んだことを基に、まずは短い練習用のビデオを作ってみましょう。そして、友人や同僚に見てもらい、感想を聞いてみてください。そこから得られたフィードバックを元に、少しずつ改善していけば、伝わるビデオセールスレターに近づいていきます。
あなたの知識や経験は、誰かにとって大きな価値があります。その価値を効果的に伝えるツールとして、ビデオセールスレターを活用してください。視聴者に真の価値を提供しながら、あなたのビジネスも成長させていく。それが価値提供型ビデオセールスレターの真髄です。
まずは、6つのステップに沿って、1本目の台本のアウトラインを作るところから始めてみてください。
実際のビデオセールスレターのサンプル実例
私が2019年に作ったVSL(ビデオセールスレター)の実例です(約9分)。スライドと声でご案内する形の参考にしてください。動画の中の商品・価格・条件は、公開した当時のものです。成果の数字・期限・返金保証の伝え方は、この記事の「例文をまねする前に」の章の書き方を優先してください。
台本の型から1本目のVSLを作りたい方へ
この記事の6つのステップは、先に役立つ情報を届ける「チュートリアル」を中心にした組み立て方です。本では、導入からリスクリバーサル(買う側の不安を取りのぞく部分)までの7つのステップで台本を組み立てます。区切り方は違いますが、どちらも「先に信頼してもらい、そのあとでご案内する」という順番は同じです。
台本そのものを型に沿って書いてみたい方のために、無料の電子書籍「VSLシークレッツ」(140ページ超)をご用意しています。顔出しをせずに、パソコン1台でセールス動画を作る手順をまとめた本で、7ステップのセールス動画台本テンプレート、実際に販売に使った台本5本の全文と解説、購入直後にもう1つご案内する「アップセル動画」の作り方、AIに台本を用意してもらうときの頼み方を載せています。
メールアドレスをご登録いただくと、無料電子書籍のダウンロードリンクと、その後のお役立ち情報・弊社の講座のご案内をメールでお届けします。不要な場合は、いつでも解除できます。
この記事の法律の説明は、2026年9月26日に、消費者庁の資料(不当な価格表示についての景品表示法上の考え方、打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点、ステルスマーケティングの告示の運用基準、通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン)と、国民生活センターの「情報商材」のページで確認したものです(景品表示法と特定商取引法の条文は、2026年9月24日にe-Gov法令検索で確認)。VSLの始まりはジョン・ベンソン氏の公式サイト(jonbenson.com)で、電子書籍「VSLシークレッツ」の内容は無料コンテンツ一覧で、同じ9月26日に確認しました。法律の説明は一般的なもので、法律の相談に代わるものではありません。
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