
オーダーバンプとは、お客様が決済ボタンを押す前に、注文画面で「こちらも一緒にいかがですか?」と追加の商品をすすめる方法です。
アップセルは、もともとは今の商品より上位の(高い)商品やプランをすすめることを指しますが、ネットで商品を売るときの仕組み(セールスファネル)では、購入が終わった直後のページで別の商品をすすめることもアップセルと呼びます。どちらも、お客様1人あたりの購入金額(顧客単価)を上げるための方法です。
どんなビジネスでも、一つの商品を売っただけで満足していてはいつまで経っても売り上げをアップできません。
特にオンラインビジネスの場合は、リアル店舗のように店の外観や看板などで新規顧客が見込めないため、お客様一人当たりの単価を上げることが重要になります。
この顧客単価をアップするのに効果的なセールス方法が
「オーダーバンプ」と「アップセル」です。
そこで今回は、このオーダーバンプとアップセルの内容についてくわしくご紹介します。
オンラインで商品を販売したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
【2026年9月の更新】この記事は2022年9月に書いたものです。2026年9月に、アップセルのもともとの意味(上位の商品をすすめること)と、関連する商品をすすめる「クロスセル」との違いを書き足しました。また、ワンタイムオファーの「今だけ特別価格」「このページを閉じてしまうともうこの価格では購入できません」という書き方に、広告の決まりに照らした注意を添えました。まとめでツールを新しく使うようおすすめしていた文は、2022年当時の話として書き直し、タイトルの末尾の文字化けも直しています。
大切なのは「顧客の購入単価」を増やすこと

ビジネスには、売り上げをアップするための3つの原則があります。
- 顧客の数を増やす
- 顧客の購入頻度(リピート)を増やす
- 顧客の購入単価を増やす
看板や店舗がないオンラインビジネスにとって、顧客の数や購入頻度(リピート)を増やすことは実店舗に比べて手間がかかりやすい傾向があります。
そのため、一人のお客様により多くの買い物をしていただく方が、より効率的に売り上げをアップできるでしょう。
つまり、オンラインビジネスで利益を上げるためには、顧客一人当たりの購入単価を増やす努力をすることが重要なのです。
顧客単価がアップすれば広告を出しても利益が残りやすい
また、実店舗のように人の目に触れる機会が少ないオンラインビジネスでは、広告を使うことが基本になります。
広告を出して一人でも多くのお客様にその存在を知ってもらうのです。
現在では、Facebook・Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeなど様々なSNSを通じて広告を出せますが、使う人や広告を出す会社が増えるにつれて、広告の費用は高くなりがちです。
そのため、オンライン上でビジネスを続けて広告を出し続けるためには、しっかり利益を出す必要があるのです。
しかし、ただお客様の来店を待ち、漫然と商品を売っていたりするだけでは売り上げはアップできません。
一人のお客様が一度に使う金額を増やす努力をして顧客単価を少しでも上げることができれば、安定した売り上げを増やせるため利益が残りやすくなります。
そして、常に広告を流し続けることができ、多くの人に認知されてビジネスを拡大しやすくなるのです。
そのため、まずは顧客単価を上げて利益を増やし、広告を流し続ける努力をしていきましょう。
顧客単価を上げる「オーダーバンプ」と「アップセル」とは?

それでは、顧客単価を効率的にアップできる「オーダーバンプ」と「アップセル」について説明しましょう。
まずはオーダーバンプ(Order Bump)からご紹介します。
オーダーバンプ(Order Bump)は、英語の「order(注文)」と「bump」を組み合わせた言葉です。英語の「bump up」には「(数や量を)引き上げる」という意味があるので、「注文(order)の金額を引き上げる(bump up)ための追加の提案」と覚えるとわかりやすいでしょう。
具体的には、注文の決済ボタンの手前に、ほかの商品を並べて、追加の注文をうながします。
たとえばスーパーのレジに並んでいるとき、レジ前の棚にあるお菓子に手が伸びて一緒に購入してしまうことがありますよね?
このように、オーダーバンプは一つの商品の決済前に「この商品もいかがですか?」とおすすめする方法なのです。
ここでは、私ヒルトルの書籍を例に、オーダーバンプの使い方をご紹介します。
私の書籍「SNS動画ブランディング」(ソーシャルメディア動画ブランディング)は、送料390円(税込)だけでお届けしていますが、これだけでは当然利益が出ません。
そのため、お支払い画面で、本の内容を解説した約3時間の動画講座「SNS動画ブランディング完全マスター講座」(3,300円税込)を、チェック欄から一緒に追加できるようにしています。
この動画講座は本の内容がより理解できるので、この記事を書いた2022年当時も、本と一緒に申し込んでくださるお客様が多くいらっしゃいました。
これにより、本だけだと完全に赤字になるところが、印刷費や広告費が相殺され、利益が出やすくなっているのです。
このように、一つの商品を購入する前に「このような商品もいかがですか?」とおすすめするオーダーバンプは、効率的に顧客単価を上げられるセールス方法と言えます。
アップセルとは何か?
では、アップセルとはどのようなものなのでしょうか?
アップセルは、オーダーバンプとよく似ているため混同されやすいのですが、少し意味が異なります。
先ほどの本の例では、決済の前に、本の動画講座をオーダーバンプでおすすめしています。
そして、お客様に決済ボタンを押してご購入していただくのですが、実はそれで終わりではありません。
この記事を書いた2022年当時は、決済終了後に別のページが開き、さらに他の商品をおすすめするようにしていました。

このシステムがアップセルです。
つまりセールスファネルでのアップセルとは、一旦ひとつの決済が終わった後に、別の商品をおすすめする仕組みのことなのです。
アップセルのもともとの意味と、クロスセルとの違い
ただし、「アップセル」は、もともとの意味では、お客様が検討している商品や、すでに使っている商品よりも、上位の(価格の高い)商品やプランをすすめることを指します。たとえば、月額のプランを使っている人に、1つ上のプランをすすめるのがアップセルです。
これに対して、買う商品や買った商品に関連する別の商品をすすめることは「クロスセル」と呼ばれます。パソコンを買う人に、マウスをすすめるようなイメージです。
セールスファネル(お客様を購入まで案内する一連のページ)では、すすめる商品が上位の商品でも関連する商品でも、購入が終わった直後のページで出す追加の提案を、まとめて「アップセル」と呼ぶことがよくあります。この記事の「アップセル」も、この意味です。
| 呼び方 | いつ すすめるか | 何を すすめるか |
|---|---|---|
| オーダーバンプ | 決済ボタンを押す前(注文画面) | 一緒に買いやすい、手ごろな追加の商品 |
| アップセル (セールスファネルでの意味) | 購入が終わった直後のページ | 上位の商品や、関連する別の商品 |
| アップセル (もともとの意味) | 商品を選んでいるときや、契約を見直すとき | 上位の(価格の高い)商品やプラン |
| クロスセル | 買う商品を決めたときや、買ったあと | 関連する別の商品 |
ワンタイムオファー(One Time Offer)にするとより利益につながりやすい
また、アップセルを行うとき、ワンタイムオファーにするとより売り上げにつながりやすくなります。
ワンタイムオファーとは、
「この商品をご購入頂いたお客様に限り、今だけ特別価格で提供します」
「このページを閉じてしまうともうこの価格では購入できません」
のような限定性を持たせて他の商品をおすすめする方法です。
※ この書き方は、本当にそのページ限りの価格にするときだけ使います。くわしくは、この章の終わりの「「今だけ」「このページ限り」と書くときの注意」をご覧ください。
商品を買った直後は、お客様の気持ちが前向きで、買った商品に関係するものへの関心も高まっていることが多いものです。
財布のひもがゆるみやすい時間でもあります。

そんなタイミングで、お客様の役に立つ追加の商品を提案することで、効率的に顧客単価を上げることができるのです。
「今だけ」「このページ限り」と書くときの注意
ワンタイムオファーの「今だけ特別価格」「このページを閉じてしまうともうこの価格では購入できません」という書き方は、本当にそのページ限りの価格にするときだけ使います。あとからメールや別のページで、同じ商品を同じ価格で売るなら、この書き方はしません。
期限や限定をうたったのに同じ条件で売り続けると、景品表示法(実際よりよく見せたり、得に見せたりする広告を取りしまる法律)で禁止されている「有利誤認表示」(実際よりもお得だと思わせる表示)にあたるおそれがあります。ページを開き直したり、ブラウザの「戻る」で戻ったりしたときに、同じ価格で買えてしまう作りになっていないかも確かめておきましょう。わざとでなくても、書いたことと実際が違えば、問題になることがあります。
「特別価格」と並べて「通常価格○円」と書くなら、その通常価格で、実際にしばらく販売していた必要があります。消費者庁の価格表示のガイドラインでは、セールを始める時点からさかのぼって8週間(売り始めてから8週間たっていなければ、売っていた期間)のうち、半分より長い期間その価格で売っていたことが目安です。
ただし、その価格で売った期間が合わせて2週間未満のときや、その価格で最後に売った日から2週間以上たっているときは、目安に当たりません。売ったことのない価格を「通常価格」として並べると、不当な表示になるおそれがあります。
また、購入の直後に出すページで、ボタンを押すだけで追加の申し込みが確定する形(ワンクリックアップセル)にするなら、そのページが、申し込みを確定する画面(最終確認画面)にあたると考えられます。特定商取引法(ネット通販などの取引のルールを決めた法律)では、最終確認画面に次のことを表示するよう決まっています。
- 分量(講座なら期間や回数)
- 価格
- 支払いの時期と方法
- 提供の時期
- 申し込みの期間(あるとき)
- 解約・返品のルール
ここでいう「申し込みの期間」は、期間が過ぎると商品そのものが買えなくなる場合のことで、価格だけがそのページ限りの場合は当たりません。商品そのものをそのページでしか売らないなら、いつまで申し込めるかを具体的に書きます(「今だけ」では書いたことになりません)。ボタンを押すと申し込みになることも、はっきり分かるようにしておきましょう。
オーダーバンプも、追加した商品の分を含めた合計の金額が、最終確認画面で分かるようにします。チェックを最初から入れておくと、お客様が気づかないまま申し込んでしまうおそれがあるので、お客様が自分でチェックを入れる形にしておくと安心です。
ここでの説明は一般的なもので、法律の相談に代わるものではありません。
複数の商品を販売している場合はオーダーバンプやアップセルが特に効果的
もしあなたが複数の商品を持っているなら、オーダーバンプやアップセルを積極的に行うことをおすすめします。
すべてのお客様が買ってくれるわけではありませんが、一部のお客様が追加で買ってくださるだけでも、1人あたりの購入単価は上がります。
また、このオーダーバンプやアップセルを行って利益を上げることで、広告費をカバーしやすくなり、安定した経営を行えるようになるのも魅力です。
オーダーバンプやアップセルで顧客単価を増やそう!

今回は、顧客単価を上げるオーダーバンプやアップセルの内容についてご紹介しました。
決済前に別商品をおすすめする「オーダーバンプ」
決済後に別商品をおすすめする「アップセル」
このように、どちらも効率的に顧客単価を増やせるセールス方法なので、積極的に取り入れていきましょう。
オーダーバンプやアップセルは、ファネルを作るツールや、オンライン講座のプラットフォームに、機能として用意されていることがあります。この記事を書いた2022年当時は、その例として、ClickFunnels Classic(ClickFunnels 1.0)やKajabi(カジャビ)のような海外のツールを挙げていました。
2026年9月時点では、たとえばKajabiの公式ヘルプに、オーダーバンプはオファー(商品の売り方の設定)の「Settings」で追加し、アップセルは「Upsells」の一覧でページを作ってから、オファーの「Purchase Flow」で購入直後に出す順番を決める、という手順が載っています。
Kajabiのアップセルは、最初の購入と同じ支払い方法で、別の決済として処理される作りです。また、アップセルに割引を設定すると、元の価格に打ち消し線が引かれ、割引後の価格と並べて表示されます。元の価格でふだん売っていない商品なら、上で説明した「通常価格」の注意が当てはまります。どの仕組みで作る場合も、「今だけ」「このページ限り」と書くときの注意とあわせて確かめてから使ってください。
あなたもオーダーバンプやアップセルを利用して少しでも顧客単価をアップし、売り上げを伸ばしていきましょう!
今回の記事を動画でご覧になりたい方はこちら
※ 上の動画は2020年7月に公開したものです。最後の「これらを実践するためのツールについて」(11分37秒から)は当時使っていたツールのお話で、今は新しく導入することをおすすめしていないツールも含まれます。ツールの機能や料金も今とは違うことがあります。「今だけ」「このページ限り」と書くときの注意は、この記事の本文をご覧ください。
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この記事のツールの機能は、2026年9月25日に、Kajabiの公式ヘルプで確認したものです。アップセルとクロスセルのもともとの意味は、同じ日に、営業・マーケティングの解説記事(Sansan・SATORI)で確認しました。広告の決まりは、2026年9月24日・25日に、e-Gov法令検索(景品表示法・特定商取引法)と消費者庁の資料で確認しました。画面や条件はたびたび変わりますので、実際の画面と公式の案内を見比べながら進めてください。
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