Final Cut Proの複合クリップ|作り方・解除・コピーの注意点

Final Cut Proの複合クリップを解説するヒルトル・フィリップ太郎と編集画面

Final Cut Proの複合クリップは、映像・タイトル・音声を1つにまとめ、移動や再利用をしやすくする機能です。ただし、コピーしたクリップの中身が連動する点には注意が必要です。この記事では、作り方、編集画面からの戻り方、コピーを独立させる方法、解除の手順を整理します。講座のオープニングを使い回したい方や、重なった素材を整理したい方に向けて、当時の画像も残しています。

複合クリップを使うときは、この4手順で進めましょう

  1. タイムラインで、まとめたい映像・タイトル・音声クリップを選びます。
  2. Option+Gで複合クリップを作り、名前と保存先のイベントを指定します。
  3. 中身はダブルクリックで開き、タイムライン上部の左矢印で本編へ戻ります。
  4. 今回だけ中身を変えるときは「新しい親クリップを参照」、個別の素材に戻すときは「クリップ項目を分割」を使います。

本文確認日:2026年9月12日。2024年の初回公開時に掲載した画像を残し、現在のMac版Final Cut Proの操作をApple公式ガイドで確認して更新しました。画像は掲載当時の説明用です。キー操作は標準のコマンド設定の場合です。

はじめに:重なった素材を、ひとまとまりで扱いたいとき

映像編集のレイヤー構造を描いたイメージ図。Final Cut Proの実画面ではありません

オープニングのタイトル、背景、音楽を動かすたびに、どれか1つだけ置き忘れてしまう。そんなときに使えるのが複合クリップです。上の図はレイヤーを重ねる編集のイメージで、Final Cut Proの実画面ではありません。

たとえば、講座の章ごとに同じデザインの見出しを入れたい場合や、毎回使うイントロを整理したい場合に役立ちます。まずは短いオープニングだけをまとめると、仕組みを理解しやすくなります。タイムラインの基本操作はタイムライン編集の記事でも確認できます。

複合クリップとは:中身を編集できる小さなまとまり

タイトルと背景などを1つの複合クリップにまとめる説明画面

複合クリップは、複数の映像・音声・タイトルなどを、1つのクリップとして扱えるようにまとめる機能です。上の画面のように重なった素材も、ひとまとまりにして移動できます。素材に適用したエフェクトも、その素材と一緒に扱います。

まとめた後も中身を開いて編集できます。1本の完成動画に書き出して固める操作とは違います。Apple公式の複合クリップ概要では、独自の設定を持つ小さなプロジェクトとして説明されています。

再利用と整理に便利。ただし、まとめるだけで高速化はしない

動画のオープニング用タイトルを複合クリップとして再利用する例

同じロゴやイントロを何度も使うなら、複合クリップをブラウザから本編へ追加することで、素材を毎回並べ直す手間を減らせます。また、章や場面単位でまとめると、長い講座の順番を見直しやすくなります。

一方、複合クリップにするだけで再生やレンダリングが速くなるとは限りません。中にある素材やエフェクトの処理は残ります。再生が重い場合は、レンダリングやプロキシメディアを別の対策として検討してください。

共有するタイトルを後からまとめて直せる点は便利ですが、共通の中身を変更すると、ほかの場所でも表示が変わります。再利用するときの連動については、後半で具体的に説明します。

複合クリップの作り方

ここでは、すでにタイムラインで組み立てた素材をまとめます。背景や文字の位置を整えてから進めましょう。タイトルそのものの追加はタイトルとジェネレータの使い方を参照してください。

複数クリップを選択し右クリックで新規複合クリップを作成する画面
  1. 素材を選ぶ:タイムラインで、まとめたいクリップをCommandキーを押しながらクリックします。映像・タイトル・音声など、必要なものがすべて選択されているか確認します。
  2. 新規作成:「ファイル」→「新規」→「複合クリップ」、またはOption+Gを使います。選択部分をControl+クリックして「新規複合クリップ」を選ぶ方法もあります。

選択は、Apple公式のクリップ選択手順に沿っています。上の当時の画面は右クリックのメニューです。本文では現在のMac版のメニュー名とキー操作を案内しています。

複合クリップの名前と保存先イベントを指定する画面

表示された画面で名前と保存先イベントを指定し、「OK」を押します。「講座共通_オープニング」「第2章_見出し」など、何に使うかがわかる名前にすると、後でブラウザから見つけやすくなります。タイムラインでは選択した素材が1つの複合クリップになり、ブラウザにも親となる複合クリップができます。

タイムラインから作る場合、元の重なりや相対的な配置を保ち、現在のプロジェクトのフレームサイズとフレームレートを引き継ぎます。Apple公式の作成手順も確認できます。

長さは、素材の秒数を単純に足した値ではありません。たとえば同じ開始位置に5秒の背景と5秒のタイトルを重ねていれば、見せる時間は5秒です。作成後にタイムライン上の長さと終わりの位置を確認してください。

ブラウザで複数の素材を選んで作る場合は、選んだ順に横へ並べられます。すでに整えた重なりを保ちたいときは、タイムラインで対象を選んでまとめましょう。

活用例:講座のオープニングとイントロを再利用する

毎回共通で使う部分と、回ごとに変える部分を分けて考えると、複合クリップを使いやすくなります。

  • オープニングタイトルの作成と再利用
    講座のオープニングを構成するタイトルや背景をまとめたタイムライン

上は、講座のオープニングを構成する文字や背景をまとめた、当時の説明画面です。背景・ロゴ・短い音楽を共通部分にし、講座名や章名を変更する場合は、次の「今回だけ変える」手順を確認してください。

YouTubeのイントロ映像と音声を複合クリップにまとめる例

こちらはYouTubeのイントロをまとめる例です。完成したイントロを動画ファイルとして書き出して使う方法もありますが、文字や素材の組み合わせを後から調整したい場合は、複合クリップとして残しておくと編集できます。

同じライブラリ内の別プロジェクトでは、ブラウザの複合クリップを追加して再利用できます。別ライブラリや別のMacへ渡すときは、元メディアや使用したタイトルなども必要です。ライブラリにあるだけで、すべてのMacから自動的に使えるわけではありません。ライブラリ間でのコピー方法を確認しましょう。

中身を編集する方法と、本編への戻り方

まとめた文字や素材を直すときは、複合クリップの中を開きます。編集する場所が変わるので、タイムライン上部に表示される名前を確認してください。

複合クリップをダブルクリックして中身を編集する説明画面

タイムラインまたはブラウザで、複合クリップのビデオ部分をダブルクリックします。「クリップ」→「クリップを開く」でも中身を表示できます。開いたタイムラインで文字や素材を調整し、上部の左矢印を押して本編へ戻ります。

メニューなら「表示」→「タイムライン履歴内を戻る」、ショートカットならCommand+[です。操作はApple公式の複合クリップ編集ガイドに沿っています。

親と子は連動する:コピーだけでは独立しない

ブラウザにあるものが親複合クリップ、本編に置いたものがその親を参照する子複合クリップです。同じ親の中身を変更すると、同じ親を参照するほかの子クリップにも変更が反映されます。

たとえば、第1回のオープニングをコピーして第2回に置き、中を開いてタイトルを変えると、第1回のタイトルも変わる可能性があります。すべてのプロジェクトが無条件に変わるのではなく、同じ親を共有している使用箇所に反映されると考えてください。

本編で複合クリップを移動・トリムする操作と、中を開いて素材や文字を編集する操作は区別しましょう。共有したい内容なら連動が便利ですが、今回だけ変更したい場合は、先に独立させます。

今回だけ変更するには「新しい親クリップを参照」

コピーを作っただけで安心せず、変更したい使用箇所を選んで、参照先を分けましょう。

  1. 変更先のプロジェクトを開き、独立させたい複合クリップをタイムラインで1つ選びます。
  2. 「クリップ」→「新しい親クリップを参照」を選びます。ブラウザに新しい親複合クリップができます。
  3. 選んだ複合クリップを開き、タイトルなどを変更します。変更前の使用箇所も確認しておきましょう。

この操作で、選択した使用箇所と元の親との関係が分かれます。作成方法は独立した複合クリップの公式手順を参照してください。プロジェクト全体の編集状態を残したいときは、ブラウザでプロジェクトを選び、「編集」→「プロジェクトのスナップショットを作成」(Shift+Command+D)を使う方法もあります。スナップショットの公式説明も確認できます。

スナップショットは、複合クリップなどの親のコピーを含めて編集状態を残す方法です。元メディアの保存やバックアップも別途必要です。Appleの保存・バックアップの説明をご覧ください。

複合クリップを解除するには「クリップ項目を分割」

中の素材を本編で個別に扱い直したいときは、複合クリップを分解できます。中を開いて編集するだけなら、解除は不要です。

タイムラインで複合クリップを選び、「クリップ」→「クリップ項目を分割」、またはShift+Command+Gを使います。選んだ複合クリップが個別の項目へ置き換わり、ブラウザには親複合クリップが残ります。これは再生位置で前後にカットする操作とは別です。

解除した後は、映像・タイトル・音声の並びと再生結果を確認してください。複合クリップ全体にもエフェクトを加えていた場合などは、作業前の見え方と比べてから編集を続けましょう。正式な項目名はApple公式の「クリップ項目を分割する」で確認できます。

よくある質問

使い始めにつまずきやすい、長さ・音声・ほかの機能との違いを整理します。

中に素材を追加したのに、本編で見えないのはなぜ?

中を長くしても、本編で使っている複合クリップの表示範囲に収まっていないと、その部分は見えません。中を開いたときの濃い斜線の領域が目印です。本編へ戻って複合クリップの終わりを延ばすか、中の配置を短く調整します。単に外側を長くしても、元々存在しない映像が増えるわけではありません。内容の表示範囲の公式説明を参照してください。

声とBGMをまとめた後、別々に音量を変えられる?

中を開いて対象の音声を調整できます。また、複合クリップでは内部のロール割り当てに基づくオーディオコンポーネントを利用できます。声とBGMを分けて扱いたい場合は、先にロール機能の記事で役割の付け方を確認しましょう。詳しい仕組みは複合クリップのオーディオロールに記載されています。

マルチカムクリップとは何が違う?

複合クリップは、配置した映像・文字・音声をまとめる機能です。マルチカムクリップは、複数のカメラ映像などを同期し、見せるアングルを切り替えて編集するための機能です。講座の正面映像と手元映像を切り替えたい場合などは、マルチカム編集が候補になります。複合クリップにまとめるだけでカメラ映像が自動同期されるわけではありません。

元の素材は消える? ファイルサイズは変わる?

複合クリップを作成しても、元のメディアファイルが1本の動画へ置き換わるわけではありません。編集は元メディアを参照して行われます。一方、編集情報や生成したレンダリングファイルなどは保存領域を使うため、「容量が一切増えない」とは言えません。メディア管理の概要も確認できます。

まとめ:共通部分と、回ごとに変える部分を分けよう

複合クリップは、オープニングや章ごとの素材をまとめ、編集の見通しを良くするために使えます。最初は短い部分で「作成する」「中を開く」「本編へ戻る」を試してみてください。

繰り返し使うときは、同じ親を共有するのか、今回だけ独立させるのかを決めてから中身を変えましょう。編集全体の流れは初心者向けFinal Cut Proの使い方まとめからたどれます。

Final Cut Pro公式サイトはこちら
https://www.apple.com/jp/final-cut-pro/

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