便利なAI自動文字起こし&字幕作成ツール9選をご紹介します

動画コンテンツや音声データの文字起こし作業に時間を取られ、本来の業務に支障が出ていませんか?最新のAI文字起こしツールを活用すれば、従来3-4時間かかっていた作業がたったの数分で完了できるようになります。この記事では、無料で使えるツールからプロフェッショナル向けの高機能ツールまで、9個の厳選されたAI文字起こしツールを詳しく解説。さらに、音声品質の最適化から編集作業の効率化まで、実践的なノウハウもご紹介します。あなたの予算や用途に合わせて最適なツールを選び、作業効率を劇的に向上させるためのすべての情報が、この記事に詰まっています。

はじめに

動画や音声コンテンツの制作に携わっている方なら、文字起こし作業に多くの時間を取られた経験があるのではないでしょうか。1時間の音声を文字に起こすのに3-4時間もかかり、本来やるべき重要な作業に時間を使えない…。そんな悩みを抱えている方も多いはずです。

特に、YouTubeやSNSでの動画配信が当たり前になった今、字幕付けや文字起こしの需要は急増しています。しかし、外注すると1分あたり数百円もかかってしまい、予算の限られた個人や小規模ビジネスにとって大きな負担となっています。

そこで注目を集めているのがAI自動文字起こしツールです。最新のAI技術を活用したこれらのツールは、従来の手作業による文字起こしと比べて、作業時間を大幅に削減することが可能です。しかも、その精度は日々向上しており、特に日本語における認識率は飛躍的に改善しています。

私自身、ブログやオンライン講座の制作で様々なAI文字起こしツールを使用してきました。当初は無料のツールから始めて、徐々により高度なツールへと移行していく中で、それぞれのツールの特徴や使い分けのコツを学んできました。

この記事では、実際に使用してきた経験をもとに、無料で使えるものからプロフェッショナル向けまで、9個のAI文字起こしツールを詳しく解説していきます。予算や用途に応じて、あなたに最適なツールを見つけるためのガイドとしてご活用ください。

最新のAI文字起こしツールを活用することで、動画編集の効率が劇的に向上し、より多くの時間をコンテンツの質の向上に充てることができるようになります。あなたも、この記事を読んでAI文字起こしの可能性を探ってみませんか?

AI文字起こしの基礎知識

AIによる文字起こしとは

AI文字起こしは、人工知能の中でも特に音声認識(Speech Recognition)自然言語処理(Natural Language Processing)の技術を組み合わせたものです。音声データに含まれる言葉を認識し、それを文字に変換するだけでなく、文脈を理解して適切な句読点を打ち、段落分けまで行うことができます。

従来の音声認識技術は、単純なパターンマッチングで音声を文字に変換していましたが、現代のAI文字起こしはディープラーニングを活用しています。そのため、話者の声の特徴や方言、背景のノイズがある場合でも、高い精度で文字起こしが可能になっています。

従来の文字起こしとの違い

人力による従来の文字起こし作業では、音声を聞きながら手作業でタイピングする必要がありました。1分の音声に対して3-4分の作業時間が必要で、長時間の集中力も求められました。

一方、AI文字起こしでは、音声ファイルをアップロードするだけで、数分で文字起こしが完了します。1時間の音声であっても、わずか5-10分程度で文字に起こすことができます。

さらに、最新のAI文字起こしツールでは以下のような高度な機能も備わっています:

  • 複数話者の自動識別:会議やインタビューでの会話を、話者ごとに自動で区別
  • ノイズ除去:背景音や雑音を自動的にフィルタリング
  • タイムスタンプの自動付与:音声の該当箇所への素早いジャンプが可能
  • 文脈に応じた句読点・改行の挿入:読みやすい文章に自動整形

主なメリット・デメリット

AIによる文字起こしには、以下のようなメリットがあります:

  • 作業時間の大幅な削減:従来の手作業と比べて最大90%の時間短縮
  • コストの削減:外注費用を大幅に抑えることが可能
  • スケーラビリティ:大量の音声データも一括処理が可能
  • 一貫性の維持:人による作業のばらつきがない

一方で、以下のような課題もあります:

  • 100%の精度は期待できない:特に専門用語や固有名詞は誤認識の可能性
  • 方言や特殊な表現への対応:標準的な話し方以外は精度が低下
  • 音質への依存:録音状態が悪いと著しく精度が低下

しかし、これらの課題も、AIの進化とともに急速に改善されています。例えば、最新のツールでは学習機能を搭載し、使用を重ねるごとに特定の話者や専門用語への対応精度が向上していきます。

次のセクションでは、実際に利用できるAI文字起こしツールについて、詳しく見ていきましょう。

お勧めのAI文字起こしツールをご紹介します

ChatGPTアプリ(スマホまたはデスクトップアプリ)

↑ChatGPTアプリのマイクボタンを押して話しかけると、音声を文字起こししてくれます。

ChatGPTにも文字起こし機能は存在します。ただ、一般的な文字起こしアプリのように音声や動画のデータファイルをChatGPTにそのままアップロードしようとすると受け付けてくれないケースがほとんどです。しかし、ブラウザではなくChatGPTのモバイルアプリやPCアプリ(筆者はiOSとMacアプリを使用)を使用してアプリ内のマイクボタンを押して話しかけると、その音声をそのまま文字起こししてくれます。その文字起こし文章を使って、ChatGPTに追加の指示をすることでAIにいろんなタスクをこなしてもらうことができるので非常に便利です。詳細な使い方は以下からご覧ください。

ChatGPTアプリを使った自動文字起こし方法の解説記事はこちら↓

Google AI Studio(グーグルAIスタジオ)

↑軽いファイルであれば、素早く文字起こしをしてくれます。

Google AI StudioはGoogleがAIアプリの開発者向けに無料で提供しているAI開発ツールです。開発者向けなので私も含めた一般ユーザーにはとっつきにくいかもしれませんが、音声ファイルをアップロードして「文字起こしをして」と伝えれば、素早く文字起こしをしてくれます。音声ファイルを無料で文字起こししたい人にはオススメのツールです。(無料のツールで、なおかつ文字起こしに特化したアプリではないので、安定性に欠けることはあります。安定性を求める方は有料の文字起こし専用ツールを使いましょう。)

Google AI Studioを使った文字起こし方法の解説記事はこちら↓

Simon Says AI(サイモンセッズAI)

↑有料ですがかなり精度は高いので弊社でも頻繁に使っています。UIが英語なのが難点でしょうか。

SImon Says AIは文字起こしに特化したアプリです。有料ツールではありますが、文字起こしの精度はかなり高いですし、日本語の文字起こしにもしっかり対応しています。弊社でも動画の字幕作成など正確性を求めるような業務ではこのツールを使って文字起こしと字幕作成を行うことが多いです。タイムコード付きの字幕ファイルやAdobe Premiere、Final Cut Pro、Davinci Resolveなどの主要な動画編集ソフトに対応したXMLファイルを書き出すことができるので、動画編集をされていて字幕をつける場合は1つの選択肢になるツールです。ドル建ての支払いなので、やや割高に感じるかもしれません。(画面のUIやサポートも英語のみなので、英語に苦手意識がある方はお勧めしません。)

Simon Says AIの使い方解説記事はこちら↓

Vrew(ブリュー)

↑Vrewの公式サイトより引用:こちらも有料ツールですが日本語なので使いやすいはずです。

VrewもSimonSaysと同じように動画編集ソフトとの連携機能に強い字幕作成&文字起こしツールです。こちらはサイトやアプリも日本語化されているので、英語に苦手意識がある方でも安心です。個人的には使い勝手はSimonSaysのほうが使いやすいと思っているので最近はあまり使っていませんが、値段は比較的割安ですので、動画の字幕も作成されていて、なおかつコストを抑えたい人には有力な選択肢になるでしょう。

Vrewの使い方解説記事はこちら

RimoVoice(リモボイス)

↑日本製の文字起こしツールですが、コストは高めかもしれません。

RimoVoiceは日本製の文字起こしツールであり、日本の企業でも豊富な採用実績があるようです。社内会議を録音した音声ファイルをアップロードすれば、文字起こしはもちろんのこと、その内容を要約した議事録を作成するなど、日本企業で求められるユースケースに特化した機能が豊富にあります。もちろん、文字起こししたデータをテキストファイルや動画編集ソフト用の字幕データなどでダウンロードするなど、主要なアプリとの連携性もあります。難点は、どちらかというと法人向けであり、個人向けにはやや値段が高めであることかもしれません。よりコストを抑えた文字起こしツールを探されている場合は前述のSimonSaysやVrewのほうが適してるかもしれません。

RimoVoiceの使い方解説記事はこちら

tl;dv(ティーエルディーヴィ)

↑ZoomやTeamsでミーティングを行なっている人にはお勧めできます。

tl;dv(ティーエルディーヴィ)とは海外製の議事録作成ツールです。ZOOMやMicrosoft Teamsと連携して海外の内容を文字起こしして、要約をしたり、Slackと連携して会議の録画や要約をチームメンバーに送信するなど、リモートワークにおける会議やミーティングの議事録作成を容易にしてくれる便利なツールです。弊社ではチームミーティングはSlackのハドル機能(Slackのビデオ会議機能)を使っているのですが、残念ながらtl;dvがSlackのビデオ会議機能には対応していないので、弊社では本格導入にはいたりませんでした。ただ、社内ミーティグや顧客とのビデオ会議をZOOMなどの対応ツールで頻繁に行っている方で、録画の共有や議事録の作成業務を自動化したい場合には有力な選択肢の1つになると思いますので、該当する方は検討してみてください。

tl;dv(ティーエルディーヴィ)の使い方解説記事はこちら

DaVinci Resolveの文字起こし&字幕作成機能

↑専用の文字起こしソフトに比べると精度は劣るかもしれませんが、追加料金なしで文字起こしし放題だと考えるとかなり使えます。

DaVinci Resolveは動画編集ソフトですが、有料(4-5万円程度)のStudioバージョンのライセンスを購入することで、1回の買い切り価格で購入できる(さらにアップデートは無料)にも関わらず、無制限で音声の文字起こしが可能です。正直、文字起こしのクオリティは、やはり上記で紹介したような有料の文字起こし専用ツールの方が正確だと感じますが、バージョンアップごとに徐々に性能は上がっているように感じますし、サブスク契約をせずとも無制限で文字起こしが使えるのは大きなメリットがあります。字幕の作成など、より正確な文字起こしを求めている場合は別ですが、とりあえずコストをかけずにある程度のクオリティの文字起こしデータを素早く行いたい(そしてAIに編集してもらう)場合などは、DaVinci Resolveの文字起こし機能で十分だと感じます。

DaVinci Resolveの自動文字起こし&字幕作成機能の使い方解説記事はこちら↓

CupCut(キャップカット)の文字起こし&字幕作成機能

↑サブスクに課金しないと文字起こし機能は使えないので少しハードルが高いかもです。

CupCutはTikTokを開発しているByteDance社が提供している動画編集アプリです。こちらは基本的に無料で使えますが、文字起こしは一定数無料で使った後はサブスク契約(月額1000円程度)をしないと利用できませんのでご注意ください。CupCutを使って動画編集されている方はこの機能を使って文字起こしをするのもありだと思います。

CupCutの文字起こし機能の使い方解説記事はこちら↓

ClipMagic(クリップマジック)

↑海外製のツールにしては日本語にもちゃんと対応しているのでありがたいですが、フォントなどが日本語に最適化されていないので、少し使いずらいかもしれません

ClipMagicは字幕作成に特化したツールです。ショート動画など、見栄えの良い字幕を素早く動画につけたい場合に適したアプリです。海外製なのでフォントがあまり日本語向きではないのが難点ではありますが、海外製のツールの中では使える部類のレベルです(日本語の文字起こしクオリティも問題ないレベルだと感じました)。ショート動画用の字幕を自動的に作成したい場合は無料プランで使い勝手やクオリティを確かめてみてください。

まとめ:あなたに最適なAI文字起こしツールの選び方

ここまで様々なAI文字起こしツールとその活用法についてご紹介してきました。最後に、あなたの状況に最適なツールを選ぶための具体的なガイドラインをまとめていきましょう。

用途別おすすめツールの選び方

実際の選択にあたっては、まず自分の主な用途を明確にすることが重要です。例えば、動画制作が主な目的の場合、字幕作成機能の有無が重要な判断基準となります。

個人でYouTubeチャンネルを運営しているケースを考えてみましょう。週に2-3本の動画を制作し、各動画に字幕を付ける必要がある場合、VrewやSimonSaysのような字幕作成に特化したツールが1つの選択肢になるでしょう。なぜなら、それらは動画編集ソフトとの連携が強く、字幕デザインのテンプレートも豊富だからです。(DaVinci Resolveなどの動画編集ソフト内の文字起こし機能よりもVrewやSimonSaysやRimoVoiceなどのような有料の文字起こしツールの方が文字起こしの精度は高いと感じます。)

一方、ビジネス用途で会議の議事録作成が主な目的の場合は、異なる選択基準が必要です。例えば、週に5回以上のオンライン会議があり、その内容を正確に記録する必要がある場合、RimoVoiceやtl;dvのようなのような会議録作成に特化したツールが有効です。複数話者の識別や要約作成機能により、会議の生産性を大きく向上させることができます。

予算と効果のバランスの取り方

AI文字起こしツールへの投資は、時間節約という形で確実にリターンがあります。しかし、適切な投資額は利用頻度によって大きく異なります。

あまりお金をかけたくなければ、ChatGPTアプリ(アプリに話しかけて収録する場合のみ有効)やGoogle AI Studio(音声ファイルをアップロードして文字起こし可能)などのツールで十分対応できます。これらのツールでも、誤字脱字を修正するなどの手間は多少発生しますが、従来の手作業と比べて作業時間を大幅に削減できます。

または、動画編集ソフトで動画や音声を編集されている方は、今回ご紹介したDaVinci ResolveやCupCut以外にもAdobe Premiere ProやFinal Cut Pro(記事執筆時点では日本語の文字起こしにはまだ未対応)などを使った文字起こしも可能ですので、すでにお使いのツールの文字起こし機能も積極的につかてみてください。その結果、文字起こしのクオリティに満足いかなければ、有料の文字起こしツールを使うことを検討してみてください。

今後の活用に向けたアドバイス

AI文字起こし技術は日々進化しています。今後、さらに精度が向上し、新しい機能が追加されていくことは間違いありません。そのため、以下のような段階的なアプローチをお勧めします。

まずは無料ツールから始めて、自分の使用パターンを把握します。その上で、必要に応じて有料ツールへのアップグレードを検討するのです。この方法により、必要以上の投資を避けつつ、最適なツールを見つけることができます。このブログ記事がAI文字起こしツールの選択の参考になれば幸いです。

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