
話題の動画生成AI「WAN(ワン)」を実際に試してみて、そのリアルな動画品質や使いやすさ、そして意外な課題点まで正直にレビューしました。初心者でも簡単に映画のような動画が作れるメリットと、コストが高く細かいリアリティにはまだ改善が必要というデメリットを徹底的に解説しています。さらに、他の有名な動画生成ツールと比較し、あなたがどのツールを選ぶべきかも明確になります。記事の後半では、WANを活用して動画を作成する具体的な方法や、初心者が注意すべきポイントも丁寧に解説していますので、AIを活用して手軽に魅力的な動画を作りたいあなたは、ぜひ最後までお読みください。
動画作成にAIを使う時代が本格到来!話題の「WAN」とは?

今や、動画を使った情報発信は当たり前の時代になりました。でも、こんな悩みを持っていませんか?
- 動画を作りたいけど、難しい技術が必要なのかな…
- 専門の業者に頼むと高い費用がかかるし…
- 自分で動画を作ると時間がかかりすぎて困る…
もしあなたがこのような悩みを持っているなら、この記事はまさにあなたのためのものです。
今回、私が試してみたのは、中国のアリババ社が開発した最新の動画生成AIツールである「WAN(ワン)」です。
「WAN」とは、テキストを入力するだけで映画のようなリアルな動画を簡単に作れてしまう、非常に注目されているAI技術です。これまで専門の技術や高いお金をかけなければできなかったことが、たった数クリックで可能になる時代が来たのです。
しかし、本当にそんな簡単に動画が作れるのか?実際のクオリティはどうなのか?コストはどのくらいかかるのか?気になることはたくさんありますよね。
そこでこの記事では、私自身が実際に「WAN」を使って動画を作った体験談を元に、そのメリットやデメリット、他の動画生成AIツールとの比較、そして具体的な使い方まで詳しく解説していきます。
AIを活用して手軽に動画作成をしてみたいあなたは、ぜひ最後まで読んでくださいね。
話題の動画生成AI「WAN」とはどんなツール?

動画生成AIの中でも注目されている「WAN(ワン)」とは、いったいどんなツールなのでしょうか?
「WAN(ワン)」ってどんなAIなの?
「WAN」とは、中国の巨大テック企業、アリババ社が開発した最新の動画生成AIモデルのことです。簡単に言えば、テキストを入力するだけで、それに合わせた動画を自動で作ってくれるAI技術です。
さらに驚くべきことに、この「WAN」はオープンソースです。つまり、誰でも無料で利用でき、自由にカスタマイズして自分だけの動画生成ツールを作ることができるのです。
AIの専門知識がなくても、高額な開発費をかけなくても、動画生成ツールを使ったビジネスが可能になる、というわけですね。
WANではどんな動画が作れるの?

では実際、「WAN」を使うとどんな動画が作れるのでしょうか?公式サイトでは、以下のような動画サンプルを見ることができます。
- 映画のようにリアルな映像: カラスが空を飛ぶシネマティックな映像や、バイオリンを演奏する人物のリアルな動画。
- インパクトのあるアニメーション動画: 動物がボクシングをしたり、水にボールが落ちて水しぶきが上がるなど、目を引く映像。
- テロップ付きのプロモーション動画: 文字が立体的に動きながら表示されるカーチェイスのような迫力ある動画。
こういった動画を自力で作ろうとすると、通常は映像制作会社や専門のクリエイターに高額な費用を支払う必要がありますが、「WAN」を使えば誰でも手軽に生成できてしまいます。
しかし、公式サイトのサンプル動画と実際に作れる動画の品質に差があるのでは?と心配になりますよね。私自身も実際に使ってみて、気になるポイントがいくつかありました。
次のパートでは、私が実際に試してみて感じたメリット・デメリットを詳しくお伝えしていきます。
実際に「WAN」を使って感じたメリット・デメリットを正直レビュー!
では実際に私が「WAN」を使って感じた、メリットとデメリットについて具体的にお話ししていきます。
メリット①:映画のようなリアルな動画が作れる

実際に「WAN」を試してみて、まず驚いたのが動画のクオリティです。
公式サイトで見た動画サンプル通り、確かに映画のようなリアルな映像が生成できました。 特に背景や風景などのクオリティはかなり高く、素人がパッと見る限りでは、本当にプロが作ったように感じられるものもありました。
たとえば、「南極を探検しているようなシーン」では、氷山や海の表現などが非常にリアルで印象的でした。
メリット②:テロップ入り動画も簡単に作れる

また、「WAN」ではテロップや立体的な文字を使った動画も簡単に作成できます。
私が作成した「カーチェイス動画」では、文字がまるで踊るように画面の中で爆発的に動き、非常に目を引く仕上がりになりました。文字が単調に表示されるだけではなく、視覚的なインパクトを出したいプロモーション動画などには非常に有効なツールだと感じました。
デメリット①:クレジット消費が激しく、コストが高め

一方で、「WAN」を実際に使ってみて感じた最大のデメリットが、生成にかかるコストが非常に高いことです。
私が実際に使用した「KREA AI」というツールでは、月額10ドル(約1,500円程度)のプランを契約していましたが、動画をわずか4本作っただけで、利用可能なクレジットの95%を使い果たしてしまいました。
つまり、動画1本あたり約2.5ドル(300〜400円)もかかったことになります。日常的に大量の動画を作りたい場合、このコストは正直言ってかなり厳しいと感じました。
デメリット②:細かなリアリティにやや難あり?
また、もう一つ気になったのが、細かな部分のリアリティが不十分なことです。
風景や物体の映像はかなりリアルなのですが、人間の表情や手足の表現には不自然さが目立つ場面もありました。
例えば、「パソコンの前で女性が悩んでいる動画」を作ったところ、顔の表情や腕のシワが不自然で、「いかにもAIが作った」と感じさせるような出来栄えになりました。また、「セミナーで話す男性」の動画も、リアルというよりは少しクレイアニメ風になってしまったのが残念でした。
このように、「WAN」は現時点では完璧とは言えません。背景や文字の動きのような大きな要素は得意ですが、細かなリアリティまで求めると、やや満足できない部分が残ります。
次のパートでは、私が実際に「KREA AI」を使って作った動画を具体的にご紹介していきます。実際の映像を見ながらさらに深掘りしていきましょう。
「KREA AI」で実際に作ってみた動画を詳しくご紹介!
ここからは、私が実際に「KREA AI」というツールを使って作成した動画の具体的な例を、あなたに詳しくご紹介していきます。
「WAN」を利用した動画のクオリティが気になるあなたは、ぜひ参考にしてください。
作成した動画①:文字が踊る「カーチェイス動画」
まず最初に紹介するのは、迫力満点の「カーチェイス動画」です。
この動画では、車が高速で走るシーンを背景に、文字がまるで踊るように動きながら、画面の中で爆発したり弾けたりします。
実際に作ってみて驚いたのは、テロップの動きが非常に滑らかで、動きのスピード感や躍動感が見事に表現されていたことです。 映画やテレビCMで使われるような演出が、AIだけで簡単にできることに、正直驚きを隠せませんでした。
動画を使った広告やSNSで目を引くコンテンツを作りたい方には、このタイプの動画は非常に効果的だと感じます。
作成した動画②:「南極探検隊」のリアル度は?
次に作成したのは、「南極を探検する隊員たちの動画」です。
この動画では氷山や海の様子、そして探検隊の姿が映し出されています。第一印象はかなりリアルで、特に氷山や海面の描写は本物に近い仕上がりでした。
しかしよく見てみると、隊員の顔や細かな動きの表現には少し違和感がありました。さらに、動画を横長のワイド画面で作りたかったのですが、なぜか正方形になってしまった点も、個人的には残念なポイントです。
設定やプロンプトを工夫すれば改善される可能性はありますが、AI任せにすると細部が完璧にならないこともあるということを覚えておく必要があります。
作成した動画③:「女性が悩むシーン」のリアリティは?
3つ目の動画は、「パソコンの前で悩んでいる女性」の映像です。
このシーンもパッと見の雰囲気や背景は十分リアルに見えますが、問題は人物の表情でした。顔や腕のシワなどがやや不自然で、細かく見ると「ああ、これはAIだな…」と感じてしまう仕上がりでした。
特に人物がメインになる動画を作る場合には、このような細かな部分にも注意が必要です。
作成した動画④:「セミナーで話す男性」のクオリティは?
最後に作成したのは、「セミナーで話している男性」の動画です。
この動画は一見リアルに見えますが、よく観察すると、人物の動きがややぎこちなく、まるでクレイアニメやストップモーションのような質感になってしまいました。
人物の表情やリアルさが重要な動画では、このような「人間らしさ」の表現にまだ課題があるようです。
以上、私が実際に作成した4つの動画についてご紹介しましたが、あなたも感じたように「WAN」には得意なことと不得意なことがあります。
次のパートでは、実際に他の動画生成AIツールと比較して、どのツールを選べば良いのかを詳しく解説していきます。
他の動画生成AIツールと徹底比較!どのツールを使うべき?
ここまで「WAN」の特徴や実際に作った動画のレビューをご紹介しましたが、「他のAIツールと比べてどうなの?」という疑問も出てきますよね。
そこで、他の有名な動画生成AIツールと比較しながら、それぞれの特徴を分かりやすくお伝えします。
「WAN」 vs 「Google Veo2」 vs 「クリング」の特徴を比較
今回は、「WAN」と比較されることが多い以下の2つのツールを取り上げます。
- Googleの「Veo2」
- 中国発のAIツール「クリング」
それぞれを実際に使った私の感想をもとに、メリットとデメリットを比べてみました。
「Google Veo2」の特徴とメリット・デメリット
メリット:
- 人物表現が非常にリアルで、表情や細かな動きの質が高い。
- 実写に近い動画を作りたい場合には最適なツール。
- 幅広いジャンルの動画に対応可能。
デメリット:
- 動画の画質がやや低く、鮮明さに欠ける場合がある。
- コスト(クレジット消費量)が比較的高く、気軽に多くの動画を作りづらい。
実際に私も「Veo2」を試しましたが、リアルな人間を映像化する場合には、他のAIツールより明らかに優れていました。
一方で、画質やクレジット消費の激しさが課題として残っています。
中国発「クリング」の特徴とメリット・デメリット
メリット:
- 動画の全体的なクオリティが非常に高く、特に背景や物体の描写がリアル。
- 映像の鮮明さやリアリティが抜群。
- 商用目的で活用できるほどのプロ品質が魅力。
デメリット:
- コストが高めで、日常的に大量に作成すると負担になる。
- 操作がやや複雑で初心者にはハードルが高い。
「クリング」は特に高クオリティな動画が欲しい場合におすすめですが、コスト面と使いやすさにはやや課題があります。
次のパートでは、「WAN」を上手に活用するための具体的な手順をステップバイステップで解説していきます。
「WAN」を活用して動画を作るための具体的な手順を解説!
ここからは、あなたが実際に動画生成AI「WAN」を使って、効果的に動画を作成するための具体的なステップを一緒に見ていきましょう。
ステップ①:「WAN」の公式サイトやデモ動画をチェックしよう
まずは公式サイトで「WAN」がどんな動画を作れるのかをチェックしましょう。公式のデモ動画を見ることで、実際に作れる動画のイメージを掴むことができます。
- 「WAN」公式サイト: WAN公式サイトはこちらから
ここで、「どんな種類の動画が得意なのか?」「自分が作りたい動画に近いサンプルはあるか?」をよく確認してみてください。
ステップ②:「KREA AI」などの動画生成ツールに登録する

「WAN」を実際に使用するためには、それを簡単に使えるプラットフォームが必要です。おすすめは今回私が使った「KREA AI」です。
「KREA AI」は、動画生成AIのモデルを複数提供しているサービスで、「WAN」のほか、Googleの「Veo2」なども試せます。
登録自体は無料でできますが、本格的に動画を作るなら月額10ドル程度の有料プランに入るのがおすすめです。
ステップ③:利用可能なクレジットを確認してコストを管理する

前述した通り、「WAN」は動画生成のためのクレジット消費が激しいツールです。無計画に使うと、すぐに月間の利用可能枠を使い切ってしまいます。
- 動画を1本作るのにどれくらいクレジットが必要なのかを必ず確認しましょう。
- 月に何本くらい作成する予定なのかを決めて、それに合わせて予算を考えておきましょう。
ステップ④:クオリティを上げるためにプロンプトを工夫する
「WAN」を使って良い動画を作るには、プロンプト(動画を生成するために入力するテキスト)を工夫する必要があります。
具体的には、
- 「どんな動画を作りたいか」をはっきり細かく伝える。
- 曖昧な表現を避けて具体的な言葉を使う(例:「会議で話す男性」より「スーツを着た男性が100人の前でプレゼンしている」など)。
- 動画のスタイル(リアル系かアニメ系か)を明確に指定する。
プロンプト(指示文)の書き方を工夫するだけで、動画のクオリティが大きく改善されます。
ここまでのステップを踏めば、初心者でも失敗なく、「WAN」を使った魅力的な動画を作ることができます。
次のパートでは、「WAN」を活用する際の重要な注意点やポイントをお伝えしていきます。
することで、「WAN」を使った動画生成の成功率が格段に上がります。
次のパートでは、あなたが持つかもしれない疑問や質問について詳しく回答していきます。
「WAN」を使う前に知っておきたいよくある質問(Q&A)

ここまで「WAN」を使った動画生成のポイントを詳しく解説してきましたが、あなたが実際に使う前に感じる疑問や不安にもしっかり答えていきます。
よく寄せられる質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
Q1:動画生成AI初心者でも簡単に使えますか?
A:初心者でも簡単に使えます。
「WAN」は専門的なプログラミング知識や動画編集スキルが一切不要で、基本的には「動画の内容をテキストで入力するだけ」で動画が生成されます。
ただし、生成された動画をより良くするためには、プロンプト(指示文)を工夫する必要がありますので、初めは色々試しながら慣れていきましょう。
Q2:オープンソースとは何ですか?自分でもツール開発ができますか?
A:「オープンソース」とは、開発元がAIモデルを無料で公開し、誰でも自由に利用・カスタマイズできる仕組みのことです。
つまり、あなた自身が技術者であれば、「WAN」のAIモデルを元に独自の動画生成ツールを作ってビジネスにすることも可能です。
ただし、プログラミングの知識がない場合は、すでに「WAN」が搭載されているプラットフォーム(例えばKREA AI)を使うことをおすすめします。
Q3:費用を抑えて動画生成AIを使う方法はありますか?
A:同じアリババ社が公開しているQwen Chatで動画生成をしてみてください
一般的に動画生成AIは非常にコストがかかるので無料お試し期間などは提供されていないと思ったほうがいいです。Krea.aiも画像は一定数無料で作れても動画は作れません。
ただ、例外的にWanを開発している中国のAlibaba社のチャットボットツールであるQwen Chatというサイトでは無料でも動画を生成できます。そこで使われている動画生成モデルがWanなのかどうかはわかりませんが、お金をかけたくない方は試してみてください。(ただサーバーの混雑でなかなか動画を作れないケースも多いです。)
Qwen Chatについて解説したブログ記事はこちら
次のパートでは、この記事の内容を簡単にまとめ、あなたが次に行動するための具体的なステップをお伝えします。
「WAN」を使った動画生成AI活用法まとめ

ここまで、話題の動画生成AI「WAN」の特徴や実際に使ってみた感想、活用法について詳しく解説してきました。
最後に、今回の記事で大切なポイントをもう一度簡単にまとめておきます。
今回の重要なポイントのおさらい
- 「WAN」はアリババ社が開発したオープンソースの動画生成AI。
- テキストを入力するだけで、リアルな動画やインパクトのあるアニメーション動画が作れる。
- 背景や物体の描写はリアルだが、人物の細かな表現にはやや課題が残る。
- クレジット消費が多く、費用が高めなので、計画的なコスト管理が必要。
- 動画を作る目的を明確にして、リアルさよりもインパクトや面白さを重視した動画作りを意識する。
Wanモデルを実際に使ってみた感想としては、競合となるKling、Hailuo、Hunyuan、Google Veo2と比べても精度はイマイチな印象です。現時点ではコストの高さゆえ、あまりお勧めできませんが今後の進化に期待したいと思います。
Wan AI公式ページはこちら
Krea.aiはこちら(Wanモデルを選択して動画生成が可能です)
Wan2.1モデルで実際に生成した動画はこちら