
プリローンチ(プレローンチ)とは、商品の販売を始める前に、無料の動画や記事で役に立つ情報を届けて、見込み客(商品に興味を持ってくれそうな人)に、買うかどうかを決める準備をしてもらう期間のことです。そこで届ける無料のコンテンツをプリローンチコンテンツ(PLC)と呼びます。
定番の型は、アメリカのジェフ・ウォーカー氏が考えたプロダクトローンチの手法「Product Launch Formula」の3本立てです。PLC1でチャンスを伝え、PLC2で変化を示し、PLC3で所有の体験(商品を手にしたあとの姿)を見せるという順番で、3本を数日おきに1本ずつ届けます。
この記事では、この3本の作り方と、公開の間隔、作るときの注意点を解説します。プロダクトローンチ全体の流れと、始める前の準備は、「プロダクトローンチとは?初心者向けに流れと準備を解説」で紹介しています。
【2026年9月の更新】この記事は2024年9月に書いたものです。2回続けて入っていた「よくある質問と回答」を1つにまとめ、中身のなかった「成功事例」の予告を外しました。あわせて、3本の型の出典(ジェフ・ウォーカー氏のProduct Launch Formula)、3本の前後の流れ、締切やお客様の声を載せるときの決まりを書き足し、「必ず報われます」などの根拠のない約束の言い回しを直しました。
はじめに:プリローンチはプロダクトローンチのどこにあたるか
プロダクトローンチとは、商品をいきなり売り出すのではなく、発売の前から少しずつ役に立つ情報を届けて、発売の日に向けて期待を高めていく売り方です。
あなたは、こんな悩みを抱えていませんか?
- 商品は素晴らしいのに、なかなか売れない
- セールスの方法がわからず、集客に苦労している
- 高額な広告費をかけずに、効果的に商品を販売したい
こうした悩みのうち、「どう売ればよいか」を助けてくれるのが、販売の前に少しずつ信頼を積み重ねるプリローンチコンテンツです。見てくれる人をどう集めるかは、このあとの「前提」で説明します。
プロダクトローンチは、単に商品を市場に投入するだけではありません。それは、お客様との信頼関係を構築し、あなたの商品の価値を効果的に伝えるプロセスなのです。
ジェフ・ウォーカー氏は公式サイトで、プロダクトローンチの流れを次の4つの段階で説明しています。
| 段階 | すること |
|---|---|
| 1. プリ・プリローンチ | 「近く何かが始まる」と予告し、見込み客から質問や意見を集める |
| 2. プリローンチ | 3本の無料コンテンツ(PLC1〜3)を、ふつう6〜10日かけて1本ずつ届ける(この記事のテーマ) |
| 3. オープンカート | 販売を始める。販売の期間は限られていて、ふつう5〜7日 |
| 4. カートクローズ | 販売の最終日(締切の日) |
ジェフ・ウォーカー氏の公式サイト(英語):プロダクトローンチの4つの段階
https://jeffwalker.com/product-launch-process/
3本のコンテンツは、この流れの2つ目の「プリローンチ」で使います。ウォーカー氏は、この流れを著書『Launch』(2014年。2021年に改訂版。日本語版はダイレクト出版の『ザ・ローンチ』(2014年)と『ザ・ローンチ2.0』(2023年))でも説明しています。
ただし、前提が1つあります。PLCは、すでにあるメールのリストやSNSのフォロワーに向けて出すと力を発揮します。見てくれる人がまだ少ないなら、先に集客(無料の発信や広告)で見込み客を集める必要があります。PLCそのものが、広告費をかけずに人を集めてくれる仕組みではありません。
PLCを届けると、次のような良いことが期待できます。
- 見込み客との信頼関係を築ける
- 商品の価値を、売り込む前に伝えられる
- 販売を始めたときに、自然な流れでご案内できる
- 届いた質問や反応から、お客様が何に困っているかが分かる
3本の中身に入る前に、まずプリローンチコンテンツとは何かを整理しておきましょう。
プリローンチコンテンツとは何か?
プリローンチコンテンツ(PLC)は、商品の販売を始める前に、無料で届ける役に立つ情報のことです。ウォーカー氏は、3本のPLCをひとまとめにして「サイドウェイズ・セールスレター(Sideways Sales Letter)」と呼んでいます。「セールスレター(販売の手紙)」という名前ですが、形はブログ記事・動画・メール・ポッドキャスト(音声配信)・ライブ配信のどれでもよい、としています。
ウォーカー氏が強調しているのは、PLCの役目はすぐに買ってもらうことではない、という点です。商品を手にしたときのチャンスや変化を、見込み客に一歩ずつ知ってもらうこと。そして、買っても買わなくても役に立つ中身にすることです。
PLCの主な目的は以下の通りです:
- 見込み客の興味を引き付ける
- 問題意識を高める
- 解決策への期待を高める
- 信頼関係を構築する
ここで重要なのは、単なる宣伝ではなく、本当に役に立つ情報を届けることです。
あなたが提供するPLCは、以下の要素を含む必要があります:
- ターゲット層の抱える問題の明確化
- その問題がもたらす影響の説明
- 解決策の概要
- あなたの専門知識や経験の証明
効果的なPLCを作成することで、あなたは潜在顧客との関係性を深め、商品への期待を高めることができます。これにより、実際の販売開始時には、あなたのことをすでに知り、信頼してくれている人たちにご案内できます。
いきなり商品を売り出しても、あなたのことをよく知らない人は、なかなか買ってくれません。先に役に立つ情報を届けておけば、販売を始めた日に、ご案内を前向きに聞いてくれる人が増えやすくなります。
では、3本のPLCにそれぞれ何を入れればよいのかを見ていきましょう。
3つのプリローンチコンテンツの基本構造

※ 上の図は、2024年の公開時に載せた簡単なまとめです。図の言葉は短く言いかえたものなので、3本の名前と中身は、下の本文(ウォーカー氏の公式サイトの説明)を基準にしてください。
PLCは3本を順番に届けます。ウォーカー氏の公式サイトでは、ふつう6〜10日かけて、1本ずつ公開するとしています。続きものの番組の次の回を待つように、少しずつ期待が高まっていくからです。それぞれのPLCには役目があり、見込み客を一歩ずつ、商品のご案内へと導きます。
ここからは、「自宅でパンを焼けるようになるオンライン講座」を販売する場合を例に、3本の中身を見ていきます(書き方を見せるための例文です。「○」は、実際の日付や数を入れる印です。その事実がないときは、その文ごと使いません。講師の体験やお客様の感想も、本当にあったことだけを書きます)。
PLC1:チャンス(Opportunity)を伝える
PLC1の主な目的は、見込み客の興味を引き、期待を高めることです。
- 未来の可能性を示す: あなたの商品やサービスが解決する問題と、それによってもたらされる理想の未来像を描きます。
- チャンスの存在を強調: その問題は解決できる、というチャンスがあることを伝えます。
- 概要を提示: これから提供する情報の全体像を簡潔に説明し、見込み客の興味を引き付けます。
ウォーカー氏は、PLC1では相手が抱えている問題、あなたが見つけた解決策、そしてそれをどうやって見つけたかを話し、その話を、相手の悩みや望みとつなげるように、としています。
例文(PLC1):「家のオーブンだとパンがふくらまない」と悩んでいた講師が、発酵の温度を見直して、ふっくら焼けるようになった話。家庭のオーブンでも、発酵の温度を見直すとふくらみ方が変わる、というチャンスを伝えます。
PLC2:変化(Transformation)を示す
PLC2では、具体的な方法論や戦略を紹介し、変化の可能性を示します。
- より詳細な情報を提供: PLC1で触れた概要をさらに掘り下げ、具体的な方法や戦略を説明します。
- 見込み客の変化を見せる: 同じ悩みを持っていた人がどう変わったかを、事例やお客様の声で見せます。
- 実践可能な情報を提供: 見込み客が即座に実行できるヒントやテクニックを盛り込みます。
ウォーカー氏は、PLC2では話の中心を見込み客自身に戻し、「この道に進むと、どう変わるか」を見せるように、としています。そのために、商品の中身から1つだけ選んで深く教え、実際にやってみてもらうことを勧めています。すべてを教えてしまうのでは、と心配しなくてかまいません。商品のほんの一部だからです。
お客様の声や事例を紹介するのも、この回です。載せるときは、本人の了承をもらい、言葉を変えずに載せます。「○か月で○○できた」のような成果の声を載せるなら、受講した人全体の数と、同じくらいの成果が出た人の割合も近くに書きます(くわしくは、後の「締切・限定・お客様の声を書くときの決まり」で説明します)。
例文(PLC2):パン作りでいちばん失敗しやすい「生地のこね上がりの見分け方」だけを取り上げて、画面の前で一緒にやってもらう回。受講した人の感想を紹介するなら、本人の了承を得たものを、そのまま載せます。
PLC3:所有の体験(Ownership Experience)を見せる
PLC3の目的は、商品を手にしたあとの姿を、見込み客に思い描いてもらうことです。
- 商品を手にしたあとの毎日を見せる: 講座なら、どんな順番で、何を、どう学ぶのか。質問はどこでできるのか。具体的に見せます。
- 小さな「できた」を体験してもらう: 見込み客が実際に手を動かして、小さな成功体験を得られるような課題を出します。
- ご案内が近いことを伝える: 「○月○日から講座のご案内を始めます」と、販売を始める日を予告します。
ウォーカー氏は、PLC3では、ご案内(オファー)が近いことを知らせ、あなたがさらにどう手伝えるのかを見せるように、としています。売り込みを始める回ではなく、次の販売につなぐ回です。
例文(PLC3):講座に入ると、毎週1つのパンを動画で学び、焼いたパンの写真を送ると講師からひとことコメントが届く、という流れを見せる回。最後に「○月○日から講座のご案内を始めます」と予告します。
これら3つのPLCを順番に届けることで、見込み客との信頼関係を築き、商品への期待を高め、自然な流れでご案内につなげることができます。
なお、私の講座では、3本の中身を「マイルストーン」(お客様が理想の状態にたどり着くまでの途中の目印)に沿って決め、1本の動画で1つずつ進めてもらう形で教えています。講座のスライドを使った説明は、「プロダクトローンチとは?初心者向けに流れと準備を解説」をご覧ください。
PLC3のあと:販売の開始(オープンカート)と締切
3本を届けたら、販売を始めます。ウォーカー氏はこれを「オープンカート」(買い物かごを開ける)と呼び、販売の期間は限られていて、ふつう5〜7日としています。期間中は毎日メールでご案内し、最終日(カートクローズ)を迎えます。
ここで大事なのは、締切を書いたら、本当に締め切ることです。締切のあとも同じ値段や特典で買えるなら、実際よりお得だと思わせる表示になり、日本の法律で問題になるおそれがあります(後の「締切・限定・お客様の声を書くときの決まり」で説明します)。ウォーカー氏の公式サイトには、販売期間中に「次は値上がりする」「この特典は今夜で終わる」と伝えてよい、という説明もあります。日本では、特典を「今夜で終わる」と伝えるなら本当にその時刻で終わりにし、「値上がりする」と伝えるなら締切のすぐあとからその値段で売る必要があります。締切で販売を閉じて次の募集まで売らないなら、値上がりと比べる言い方は使いません。登録した人ごとに締切を自動でつける形(エバーグリーンローンチ)は、関連記事で紹介しています。
プリローンチコンテンツ作成の具体的ステップ
ここでは、PLCの形(動画)、中身の組み立て、信頼の築き方のポイントを見ていきます。作る順番は、記事の最後の「次のステップ」にまとめています。
動画コンテンツの活用
PLCの形は何でもかまいませんが、動画は取り入れやすい形の一つです。次のような良さがあります。
- 親しみを持ってもらえる: 顔や声を通じて、より直接的にあなたの人となりを伝えられます。
- 情報の効果的な伝達: 視覚と聴覚を同時に使うことで、より多くの情報を印象的に伝えられます。
- 制作の容易さ: スマートフォンやタブレットでも十分な品質の動画が撮影できます。
動画制作のポイント:
- 高価な機材は不要: スマートフォンやウェブカメラで十分です。
- 編集は最小限に: 本質的な内容さえ伝わればOKです。
- 顔出しが苦手な場合: スライドや画面共有での説明も効果的です。
スライドを見せながら話す形での撮り方は、「プロダクトローンチとは?初心者向けに流れと準備を解説」の「ローンチ動画の撮り方」の章でくわしく紹介しています。
コンテンツの内容と構成
各PLCの内容を構成する際は、以下の点に注意しましょう:
- 問題提起: ターゲット層が抱える具体的な悩みや課題を明確にします。
- 共感: あなた自身も同じ悩みを経験したことがあるなら、それを伝えて親近感を高めます(経験していないことは話しません)。
- ストーリーと解決策: あなたがどのように問題を克服したか、その過程を物語形式で伝えます。
- 他者の証言: 紹介するなら、本人の了承を得たお客様の声を、言葉を変えずに載せます。
- 次のステップ: 視聴者が次にとるべきアクションを明確に示します。
信頼関係の構築方法
PLCを通じて信頼関係を構築するためのキーポイント:
- 価値ある情報を惜しみなく提供: 「すべてを教えてしまうのでは?」と心配する必要はありません。むしろ、惜しみなく情報を提供することで信頼を得られます。
- 正直さと透明性: 失敗談も含めて、あなたの経験を率直に共有しましょう。
- 一貫性: 3つのPLCを通じて、一貫したメッセージと価値観を示します。
- 双方向のコミュニケーション: コメント欄や質問フォームを設け、視聴者との対話を大切にします。
実践のためのヒント:
- コンテンツカレンダーを作成: 3つのPLCの公開スケジュールを事前に決めておきます。
- テストグループを活用: 本格的な公開前に、小規模なグループでコンテンツの効果を検証します。
- フィードバックを積極的に求める: 視聴者の反応を基に、コンテンツを改善していきます。
これらのステップを踏むことで、見込み客との信頼関係を築けるPLCを作ることができます。
プリローンチコンテンツ作成のポイントと注意点
効果的なプリローンチコンテンツ(PLC)を作成するには、いくつかの重要なポイントと注意すべき点があります。以下にそれらを詳しく解説します。
- オーディエンスを理解する
- ターゲット層の具体的な悩みや欲求を深く理解することが不可欠です。
- アンケートやインタビューを活用して、オーディエンスの声を直接聞くことをおすすめします。
- 価値ある情報を提供する
- PLCの目的は即座の販売ではなく、信頼関係の構築です。
- 「これさえ知っていれば十分」と思えるほどの価値ある情報を提供しましょう。
- 情報を出し惜しみすると、かえって信頼を失う可能性があります。
- ストーリーテリングを活用する
- 単なる事実の羅列ではなく、感情に訴えかけるストーリーを織り交ぜましょう。
- あなた自身の経験や失敗談を共有することで、親近感と信頼感が生まれます。
- シンプルさを保つ
- 複雑な専門用語や難解な概念は避け、わかりやすい言葉で説明します。
- 1つのPLCにつき、1つの主要なメッセージに焦点を当てましょう。
- アクションを促す
- 各PLCの終わりには、必ず次のステップを示しましょう。
- 例:「次の動画を見る」「無料レポートをダウンロードする」など
- 一貫性を保つ
- 3つのPLCを通じて、デザイン、トーン、メッセージに一貫性を持たせます。
- これにより、ブランドの認知度と信頼性が高まります。
- タイミングを考慮する
- PLCの公開間隔は、長すぎず短すぎずが理想的です。
- ウォーカー氏の公式サイトでは、3本を6〜10日ほどかけて1本ずつ公開するのが一般的だとしています。
- 法的・倫理的配慮
- 誇大広告や虚偽の表現は絶対に避けましょう。
- 成果の例を出すときは、受講した人全体の人数と、同じくらいの成果が出た人の割合を近くに書きます。「個人の感想です」と添えるだけでは足りません。
- モバイル対応を忘れずに
- 多くのユーザーがモバイルデバイスでコンテンツを視聴します。
- モバイルでの視聴体験を最適化することが重要です。
- 継続的な改善
- アクセス解析やコメント、フィードバックを基に、常にコンテンツを改善していきましょう。
- A/Bテスト(2つの案を比べて、反応のよいほうを選ぶ方法)を行い、より効果的な表現や構成を見つけ出すことも有効です。
これらのポイントに注意を払いながらPLCを作成することで、より効果的なプロダクトローンチが実現できます。単なる販売ツールではなく、オーディエンスに真の価値を提供するコンテンツを目指しましょう。
締切・限定・お客様の声を書くときの決まり
PLCとその後の販売では、締切や特典、お客様の声を書く場面が出てきます。日本では、次の点に気をつけます。
- 締切は本当に守る:「○日まで」と書いたのに、その後も同じ値段や特典で売ると、景品表示法(実際よりよく見せたり、得に見せたりする広告や、おまけの出しすぎを取りしまる法律)の「有利誤認」(実際より得だと思わせる表示)にあたるおそれがあります。消費者庁は、期限を過ぎても同じ条件で売っていた会社に、やめるよう命じる「措置命令」を出しています。売れ行きを見て締切を延ばすのも、同じ問題になりえます。
- 締切のあと買えなくなるなら、期間を日時で書く:販売期間が終わると商品そのものが買えなくなる場合は、販売ページと申し込みの最終確認画面に、申し込める期間を具体的に書きます(特定商取引法。「今だけ」と書くだけでは、書いたことになりません)。
- 「通常価格」「次回は値上がり」は、本当のときだけ:「いつもは○円のところ」と比べるなら、実際にしばらく(目安は、さかのぼって8週間のうち半分より長い期間)その値段で売っていたことが必要です。はじめて売る講座には、比べられる「通常価格」はありません。「締切のあとは○円になります」と書くなら、締切のすぐあとから、その値段で本当に売ることが前提です(目安は、2週間以上続けること)。締切で販売を閉じて次の募集まで売らないなら、「次回からは○円になります」のように、これからの値段と比べる言い方は使いません。
- 特典(おまけ)の値打ちには上限がある:買った人全員や、先着順の人に渡す特典は、代金の10分の2まで(代金が1,000円より安いときは200円まで)が上限です(景品表示法の景品の決まり。講座で使う教材など、講座の中身として渡すものは扱いが違う場合があります)。「先着○名」は、本当に人数の限りがあるときだけ使います。
- お客様の声は、了承を得て、そのまま載せる:成果の声なら、全体の人数と、同じくらいの成果が出た人の割合も近くに書きます。消費者庁の調査の報告では、「個人の感想です」と添えても、読む人の受け取り方はほとんど変わらないとされています。書く内容をこちらから指定したり、良いことだけを書くよう頼んだりした感想を、お客様が自分から書いたように見せてはいけません。「弊社からお願いして書いていただいた感想です」のように、こちらが頼んだものだと分かるように書きます。お礼を渡して、お客様に自分のSNSやブログで紹介してもらうときは、投稿に「広告」「PR」と書いてもらいます(ステルスマーケティングの規制、2023年10月から)。
ここでの説明は一般的なもので、法律の相談に代わるものではありません。
よくある質問と回答
プリローンチコンテンツ(PLC)の作成と実施に関して、多くの方が疑問を抱いています。ここでは、よくある質問とその回答を紹介します。
Q1: PLCの適切な長さはどれくらいですか?
A: 決まった長さはありません。ウォーカー氏の公式サイトにも、長さの決まりは書かれていません。この記事を2024年に公開したときは、次のくらいを目安として挙げていました(決まりではありません):
- 動画の場合:10〜20分
- ブログ記事の場合:1000〜2000文字
- ウェビナーの場合:30〜60分
ただし、内容の質が最も重要です。必要な情報を過不足なく伝えることを心がけましょう。
Q2: PLCで具体的な商品名を出してもいいですか?
A: PLC1とPLC2では、商品の名前や値段の話はせず、役に立つ中身に集中します。PLC3では、「○月○日から講座のご案内を始めます」と、ご案内が近いことをはっきり伝えます。ウォーカー氏も、PLC3ではご案内(オファー)が近いことを知らせるように、としています。
Q3: PLCの制作にどれくらいの予算が必要ですか?
A: PLCは最小限の予算で始められます。例えば:
- スマートフォンやウェブカメラでの動画撮影
- 無料のブログプラットフォームの活用
- 既存のウェビナーツールの利用
必要に応じて、編集ソフトや高品質な機材に投資することもできますが、まずは手持ちの機材で始めることをおすすめします。
Q4: PLCをどのように配信すべきですか?
A: 配信方法は、あなたのターゲット層とリソースに応じて選択します:
- YouTubeやVimeoなどの動画プラットフォーム
- 自社のブログやウェブサイト
- メールマガジン
- ソーシャルメディア(Facebook、Instagram、LinkedIn等)
複数のチャネルを組み合わせることで、より広範囲にリーチすることができます。
Q5: PLCの効果をどのように測定できますか?
A: 以下の指標を用いて、PLCの効果を測定できます:
- 視聴回数/閲覧数
- エンゲージメント率(いいね、コメント、シェア)
- メールリストの成長率
- 成約率(見た人のうち、商品を買ったりセミナーに申し込んだりした人の割合)
- 顧客からのフィードバック
これらの指標を定期的に分析し、継続的な改善につなげましょう。
Q6: PLCを作成する上で、最も避けるべき間違いは何ですか?
A: 以下の点に注意しましょう:
- 過度の販売圧力: PLCの目的は関係構築です。強引な販売は避けましょう。
- 価値の欠如: 真に役立つ情報を提供しないコンテンツは逆効果です。
- 一貫性の欠如: 3つのPLCを通じて、メッセージとブランディングを一貫させましょう。
- フォローアップの欠如: PLCの後の適切なフォローアップは重要です。
Q7: 「プリローンチ」と「プレローンチ」は違いますか?
A: どちらも英語の prelaunch(販売の前)をカタカナにした言葉で、この記事の「プリローンチ」は「プレローンチ」と書かれることもあります。ただし、日本語の解説の中には、「プレローンチ」を「見込み客の連絡先を集める段階」という別の意味で使っているものもあります。この記事では、ウォーカー氏の公式サイトの Prelaunch(販売の前に3本のコンテンツを届ける段階)の意味で使っています。
Q8: 3本の動画を順番に見てもらう型は、今も使えますか?
A: 相手によります。私は2019年の動画(「プロダクトローンチはもう時代遅れ?」)の説明文で、自社のリストに向けて数本のビデオを見せるインターナルローンチ(自分のリストだけに向けたローンチ)なら、効果は高いだろうと書きました。一方で、最初に出会ってから販売までの期間が長いやり方は、今のウェブ広告には向いていない、とも書いています。
広告から新しい人を集めるなら、何日もかけて何本も動画を見ていただくより、1本の動画やウェブセミナーにまとめたり、手に取りやすい価格の入口の商品をご案内したりして、記憶が新しいうちにご案内する形が向いています。くわしくは「昔ながらのプロダクトローンチがもう成果が出ない理由とその対策」で解説しています。
これらの質問と回答を参考に、あなたのPLCの計画を立ててみてください。
まとめ:プリローンチコンテンツで成功するプロダクトローンチへ
プリローンチコンテンツ(PLC)は、プロダクトローンチの土台になります。ここまでの内容を振り返り、PLCの重要性と効果的な実施方法をまとめましょう。
PLCの本質:
PLCは単なる販売ツールではありません。それは、見込み客との信頼関係を構築し、価値を提供する機会です。3つのPLCを通じて、あなたは以下を実現できます:
- 見込み客の興味を引き、問題意識を高める
- あなたの専門知識と解決策の有効性を示す
- 商品やサービスへの期待を高める
効果的なPLCの特徴:
- 価値ある情報の提供: 惜しみなく知識を共有し、真の価値を届ける
- ストーリーテリングの活用: 感情に訴えかけ、共感を得る
- 段階的なコンテンツ提供: チャンス、変化、所有の体験を順に提示する
- 一貫性のあるメッセージング: 3つのPLCを通じて統一されたブランディング
PLCの実践ポイント:
- 動画コンテンツの積極的な活用
- オーディエンスの深い理解と共感
- シンプルで分かりやすい表現
- 具体的なアクションの促進
- 継続的な改善とフィードバックの反映
PLCで期待できること:
- 信頼関係の構築: 見込み客があなたをエキスパートとして認識
- エンゲージメントの向上: コメント、シェア、フォローの増加
- リストの質の向上: 本当に興味のある見込み客の絞り込み
- セールスの容易化: 商品発売時の自然な流れの創出
- 長期的な関係性の構築: リピート顧客やブランド支持者の獲得
PLCを作るのは、一見すると手間がかかるように思えるかもしれません。けれども、先に役に立つ情報を届けておくと、販売を始めたときに、売り込まなくてもご案内を聞いてもらいやすくなります。
さらに、PLCで提供した価値あるコンテンツは、長期的な資産となります。YouTube動画やブログ記事として公開されたPLCは、販売が終わったあとも残り、新しい見込み客があなたを知るきっかけにもなります。
PLCは、一度きりの販売のためだけのものではなく、見込み客に価値を届け続けるための土台にもなります。
まずは、届けたい相手が何に困っているかを聞き、1本目のテーマを決めるところから始めてみてください。
次のステップ:はじめてPLCを作る順番
最後に、はじめてPLCを作るときの順番をまとめます。
- 誰の、どんな悩みを解決する商品かを決める:まだ商品が決まっていなければ、先に決めます。
- 届ける相手がいるかを確かめる:PLCを届けるメールのリストやSNSのフォロワーがまだ少なければ、先に無料の発信や広告で集めます。
- PLC1の前に、質問を集める(プリ・プリローンチ):「近く、○○についての無料動画をお届けします。○○で困っていることを教えてください」と、リストに短いメールを1通送ります。届いた質問は、3本の中身に生かします。
- 3本のテーマを1行ずつ書く:パン講座の例文なら、PLC1=発酵の温度を見直したらふくらみ方が変わった話(チャンス)、PLC2=こね上がりの見分け方を一緒にやる回(変化)、PLC3=講座に入ったあとの1週間の流れと、ご案内を始める日の予告(所有の体験)。
- 公開の日と、販売の期間・締切を決める:3本は6〜10日ほどで届け、販売の期間はふつう5〜7日です。締切は、本当に守れる日にします。販売ページと申し込みの画面も、販売を始める日までに用意します。
- 手持ちの道具で撮る・書く:スマートフォンやウェブカメラで十分です。公開の前に、友人や少人数に見てもらいます。
- 公開して質問に答え、終わったら振り返る:コメントやメールの返信で届いた質問には、次の回や販売のページで答えます。終わったら、どの回がよく見られたか、どこで見るのをやめた人が多かったかを確かめ、次のローンチに生かします。
実践のためのヒント:
- 小さく始める: 完璧を求めすぎずに、まずは行動に移すことが重要です。
- 一貫性を保つ: 定期的にコンテンツを提供し、オーディエンスの期待に応えましょう。
- 柔軟性を持つ: フィードバックに基づいて戦略を柔軟に調整する姿勢が大切です。
- 楽しむ: PLCの制作と公開を、学びと成長の機会として楽しんでください。
一つずつ試していくことで、PLCづくりは少しずつ上達していきます。
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動画は2018年12月の公開です。説明文では、3つの流れを、チャンス(オポチュニティー)、変化(トランスフォーメーション)、所有の体験(オーナーシップエクスペリエンス)として紹介しています。
この記事のプロダクトローンチの流れとPLCの説明は、2026年9月25日に、ジェフ・ウォーカー氏の公式サイト(The Four Key Steps Behind My Product Launch Process)、著書『Launch』の書誌と日本語版『ザ・ローンチ2.0』の目次、筆者のYouTube動画の説明文で確認したものです。締切やお客様の声の表示の決まりは、同じ日に、消費者庁の資料(価格表示のガイドライン・将来の販売価格との比較についての執行方針・措置命令・景品の決まり・通信販売の申込み段階の表示のガイドライン・打消し表示の報告書・ステルスマーケティングの説明)で確認しました。法律やガイドラインは変わることがありますので、最新の公式の案内もあわせてご確認ください。
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