
鳴り物入りで登場した最新AI、ChatGPT-5。しかし、本当にビジネスの現場で「最も使える」ツールなのでしょうか?この記事では、マーケティングのプロである筆者が、広告文作成やウェブサイト制作といった実務でChatGPT-5をGoogleのGeminiやClaudeなど主要AIと徹底比較。その結果見えてきた、意外な実力差と、あなたのビジネスを本当に加速させる「AIの最適解」を、忖度なしの本音でレポートします。「どのAIを選べばいいか分からない」と悩んでいるなら、必見です。
ついに公開されたChatGPT-5!でも、本当に「最高」のAIですか?

2025年8月、待望のChatGPT-5がついに公開されましたね。あなたも早速、新しいモデルを試してみましたか?
世界中が注目する最新AIの登場に、「これで仕事がもっと楽になる!」「一体どんなすごいことができるんだろう?」と、期待に胸を膨らませた方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、普段からClaudeやGeminiなど様々なAIをビジネスに活用している一人として、大きな期待を寄せていました。
しかし、この1週間、マーケティングやセールスの現場で徹底的に使い倒してみて感じたのは、「最新モデルが、必ずしもあなたのビジネスにとって最高のツールとは限らない」という、少し意外な結論でした。
AIツールが次々と登場する中で、「結局どれを使えばいいの?」と混乱してしまったり、情報収集だけで疲れてしまったりしていませんか?
この記事では、そんなあなたのために、私が普段行っている広告文の作成やウェブサイト制作といった具体的な業務を通して、ChatGPT-5を他の主要AIモデルと徹底比較。それぞれの得意なこと、苦手なことを、忖度なしの本音でレビューしていきます。
この記事を読み終える頃には、あなたは自分のビジネスに本当に役立つAIはどれなのか、明確な答えを手にしているはずです。
【結論から言うと】今のところ「Gemini」が頭一つ抜けています
さて、いきなり結論からお伝えしてしまいますね。
様々なタスクを試した結果、特に広告文やセールスサイトの作成といったマーケティング目的で使うなら、現状はGoogleの「Gemini 2.5 Pro」が頭一つ抜けている、というのが私の正直な感想です。(あくまで私の用途における感想です。使い方や目的によってもその評価は異なるでしょう。)
もちろん、これはChatGPT-5が全く使えない、という意味ではありません。ただ、「手放しで絶賛できるか?」と聞かれれば、正直「うーん…」と唸ってしまう部分があるのも事実。海外の専門家の間でも賛否が分かれているくらいですからね。
なぜ、私がそう感じたのか。そして、なぜGeminiを推すのか。
その理由を、これから具体的な比較データとともにお見せしていきます。AIが生成したリアルな広告文やウェブサイトのデザインを見れば、きっとあなたにも納得していただけるはずです。
実践比較①:広告文から見る各AIの「個性」と「実力」

論より証拠。まずは、私が普段からよくAIに依頼する「Meta広告(Facebook広告)の文章作成」を同じ条件でやらせてみて、その結果を比較してみましょう。
今回、私の電子書籍を宣伝するための広告文を、以下の主要AIモデルに作成してもらいました。
- ChatGPT-5 (OpenAI)
- Claude Sonnet 4 (Anthropic)
- Gemini 2.5 Pro (Google)
- Grok 4 (xAI)
- Qwen3-235B-A22B-2507 (Alibaba)
プロンプト(指示文)は、全モデルまったく同じものを使用しています。さあ、どのような違いが見られたのでしょうか。
ChatGPT-5:「普通」だけど、ちょっと物足りない?

まず、主役のChatGPT-5から見ていきましょう。
生成された広告文は、決して悪くはありません。広告として普通に使えるレベルではあります。ただ、以前のモデルであるGPT-4oと比べて、劇的に良くなったという印象は正直ありませんでした。
むしろ、少しシンプルすぎて、読者の心をグッと掴むにはパンチが弱いかな、という印象です。

ちなみに、ChatGPT-5には思考の深さを選ぶモードがあり、「Thinking Mini」という少し考えてから回答するモードを使うと、「作業がグッと楽になる」のような擬音語が使われたり、少し自然な日本語になったりする傾向がありました。

もしChatGPT-5を試してみて「なんだかイマイチだな」と感じたら、この「Thinking Mini」モードを試してみると、少し違った結果が得られるかもしれません。
Thinkingだとかなり思考時間が長くなる(数分程度)傾向があるため、スピードと性能のバランスを取る上では、Thinking miniモードがベストかもしれません。
Claude Sonnet 4:長文でしっかり説得したいならアリ

次に、Claudeです。
Claudeは、ChatGPT-5に比べてより長く、詳細な文章を書いてくれる傾向があります。
「この電子書籍で、あなたはこんな未来を手に入れられますよ」といったベネフィット(顧客にとっての価値)を、様々な角度から丁寧に説明してくれるので、しっかりと情報を伝えて納得してもらいたい場合には非常に有効です。

私が最近流しているMeta広告のキャンペーンにおいては、短い広告文より、少し長めでも誠実に商品の価値を伝える文章の方が、結果的にコンバージョン(成約)に繋がることが多いです。そういった意味で、Claudeが生成する文章は、マーケティングの現場でかなり頼りになる存在だと感じます。
Gemini 2.5 Pro:思わず読み進めてしまう「人間味」が魅力

さて、私が今回最も高く評価したのが、GoogleのGeminiです。
Geminiの強みは、なんと言ってもその「人間味」あふれる切り口の上手さにあります。
例えば、
「AIの情報、追いかけるだけで疲れちゃいませんか?」
「え、まだ全部手作業でやってるんですか?」
といった、読者に直接語りかけるような、ドキッとする言葉から文章を始めるのが非常にうまい。絵文字の使い方も自然で、思わず目に留まり、続きを読む気にさせられます。

これは、Googleが検索エンジンやGmailなどで膨大な日本語データを学習しているからこそなせる技なのかもしれません。堅苦しくなりすぎず、それでいて的確にこちらの意図を汲み取ってくれる。まるで優秀な人間のコピーライターと一緒に仕事をしているような感覚にさせてくれます。
Grok 4やQwen3も意外と健闘

その他のAI、Xの「Grok 4」や中国製の「Qwen3」も、なかなかの実力を見せてくれました。

特にQwen3は、「AIで楽して稼ぐ系の広告、うざくないですか?私もウザいと思ってます」といった、非常に率直でユニークな切り口の文章を提案してきて、思わず笑ってしまいました。少し日本語に怪しい部分はありますが、他とは違う広告を作りたいときには、面白いアイデアをくれるかもしれません。

正直なところ、広告文に関しては、これらGrokやQwenもChatGPT-5より良い仕事をしてくれた、というのが私の感想です。
なぜ、ChatGPT-5は「普通」なのか?
では、なぜ最新のはずのChatGPT-5が、他のAIに比べて少し見劣りするような結果になったのでしょうか。
これはあくまで推測ですが、ChatGPTが抱える圧倒的なユーザー数が関係しているのかもしれません。
7億人とも言われるユーザー全員に最高の性能を提供しようとすると、莫大なコストがかかってしまいます。そのため、OpenAI社がコストを抑えるために、意図的に性能を少しセーブしているのではないか、と見る専門家もいるようです。
もちろん真偽は分かりませんが、ライバルであるGoogleやAnthropicが猛追してきている中で、ChatGPTが今後どのような進化を遂げるのか、引き続き注目していきたいところです。
実践比較②:売れる販売サイト(LP)作成でAIの真価を問う

さて、次はもっと難易度を上げて、商品の販売サイト(ランディングページ)の作成をAIに任せてみましょう。
単に文章を書くだけでなく、その内容を元にウェブサイトのデザインまで含めてHTMLコードで出力してもらう、という実践的なテストです。文章力とコーディング能力の両方が問われます。
ここでも、ChatGPT-5、Claude Sonnet 4、Gemini 2.5 Proに同じプロンプトで競ってもらいました。
ChatGPT-5:見た目は良いが、セールスには不向き?

ChatGPT-5は、最近のWebデザインのトレンドを意識した、2カラム構成のおしゃれなサイトを生成してくれました。
AIツールやオンライン講座の紹介ページとしては、これはこれでアリかもしれません。

しかし、私が意図していたような、商品の魅力をじっくりと伝え、読者の購買意欲を高めていく縦長のセールスレターとは少し方向性が違います。文章も各パートが短く、全体的にシンプルすぎるため、これだけで商品を売るのは少し難しそうです。
見た目は良いのですが、セールスという目的においては、少し物足りない結果となりました。
Claude:文章は良いが、デザインが惜しい!

Claudeは、私の意図を汲み取り、しっかりとした長文のセールスレターを書き上げてくれました。文章のクオリティはChatGPT-5よりも一枚上手だと感じます。
生成されたサイトには、カウントダウンタイマーやボタンのアニメーションなど、読者の注意を引くための細かい工夫も見られました。

ただ、デザインの詰めが少し甘いのが残念なポイント。余白のバランスが悪かったり、要素の配置がズレていたりと、そのまま公開するには少し手直しが必要です。ポテンシャルは高いだけに、非常にもったいないと感じました。
Gemini:文章もデザインも「即戦力」レベル

そして、この比較でも最も優れた結果を出してくれたのがGeminiでした。
まず、キャッチコピーが秀逸です。
「AIに喋るだけであなたの知識が売れる本に変わる。もう執筆で挫折しない。」
読者が思わず「何のことだろう?」と読み進めたくなる、非常に強力なコピーだと思いませんか?
サイトの構成も、私がこれまで成果を上げてきたセールスレターの形に非常に近く、動画を埋め込むスペースや、お客様の声を掲載する欄など、「売る」ために必要な要素がしっかりと盛り込まれています。

デザインもインパクトがあり、このまま少し手直しするだけですぐに公開できるレベルです。文章力、構成力、デザイン力を総合的に判断して、販売サイト作成においてはGeminiが圧倒的だと言えるでしょう。
Grok-4とQwen3は?
このお題の場合は、Grok-4とQwen3はイマイチな結果となりました。以下が実際にそれぞれのAIが作ってくれたサイトの一部です。


というように、ウェブサイト作成の場合は、個人的な感想としては、Geminiが圧倒的にベストだと感じます。(あくまで私個人の意見です。)
もちろんChatGPT-5が「使えない子」というわけではない
ここまで、少しChatGPT-5に厳しい評価を下してきました。しかし、誤解しないでいただきたいのは、ChatGPT-5が全ての面で他のAIに劣っているわけではない、ということです。
AIには、それぞれ得意なことと苦手なことがあります。大切なのは、その特性を理解し、「適材適所」で使い分けることです。

例えば、日本語のテキストが入ったバナー画像の生成。これに関しては、依然としてChatGPT-5(GPT-image-1)が最も得意としています。他のAIだと、まだ日本語が不自然になったり、文字化けしたりすることが多いのが現状です。
また、短い文章で要点をまとめるのが得意なので、日々のメルマガ作成などでは、ChatGPT-5も非常に良い仕事をしてくれます。

決して「ChatGPT-5はもう古い」と切り捨てるのではなく、「この作業はGeminiが得意だから任せよう」「画像作成ならChatGPT-5だな」というように、それぞれの強みを活かしてあげるのが、AIを賢く使いこなすコツだと言えるでしょう。
まとめ:あなたのビジネスを加速させる、最適なAIツールの選び方

さて、今回は新しく登場したChatGPT-5を中心に、主要なAIツールを徹底的に比較してきました。
今回の検証結果をまとめると、以下のようになります。
- 総合力(特にマーケティング)で選ぶなら → Gemini 2.5 Pro
- 人を惹きつける文章力と、そのまま使えるレベルのサイト作成能力が魅力。
- 長文でじっくり説得したいなら → Claude Sonnet 4
- 丁寧で詳細な文章作成が得意。デザインは少し手直しが必要。
- アイデアの壁打ちや画像生成なら → ChatGPT-5
- シンプルで分かりやすい文章や、日本語バナー画像の作成はお手の物。
- ユニークな切り口が欲しいなら → Grok, Qwen
- 他とは違う、少し尖ったアイデアをくれる可能性あり。
- 他とは違う、少し尖ったアイデアをくれる可能性あり。
もちろん、これはあくまで現時点での私の評価であり、AIの世界は日進月歩です。数ヶ月後には、また勢力図が大きく変わっているかもしれません。
大切なのは、「〇〇が一番良いらしい」という情報を鵜呑みにするのではなく、あなた自身の目で試し、自分のビジネスに最適なツールを見つけ出すことです。
「でも、有料のAIを色々試すのはちょっと…」と感じる方もいるかもしれませんね。
そんなあなたに朗報です。今回、最も高い評価をつけたGeminiの最新モデルは、Googleが無料で提供している「Google AI Studio」で試すことができます。
Google AI Studioはこちら
まずはこの無料ツールから、AIがあなたのビジネスをどれだけ助けてくれるのか、その可能性を体感してみてはいかがでしょうか。
この記事が、あなたがAIという強力な相棒と共に、ビジネスをさらに飛躍させるための一助となれば幸いです。
OpenAIのChatGPT-5公式ページはこちら
https://openai.com/ja-JP/gpt-5