
2025年11月19日、Googleは新たなAIモデル「Gemini 3 Pro」をリリースしました。AIの世界は日々進化しており、新しいモデルが登場するたびに「今度のAIはどれくらい賢くなったのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。特に、日々の業務やクリエイティブな作業にAIを活用しているあなたにとって、その性能は直接的に生産性に関わる重要な問題です。
そこで今回は、リリースされたばかりのGemini 3 Proを実際に使い倒し、その実力を徹底的にレビューしていきます。広告コピーの作成から、ランディングページ(LP)やウェブサイトの構築、さらにはビデオセールスレター(VSL)のスライド作成や画像生成まで、多角的な視点からその能力を検証しました。この記事を読めば、Gemini 3 Proがあなたの仕事のパートナーになり得るのか、その答えが見つかるはずです。

- 1 Gemini 3 Proにアクセスする2つの方法
- 2 インターフェースの進化:より初心者にも優しく
- 3 Gemini 3 Proの基本性能:広告コピー作成で実力を測る
- 4 ランディングページ(LP)作成:デザインとコーディングの質は向上したか?
- 5 セールスレターとサイト制作:より実践的なコンテンツ生成能力
- 6 VSL(ビデオセールスレター)とスライド作成:期待と現実
- 7 動画からのブログ記事作成:Gemini 3 Proの限界
- 8 画像生成機能の実力は?
- 9 Gemini 3 Proの総合評価:得意分野と不得意分野
- 10 まとめ:Gemini 3 Proを使いこなすためのポイント
- 11 この記事の解説動画はこちら
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Gemini 3 Proにアクセスする2つの方法
Gemini 3 Proを使い始める前に、まずアクセス方法を確認しておきましょう。実は、Gemini 3 Proには2つのアクセス方法があり、それぞれに特徴があります。
Gemini公式Webアプリ(有料プラン)
一つ目は、Geminiの公式Webアプリです。こちらは、直感的なインターフェースで使いやすく、「Canvas」機能を使えばリアルタイムでコードをプレビューしながらウェブサイトを構築できるという大きなメリットがあります。ただし、思考モード(Thinking Mode)を使用するには、Gemini Proプランへの課金が必要です。月額料金を支払う必要があるため、本格的にGeminiを活用したい方向けと言えるでしょう。

Google AI Studio(無料)

もう一つは、Google AI Studioです。こちらは完全無料で「Gemini 3 Pro Preview」を利用できるのが最大の魅力です。Googleに課金したくない方や、まずは試してみたいという方には最適な選択肢です。ただし、Canvas機能のような便利なツールは搭載されていないため、使い勝手の面では公式アプリに劣ります。それでも、基本的な性能は同じモデルを使用しているため、文章生成やコード生成といったコアな機能は十分に活用できます。
今回のレビューでは、この2つの方法を並行して使用し、それぞれの特徴も確認しながら検証を進めていきました。
インターフェースの進化:より初心者にも優しく
Gemini 3 Proでは、インターフェースにも改良が加えられています。以前のバージョンでは「Gemini 2.5 Pro」といったモデル名が前面に出ていましたが、新しいバージョンではモデル名の表記が控えめになり、代わりに機能が強調されるようになりました。
具体的には、「Fast(すぐに回答)」と「Thinking(思考モード:複雑なトピックにも対応する高度な思考力)」という、わかりやすい日本語表記が採用されています。これにより、AIに詳しくない初心者でも、どのモードを選べばいいのか直感的に理解できるようになりました。ちなみに、英語表記では「Fast」と「Thinking」となっており、以前のChatGPTにおける「Reasoning(推論)」よりも、よりわかりやすい表現になっていると感じます。

使い分けのポイントは以下の通りです。
- Fastモード: ネット検索、翻訳、簡単な質問への回答など、スピード重視のタスクに適しています。頭を使わない、サクッと答えが欲しいときに便利です。
- Thinkingモード(思考モード): 広告文章、セールスコピー、メルマガ、ブログ記事など、クリエイティブで深い思考が求められる文章作成に最適です。仕事で実際に使うような、質の高いアウトプットが必要な場面で真価を発揮します。
今回のレビューでは、主に「Thinkingモード」を使用して、その実力を測っていきます。
Gemini 3 Proの基本性能:広告コピー作成で実力を測る
まずは基本性能をチェックするために、Gemini 3 Proに広告コピーを作成させてみました。AIにとって文章生成は得意分野の一つですが、その品質はモデルによって大きく異なります。果たして、Gemini 3 Proはどれほど「使える」コピーを生み出してくれるのでしょうか。
広告コピー生成のプロンプト
今回は、AIツールに関する広告コピーの作成を依頼しました。同じプロンプトをGemini公式アプリとGoogle AI Studioの両方に送り、出力の違いも確認していきます。プロンプトには、ターゲット層や訴求ポイントなど、広告に必要な情報を盛り込みました。
思考プロセスが見える
プロンプトを送信すると、Gemini 3 Proは「思考中」という表示を出し、じっくりと考えてから文章を生成し始めます。この思考プロセスが可視化されるのは、Gemini 2.5 Proの時とあまり変わりませんが、より深く、しっかりと考えている印象を受けました。単に文章を吐き出すのではなく、戦略的に考えてから書き始めているのです。

生成された広告コピーの品質は?
しばらく待つと、広告コピーの設計意図から始まり、見出し文章10パターン、短いメインテキスト5パターン、そして長いメインテキスト5パターンが生成されました。
見出し文章に関しては、比較的シンプルなものが多く、Gemini 2.5 Proの時とそこまで大きな変化は感じられませんでした。しかし、短いメインテキストや長いメインテキストの質は明らかに向上しています。どれも「このまま普通に使える」レベルの広告文章でした。

特に秀逸だったのは、以下のようなパターンです。
- パターン1:王道の問題解決型 「AIツール、便利そうだけど種類が多すぎて結局どれを使えばいいの?そんな風に悩んで貴重な時間やお金を無駄にしていませんか?」という、ターゲットの悩みに寄り添う導入。
- パターン3:ストーリー型 「正直に言います。私も最初はAIツールなんてどれも同じでしょうと思っていました」という、共感を呼ぶ語り口。この「正直に言います」というフレーズは、SNS広告でよく見かける効果的なテクニックです。
- パターン4:機能ベネフィット訴求型 「もっと楽に、もっと早く仕事を終わらせたいと思ったことはありませんか?」という、ベネフィットを直接的に訴求するアプローチ。
- パターン5:スクロールストッパー型 「注意!AIツールにお金を使うのは、これを読んでからにしてください」という、思わずスクロールを止めてしまうような強いフック。
これらのコピーは、単に情報を並べるだけでなく、読者の感情に訴えかける文章作成能力が格段に向上していることを示しています。Gemini 2.5 Proの時点でもかなりの品質でしたが、Gemini 3 Proでは、より「人間らしい」ドキッとするような表現が増え、実用レベルで確実に進化していると感じました。
Google AI Studioでの結果も同様に高品質
Google AI Studioで同じプロンプトを試したところ、こちらも同様に高品質な広告コピーが生成されました。基本的に同じモデルを使用しているため、大きな性能差はありません。つまり、無料でこのレベルのコピーライティングが可能ということです。Googleに課金したくない方は、Google AI Studioを活用するのも十分にアリだと言えるでしょう。

ランディングページ(LP)作成:デザインとコーディングの質は向上したか?
広告コピーの生成で高い能力を見せたGemini 3 Proですが、次はより複雑なタスクに挑戦します。それは、ランディングページ(LP)の作成です。文章だけでなく、デザインやコーディングといった、より高度なスキルが求められる領域で、Gemini 3 Proはどこまで通用するのでしょうか。
12万文字の原稿を読み込ませる
今回は、私が執筆した「AIツール大全」という電子書籍の原稿(約12万文字)をGemini 3 Proに読み込ませ、その内容に基づいたオプトインページ(メールアドレス登録ページ)の作成を依頼しました。大量のテキストデータを理解し、それを元に魅力的なLPを生成できるかどうかが試されます。
キャッチコピーのキレが向上
Gemini 3 Proは、思考モードでじっくりと原稿を分析した後、オプトインページの原稿を書き始めました。そして生成されたキャッチコピーは、以下のようなものでした。
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「どのAIを使えばいいの?」という迷いが、この一冊で確信に変わります
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このキャッチコピーを見て、まず感じたのは「キレが上がった」ということです。ターゲットの悩み(どのAIを使えばいいかわからない)を明確に捉え、それを解決できることを端的に伝えています。さらに、「迷い」が「確信」に変わるという、感情の変化を言語化している点も秀逸です。以前のモデルよりも、明らかにコピーライティングの質が向上していると感じました。

全体的な文章も、特に突っ込みどころがなく、「普通に使える」レベルです。もちろん、細かい調整は必要ですが、土台としては十分すぎるクオリティでした。
Google AI Studioとの比較
一方、Google AI Studioで生成されたキャッチコピーは、「2025年最新版 100個以上のAIツールを徹底検証した答え合わせ。あなたのビジネスを加速させる正解があります」というものでした。
正直なところ、「あなたのビジネスを加速させる正解があります」というフレーズは、少し抽象的で弱い印象を受けました。この点では、Gemini公式アプリで生成された「迷いが確信に変わる」というコピーの方が、より具体的で魅力的だと感じます。ただし、これは生成のたびに変わる可能性もあるため、何度か試してみて、最も良いものを選ぶという使い方が有効でしょう。
ウェブサイト化とデザインのクオリティ
次に、この文章を元に、実際のウェブサイトを作成してもらいます。ここで活躍するのが、Gemini公式アプリの「Canvas」機能です。「このページをウェブサイト化してください。最近のAIトレンドに合わせた未来的なおしゃれなイメージで」というプロンプトを送り、Canvasをオンにして実行しました。

しばらく待つと、右側のCanvasエリアにリアルタイムでコードが書き込まれ、ウェブサイトが構築されていきます。そして完成したLPを見て、私は驚きました。デザインとコーディングのクオリティが劇的に向上していたのです。

完成したLPは、近未来的でおしゃれなデザインで、電子書籍の表紙画像が立体的に浮き上がるような演出まで施されていました。マウスをホバーすると、画像がふわっと動いたり、ボタンが拡大したりといった、インタラクティブな要素も自然に組み込まれています。これは、Gemini 2.5 Proの時代には見られなかった進化です。
アイコンの選定も適切で、内容に合わせたカラフルなアイコンが各セクションに配置されています。もちろん、プロンプトに記載されていた「2025年6月」といった古い日付は修正が必要ですし、顔写真などの画像は自分でアップロードする必要があります。しかし、ゼロからここまでのクオリティのものが数分で出来上がるのは、驚異的としか言いようがありません。
Google AI Studioでも高品質なLPが生成可能
Google AI StudioにもCanvas機能に相当するものはありませんが、HTMLファイルをダウンロードしてブラウザで開くことで、生成されたウェブサイトを確認できます。実際に試してみたところ、こちらも非常に高品質なLPが生成されました。

色使いは若干異なり、Gemini公式アプリよりも紫っぽいカラーリングでしたが、これはこれでかっこいいデザインです。自分で作成した電子書籍の表紙画像に差し替えることもできますし、このままでも十分に反応が得られそうなランディングページだと感じました。
結論として、LPの作成に関しては、Gemini 3 Proは非常に強力なツールであると言えます。デザインやコーディングの知識がなくても、プロンプト一つでここまでのクオリティのものが作れてしまうのです。
セールスレターとサイト制作:より実践的なコンテンツ生成能力
LPの作成で見せた高い能力を確認した後、さらに実践的なタスクに挑戦します。それは、私のオンライン講座「AIブックライティングマスタークラス」のセールスレター作成と、それに基づいたセールスページの制作です。
セールスレター作成のプロセス
まず、Gemini 3 Proに講座の内容や特徴、ターゲット層などを詳細に伝え、セールスレターの作成を依頼しました。すると、Gemini 3 Proは「プロンプトの内容を理解しました。セールスレターを執筆してもよろしいでしょうか?」と確認を求めてきました。
ここで、私は「まずキャッチコピーと全体の構成案を先に考えてください」と指示しました。いきなり本文を書かせるのではなく、方向性を確認しながら段階的に進めることで、より質の高いアウトプットを得ることができます。

心を掴むセールスコピー
そして生成されたキャッチコピーは、以下のようなものでした。
週末のたった2日間で、あなたの知識が一冊の本に変わります。
キーボードを叩く必要すらありません。
ただスマホに向かって、あなたの得意分野を話すだけ。
Googleの最新AI「Gemini」と私の音声収録テンプレートを使って、見込み客から「先生、教えてください」と頼まれる”著者”というポジションを、今すぐ手に入れませんか?

このキャッチコピーは、非常に秀逸です。ターゲットの願望(本を出版したい)と悩み(時間がない、文章を書くのが苦手)を的確に捉え、それを解決できることを具体的に伝えています。「キーボードを叩く必要すらありません」という表現は、文章作成の苦手意識を持つ人にとって、非常に魅力的に響くはずです。さらに、「”先生”と呼ばれる著者というポジション」という、感情に訴えかける表現も効果的です。
正直なところ、文句のつけどころがほとんどないレベルのコピーだと感じました。
Google AI Studioでの結果

Google AI Studioでも同様にセールスレターの作成を依頼したところ、こちらは3つのヘッドラインを提案してくれました。
- ヘッドライン1: 警告!もう一文字も自分で文章を書かないでください
- ヘッドライン2: 本を出したいけど時間がない…そんな悩みは今日で終わりです
- ヘッドライン3: 期間限定!通常22万円で販売している書籍販売の設計図を無料で受け取り、あなたの知識を週末2日間で売れる書籍に変えませんか?
ヘッドライン1と2は悪くありませんが、ヘッドライン3の「22万円の特典を無料で」という表現は、少し微妙だと感じました。あまりにも典型的な煽り文句で、かえって信頼性を損なう可能性があります。この点では、Gemini公式アプリで生成されたキャッチコピーの方が、より洗練されていると言えるでしょう。
動的で魅力的なセールスページ
次に、このセールスレターを元にウェブサイト化を指示しました。ただし、ここで一つ失敗がありました。最初、Canvasボタンをオンにし忘れたため、ただのチャットでコードが出力されてしまったのです。そこで、「キャンバスで表示してください」と追加で指示したところ、Canvasモードに切り替わり、ウェブサイトが構築されました。

完成したセールスページは、LP以上に洗練されたデザインでした。ボタンがキラキラと光ったり、マウスを乗せると大きくなったりといった、ユーザーの目を引く動的な要素が盛り込まれています。こうした細かい演出は、コンバージョン率にも影響を与える重要な要素です。

もちろん、講座の内容を説明する画像や動画を追加すれば、さらにインパクトのあるセールスページになるでしょう。しかし、この時点でも、Gemini 2.5 Proよりも確実にレベルアップしていることが実感できました。デザイン面だけでなく、マーケティング的な観点からもサイトを構築できる能力が備わっていることが伺えます。
Google AI Studioでも同様に高品質
Google AI Studioで生成されたセールスページも、同様に高品質でした。動画のプレースホルダーなども配置されており、画像や動画を埋め込むことで、よりインパクトのあるページに仕上がります。

結論として、セールスページの作成においても、Gemini 3 Proは非常に優秀です。文章からデザイン、コーディング、そしてマーケティング的な要素まで、トータルで高いレベルのアウトプットを提供してくれます。
VSL(ビデオセールスレター)とスライド作成:期待と現実

ウェブサイト制作で見せた高い能力から、ビデオセールスレター(VSL)の原稿とスライド作成にも期待が高まります。VSLは、動画で商品をセールスする手法で、スライドとナレーションで構成されます。果たして、Gemini 3 ProはVSL制作においても力を発揮してくれるのでしょうか。
VSL原稿の品質は上々
まず、VSLの原稿作成を依頼しました。講座の内容や特徴を伝え、ターゲット層の悩みに寄り添うようなストーリー構成を指示します。すると、Gemini 3 Proは以下のような導入部分を生成しました。
あなた、今、2025年のビジネスが思ったように進んでいないと焦っていませんか?
もしあなたが、今年こそは結果を出したい、2026年に向けて大きく飛躍したいと本気で願うなら、このビデオを必ず最後までご覧ください。
実は、たった一つのことを実践するだけで、あなたのビジネスは劇的に変わる可能性があるからです。それには特別な才能や資金が必要なことではありません。
この導入は、視聴者の悩みに寄り添い、興味を引く「フック」として機能しています。年号が入っているのは、期間限定感を演出する上では効果的ですが、来年以降も使いたい場合は修正が必要です。しかし、全体的な構成は非常に優れています。
その後、自己紹介、ストーリー(書籍を書いてきた経験、AIの登場によって楽になった話)、解決策の提示(講座の案内)、そして行動喚起(特別価格での販売)へと続く、王道の構成を完璧に踏襲していました。このままナレーションとして使えるレベルの原稿です。

Google AI Studioで生成されたVSL原稿も、同様に高品質でした。「突然ですが、あなたに一つ質問があります」という導入から始まり、視聴者の興味を引きつける構成になっています。
スライド作成には課題も
しかし、この原稿を元にスライドを作成させようとしたところ、問題が発生しました。Gemini 3 Proに「以下の台本をスライドにしてください」と依頼したところ、しばらく考えた後、「100枚以上のスライドを作成するのは難しい」というエラーメッセージが表示され、生成できたのはわずか16枚でした。

以前のGemini 2.5 Proでも、長いスライドの生成は不安定でした。100枚以上のスライドを作成できた時もありましたが、その場合はスライドのエクスポートができなかったり、動作が不安定だったりと、実用的ではありませんでした。Gemini 3 Proでもこの点はまだ改善されていないようです。
16枚程度の短いプレゼンテーションであれば問題なく作成できるため、ビジネスプレゼンなどには使えるかもしれません。しかし、100枚を超えるような長尺のVSLスライドを作成するには、現状では力不足だと言わざるを得ません。
HTML形式なら長尺スライドも可能
ただし、興味深いことに、Google AI Studioで「HTMLを使ってスライドを作成してください」と指示したところ、100ページを超えるVSLスライドをHTML形式で生成することに成功しました。

左右の矢印キーでページをめくれる簡易的なスライドショーで、ナビゲーションボタンが表示されてしまうという問題はありますが、編集で何とかできるレベルです。この方法を使えば、長いVSLも作成可能です。
しかし、Geminiの公式アプリでは、この方法でも安定性に欠けるのが現状です。スライド作成に関しては、AIエージェントツールである「GenSpark」や「Manus」に軍配が上がると言えるでしょう。これらのツールは、スライド作成も得意ですので、より安定した動作と高品質なアウトプットを提供してくれます。
動画からのブログ記事作成:Gemini 3 Proの限界
最後に、少し特殊なタスクを試してみました。それは、動画をアップロードし、その動画のスクリーンショットを切り抜いて、画像付きのブログ記事を作成してもらうというものです。
実は、私が普段使っている「Manus」というツールでは、この機能が非常に便利で、動画をアップロードするだけで、自動的にスクリーンショットを切り抜き、それを挿入したブログ記事を作成してくれます。これをそのままコピー&ペーストすれば、WordPressでブログ記事を投稿できるという優れものです。
しかし、Gemini 3 Proにこのタスクを依頼したところ、残念ながら実行できませんでした。Gemini 2.5 Proでもできなかったタスクですが、Gemini 3 Proでも改善されていないようです。動画の内容を理解して文章を生成することはできますが、動画から画像を切り抜いてブログ記事に挿入するという、複雑なタスクには対応していません。

この点に関しては、Manusのような専用ツールの方が圧倒的に優れていると言えます。大きな動画ファイルもアップロードでき、自動的にブログ記事を生成してくれるため、非常に効率的です。Gemini 3 Proは万能ではなく、得意・不得意があることを改めて認識させられました。
画像生成機能の実力は?
最後に、講座のイメージ画像の生成を試みました。Gemini 3 Proには、画像生成機能も搭載されており、ツールから「画像作成」をオンにすることで利用できます。文章やコード生成で高い能力を見せたGemini 3 Proですが、画像生成能力はどうでしょうか。
生成された画像のクオリティ
実際に「講座のイメージ画像を作成してください」と依頼し、生成された画像を確認したところ、正直なところ「まだ発展途上」という印象を受けました。生成された画像は、どこか不自然で、細部のクオリティが低いものでした。

Geminiの画像生成には「Nano Banana」というモデルが使われていますが、今後「Nano Banana 2」がリリースされる可能性もあります。ただ、特に日本語の文字入りのバナー画像や商品画像を作らせると、ChatGPTの画像生成モデル(GPT-image-1)のほうが優れていると感じます。画像生成に関しては、今後のアップデートに期待したいところです。
Gemini 3 Proの総合評価:得意分野と不得意分野
ここまで、Gemini 3 Proをさまざまな角度から徹底的にレビューしてきました。最後に、その得意分野と不得意分野を整理し、総合的な評価をまとめたいと思います。
得意なこと
Gemini 3 Proが特に優れているのは、以下の分野です。
- 文章生成(広告コピー、セールスレター、ブログ記事など): 読者の感情に訴えかける、人間らしい高品質な文章を生成できる。ターゲットの悩みに寄り添い、行動を促す力強いメッセージを作り上げる能力は、Gemini 2.5 Proから大きく進化している。
- ウェブサイト制作(LP、セールスページ): デザインとコーディングのクオリティが劇的に向上し、動的な要素も取り入れた魅力的なサイトを短時間で構築できる。Canvas機能を使えば、リアルタイムでプレビューしながら作業できるため、非常に効率的。
- マーケティング的な思考: 単に見た目が良いだけでなく、コンバージョン率を意識した設計ができる。ボタンの配置やアニメーション、色使いなど、細部にまでマーケティング的な配慮が感じられる。
不得意なこと
一方で、Gemini 3 Proが苦手とするのは、以下の分野です。
- 長尺のスライド作成: 100枚を超えるようなスライドの生成は不安定で、現状では実用的とは言えない。HTML形式であれば可能だが、専用ツール(GenSpark、Manus)の方が優れている。
- 画像生成: 他の主要な画像生成AI(ChatGPT)と比較すると、日本語の文字入りの画像生成のクオリティで見劣りする。今後のアップデートに期待。
- 動画からのコンテンツ生成: 動画をアップロードして、スクリーンショットを切り抜いたブログ記事を作成するといった、複雑なタスクには対応していない。この分野では、Manusのような専用ツールが圧倒的に優れている。
総合評価:サイト制作のゲームチェンジャー
結論として、Gemini 3 Proは、特にウェブサイト制作の分野において、これまでの常識を覆すほどの強力なツールであると言えます。デザインやコーディングの知識がなくても、プロンプト一つで高品質なサイトの土台が作れてしまう時代が到来したのです。
文章生成能力も非常に高く、広告コピーやセールスレターといった、ビジネスに直結するコンテンツを効率的に作成できます。一方で、スライド作成や画像生成といった分野ではまだ課題も残ります。
AIは万能ではありません。それぞれのツールの得意・不得意を理解し、適材適所で使い分けることが、これからの時代に求められるスキルなのかもしれません。Gemini 3 Proは、あなたの仕事を大きく加速させる可能性を秘めたツールです。ぜひ実際に試し、その驚くべき進化を体感してみてください。
まとめ:Gemini 3 Proを使いこなすためのポイント
最後に、Gemini 3 Proを使いこなすためのポイントをまとめておきます。
- 思考モードを活用する: クリエイティブな文章作成やウェブサイト制作には、必ず「思考モード」を選択しましょう。じっくり考えてから生成されるアウトプットは、質が段違いです。
- 段階的にプロンプトを送る: いきなり完成形を求めるのではなく、「まずキャッチコピーを考えて」「次に構成案を作って」といったように、段階的に指示を出すことで、より質の高いアウトプットが得られます。
- Canvas機能を使う: Gemini公式アプリのCanvas機能は、ウェブサイト制作において非常に便利です。リアルタイムでプレビューしながら作業できるため、効率が大幅に向上します。
- 無料で試すならGoogle AI Studio: 課金したくない方は、Google AI Studioで「Gemini 3 Pro Preview」を無料で利用できます。基本的な性能は同じなので、まずはこちらで試してみるのも良いでしょう。
- 得意・不得意を理解する: Gemini 3 Proは、文章生成とウェブサイト制作に特に優れていますが、スライド作成や画像生成は他のツールの方が優れています。適材適所で使い分けることが重要です。
Gemini 3 Proは、あなたの仕事を大きく変える可能性を秘めたツールです。この記事を参考に、ぜひその力を最大限に引き出してください。AIを味方につけ、より創造的で生産的な仕事を実現していきましょう。
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