Black Forest Labの最新モデル「Flux.1 Kontext」で画像生成してみた

AIで画像を作ったものの、「背景だけ変えたいのに顔まで変わる…」ともどかしい思いをしたことはありませんか?本記事では、そんな悩みを解決する最新AI「Flux .1 Kontext」を徹底レビュー。生成した画像の一部だけを賢く編集できる驚きの機能や、Pro版とMax版の具体的な違い、そして多くの人が使うChatGPTとの使い分けまで、私自身が実際に試した結果を交えて分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたもAI画像生成のクオリティをもう一段階引き上げることができます。

目次

AIの画像生成、「なんか惜しい…」と感じていませんか?

AIで画像をサクッと作れるようになって、本当に便利な時代になりましたよね。ブログのアイキャッチ画像や、SNSの投稿に添える画像も、もう外注する必要はないかもしれません。

でも、実際に使っていると、こんな風に感じたことはありませんか?

  • 「いい感じの人物画像ができた!でも、背景だけ変えたいのに、もう一度生成したら全然違う人になっちゃった…」
  • 「この画像の、この部分だけをちょっとだけ直したいんだけどな…」
  • 「同じキャラクターで、いろんなポーズや表情の画像を作りたいのに、毎回顔が変わってしまう…」

こういった「あと一歩、惜しい!」というもどかしい思い、AIで画像を作ったことがある方なら、一度は経験があるのではないでしょうか。

実は私自身も、まさに同じことで悩んでいました。せっかく良い画像ができても、細かい修正が効かないせいで、結局使えずじまい…なんてことも少なくありませんでした。

でも、ご安心ください。そんな悩みを解決してくれる、今ネットで話題の新しいAI画像生成モデルが登場したんです。

それが、今回ご紹介する「Flux .1 Kontext」です。

このツールは、一言で言うと「生成した画像の一部だけを、賢く編集できる」のが最大の特徴。これまでのAI画像生成の常識を覆すかもしれない、その実力を徹底的にレビューしていきます!

ネットをざわつかせている「Flux .1 Kontext」の正体とは?

↑Black forest labs公式サイトより:https://bfl.ai/

さて、その「Flux .1 Kontext」ですが、一体どんなAIなのでしょうか。

これは、Black Forest Laboという会社が開発した、非常に高性能な画像生成AIモデルです。

私もこの会社の「Flux」モデルは、他のAIツール経由で以前からよく使っていました。特に、本物の写真と見間違うほどリアルで、写実的な画像を作るのが得意で、個人的にめちゃくちゃ気に入っているモデルの一つです。

これまでのFluxモデルも十分に高性能だったのですが、今回登場した新しい「Flux .1 Kontext」が特にすごいのは、先ほども触れた「コンテキスト(文脈)を理解して画像を編集できる」点にあります。

つまり、元となる画像の人物やモノの特徴はそのまま維持しながら、追加の指示(プロンプト)を与えることで、背景や服装、表情といった一部分だけを自由自在に変更できるようになったのです。

これまでのように「背景を雪景色に変えて」と指示したら、全くの別人が登場してしまう…なんていう悲劇はもう起こりません。同じ人物が、ちゃんとその人らしさを保ったまま、雪景色の中に立ってくれる。これが「Flux .1 Kontext」の革新的なところなんです。

で、具体的に何ができるの?驚きの公式デモ事例

↑同じくBlack forest labs公式サイトより:先ほどの写真を人物の描写を維持したままシチュエーションを変えることができています。

「画像を維持したまま編集できるって言われても、いまいちピンとこないな…」と感じるかもしれませんね。

論より証拠、ということで、公式サイトで紹介されているデモ事例をいくつか見ながら、この「Flux .1 Kontext」がどれだけすごいのか、その実力を見ていきましょう。

事例1:人物はそのまま!背景だけをガラッと変更

まずはこちら(上記に貼り付けたのがそのでも画像です)。アジア人女性がセルフィーを撮っている画像があります。

ここに追加で「雪景色にして」と指示を出すだけで…なんと、女性の表情や服装はほとんど変えずに、背景だけを一瞬で冬の雪景色に変えることができています。これまでのAIだと、背景を変えたら顔まで別人になってしまうのが”お約束”でしたから、これは驚きですよね。

事例2:画像の中の「文字」を自由自在に書き換える

次は、画像内の文字です。「You had me at beer」と書かれたネオンサインの画像。

これを「You had me at Kontext」という文字に書き換えています。すごいのは、元の画像の雰囲気やネオンサインの質感はそのままで、文字だけを正確に変更している点です。さらに、文字はそのままで背景をナイトクラブに変えたり、文字の前に人物を登場させたり、といったことまで可能です。

事例3:写真の「スタイル」を全くの別物に変える

最後は、スタイルの変更です。リアルなトカゲの写真がありますよね。

↑Black Forest LabsのPlaygroudページ内のサンプル画像一覧より(Playgroudページへのアクセスにはアカウント登録が必要です):https://playground.bfl.ai/image/generate

これを、なんと「編み物」のスタイルに変更しています。元のトカゲの構図や形は保ちつつ、質感が全く別の「毛糸の工芸品」のようになっているのが分かります。

このように、人やモノはそのままに、背景、文字、さらには画像のスタイル(画風)まで自由に変えられる。 これが「Flux .1 Kontext」の大きな強みなんです。

【実践レビュー】百聞は一見に如かず!実際に使ってみました

公式のデモがすごいのは分かりました。でも「それって、デモだからでしょ?」と思いますよね。

そこで、私自身がこの「Flux .1 Kontext」を実際に使ってみて、その使い勝手や性能を試してみました。ここでは、その手順をステップバイステップでご紹介します。

ステップ1:Flux Playgroundにアクセス

↑公式サイトにある「Try Demo」ボタンから、実際にFluxの画像生成機能を自分で試すことができるPlaygroundページにアクセスできます。(アカウント登録が必要です。)

まずは、Black Forest Laboの公式サイトにある「Try Demo」から、「Flux Playground」にアクセスします。Googleアカウントがあれば簡単にログインできました。

利用規約に同意すると、すぐに使えるようになります。最初に200クレジットが付与されていて、このクレジットを消費して画像を生成していく仕組みのようです。

ステップ2:最初の画像を生成してみる

プレイグラウンドの画面で、モデルとして「Flux .1 Kontext Pro」を選択しました。(ProとMaxの違いは後ほど詳しく解説しますね。)

まずは、お試しで日本語のプロンプト(指示文)を入れてみます。

プロンプト:「パソコンの前で悩んでいる日本人女性」

細かい設定は特にせず、そのまま生成してみました。すると、4枚の画像が数秒で出てきました。

ざっくりした指示でしたが、その中の一枚が個人的にかなりクオリティが高く、自然な感じだったので、これをベースに編集していくことにします。

ステップ3:生成した画像を「編集」してみる

さて、ここからが「Flux .1 Kontext」の真骨頂です。先ほど選んだ画像に対して、追加で日本語の指示を出してみます。

追加プロンプト:「女性が家のパソコンで仕事をしている様子。服もジャージに変える」

一度に「場所」と「服装」という2つの変更を指示してみました。結果はどうでしょうか…

なんと、服装はちゃんとジャージに変わりました!顔も、元の画像の面影をかなり保っています。

ただ、残念ながら背景はオフィスのままでした。「ジャージでオフィス勤務」という、ちょっと不思議なシチュエーションの画像になってしまいましたね(笑)。

どうやら、一度に複数の複雑な指示を出すと、うまく反映されないこともあるようです。

ステップ4:指示をシンプルにして再挑戦

そこで今度は、指示を一つに絞ってみます。先ほどの「ジャージでオフィス勤務」の画像に対して、さらに指示を追加します。

追加プロンプト:「家のパソコンで仕事をしている」

これでどうでしょう。

お、今度は背景が少し変わりました。典型的なオフィスっぽさがなくなり、少しおしゃれな、在宅ワークスペースのような雰囲気に近づきました。

このように、一回で完璧な画像を狙うというよりは、対話するように少しずつ指示を加えて、理想のイメージに近づけていくのが、うまく使いこなすコツかもしれませんね。

Pro版とMax版、どっちを使うべき?同じプロンプトで徹底比較

↑Flux.1 Kotextの「Max」バージョンも試してみました。クレジットを2倍ほど消費する割には、「Pro」バージョンとそこまで大きな差があるとは思えないので、まずはProで試してみるのがいいです。

Playgroundや他のツールを使っていると、「Pro」と「Max」という2つのモデルがあることに気づくと思います。

「Maxの方が性能が良さそうだけど、その分高いのかな?」と気になりますよね。

結論から言うと、個人的にはMaxモデルの方が好みの画像を生成してくれることが多いですが、消費するクレジット(料金)が倍くらい違うので、使い分けが重要です。

同じプロンプトで画質を比較

先ほどPro版で試したのと同じ、「パソコンの前で悩んでいる日本人女性」というプロンプトを、今度は上位モデルである「Flux .1 Kontext Max」で試してみました。

AIによる生成はランダムなので一概には言えませんが、Pro版と比べて、より雰囲気があったり、クオリティが高いと感じる画像が出てくる印象です。(中には少しホラー映画っぽいものもありましたが…笑)

さらに、私が普段使っている外部ツール「Poe」で、もっと複雑な英語のプロンプトを使って比較したところ、やはりMaxモデルの方がキャラクターの表情がイキイキしていたり、より魅力的な構図で描かれることが多かったです。

文字の正確性にも差が出た

↑こちらはPoeというAIツール内でFlux.1 Konetxt Proで文字も入れて画像生成した場合です。「Flux Kontext」という文字を入れるように指定したら、「Flux Flux Kontext」になってしまいました。

もう一つ、大きな違いを感じたのが「文字の正確性」です。

あるロボットの画像に「Flux Kontext」という文字を入れてもらう指示を出したところ、Pro版では「Flux Flux Kontext」と文字が重複してしまうミスが起きました。しかし、Max版では、指示通り正確に「Flux Kontext」と表示してくれたのです。

↑同じくPoeというAIツール内でFlux.1 Konetxt Maxで「Flux Kontext」という文字を入れるように指定したら、こちらの想定通りの文字入り画像ができました。(ただ、日本語の文字には対応していないようです。)

こういった細かいけれど重要な部分で、Maxモデルの性能の高さを感じましたね。

結論:どう使い分ける?

ここまでの結果をまとめると、以下のようになります。

  • Flux .1 Kontext Pro
    • 標準モデル。基本的な性能は十分。
    • 消費クレジットが少なく、気軽に試しやすい。
    • まずはこちらで試してみて、結果に満足できればOK。
  • Flux .1 Kontext Max
    • 高性能な上位モデル。
    • 消費クレジットはProの約2倍
    • より高品質な画像を狙いたい時や、文字入れなど正確性が求められる作業で特に力を発揮する。

私自身は、ブログなどで最終的に採用するのは、少しコストがかかってもMaxで作った画像になることが多いです。

まずはProで気軽に試してみて、ここぞという一枚が欲しい時にはMaxを使ってみる、というのが賢い使い方かもしれません。

ChatGPTの画像生成とどう違う?どっちがオススメ?

AI画像生成といえば、やはり多くの人が使っているChatGPTの画像生成機能が有名(2025年3月にアップデートされて話題になりました)ですよね。「ChatGPTと比べて、Fluxはどうなの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

私も普段から両方を使い分けているので、それぞれの得意分野と、どんな人におすすめかを解説します。

結論:リアルな写真はFlux、アニメ風や日本語文字はChatGPT

非常にざっくりと分けると、以下のような使い分けがおすすめです。

  • Flux .1 Kontext が得意なこと
↑Poeの中でFlux.1 Kontext Maxで生成した海外アニメ風画像
  • 実写のようなリアルで写実的な画像
  • 海外のアニメ(Pixar風など)の画像
  • 生成スピードが速い
  • ChatGPT が得意なこと
↑Poeの中でChatGPTの画像生成モデル(GPT-image-1)を使って生成した日本のアニメ風画像
  • 日本のテレビアニメのようなイラスト風の画像
  • 画像内に日本語のテキストを正確に入れる
  • 多くの人が見慣れている、安定したクオリティ

同じプロンプトで比較してみた

例えば、「AIと共同作業する人間とロボット」というテーマで、アニメ風の画像を生成してみたところ、どちらも高品質な画像を生成してくれました。

正直、このあたりは好みの問題も大きいと思います。ただ、Fluxの方が生成スピードは圧倒的に速かったですね。ChatGPTは1分近く待つこともあります。

↑Poeの中でFlux.1 Kontext Maxで生成したアニメ風画像(個人的には、こちらの生成結果のほうが下のChatGPTの画像よりも好きです。どちらを使うかはケースバイケースですね。)
↑Poeの中でChatGPTの画像生成モデル(GPT-image-1)を使って生成したアニメ風画像

また、バナー画像などに日本語のキャッチコピーを入れたい場合も、ChatGPTの方が正確に文字を生成してくれることが多いです。

「ありがちな画像」を避けたいならFluxが武器になる

ChatGPTは利用者が非常に多いため、どうしても「どこかで見たことがあるような、ありがちな画像」になってしまうことがあります。

その点、Fluxを使えば、他とは一味違った、オリジナリティのある画像を生成できる可能性が高まります。

基本的な画像はChatGPTで作りつつ、より高品質な写真や、他人と差をつけたいここぞという一枚にはFluxを使う、というハイブリッドな使い方が、現状のベストな選択肢かもしれませんね。

【応用編】外部ツール「Poe」でFluxをさらに使いこなす

↑これまでお見せしてきたようにPoeというAIツールの中でFluxの様々なモデルを使うことができます。Poeはこちら:https://poe.com/

ここまでご紹介してきた「Flux Playground」は、あくまで開発者向けのお試し版という位置づけのようです。

実際には、すでに対応している様々なAIツールの中で、Fluxモデルを使うのがメインの活用方法になります。

私がよく使っているのは、いろいろなAIモデルをまとめて使える「Poe」というチャットAIツールです。ここでは、Poeを例に、より応用的な使い方をご紹介します。

Poeでの使い方とポイント消費

Poeの中では、チャットボットを選ぶような感覚で、「Flux .1 Kontext Pro」や「Flux .1 Kontext Max」を選択して使えます。

ちなみに、Poeでのポイント消費は、Proが1,334ポイント、Maxが2,667ポイントでした。やはりMaxはProのちょうど倍のコストがかかる計算ですね。

「リミックス機能」が超便利!

↑Poeの中でFlux.1 Kontext Maxモデルで生成したロボットの画像です。こちらをRemix機能を使い、ロボットの造形は維持したまま異なるアングルの画像を生成してみました。

PoeでFluxを使う最大のメリットが、この「リミックス機能」です。

これは、一度生成した画像を添付したまま、追加のメッセージ(プロンプト)を送れる機能。つまり、Playgroundで試したような「画像の追加編集」が、Poeの中でも同じようにできるということです。

↑ロボットは同じままで横向きのアングルの画像を生成できました

例えば、私が試した例だと、

  1. まず正面を向いたロボットの画像を生成します。
  2. リミックス機能で「このロボットを横からのアングルに変えて」と指示。
  3. すると、ロボットのデザインはそのままに、カメラアングルだけが違う画像を生成できました。
  4. さらにリミックスで「壁に “Flux Kontext” という文字を入れて」と指示。
  5. すると、今度はロボットのデザインを保ちつつ、背景に文字が入った画像へと編集できたのです。
↑ロボットは同じままでさらに横向きのアングルの画像を生成できました

このように、あなたが普段お使いのAIツールにFluxモデルが搭載されていれば、同じような機能を使って、より高度な画像編集ができるはずです。ぜひ確認してみてください。

まとめ:Flux .1 Kontextは、こんなあなたにおすすめ!

↑Black Forest LabsのPlaygroudページ内のサンプル画像一覧よりhttps://playground.bfl.ai/image/generate

今回は、新しいAI画像生成モデル「Flux .1 Kontext」について、その特徴から具体的な使い方、ChatGPTとの比較まで、徹底的にレビューしました。

最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • Flux .1 Kontextの最大の特徴は「元の画像を維持したまま、部分的な編集ができる」こと。
  • 人物の表情や服装はそのままに背景だけを変えたり、画像内の文字を修正したりといった芸当が可能。
  • Pro版Max版があり、Max版の方が高品質で正確だが、コストが約2倍かかる。
  • リアルな写真風の画像が得意。日本のアニメ風や日本語の文字入れはChatGPTの方が得意なので使い分けが重要
  • Poeなどの外部ツールに搭載されているリミックス機能を使えば、対話するように高度な画像編集ができる。

この結果を踏まえて、「Flux .1 Kontext」は特に以下のような方におすすめできると感じました。

  • ブログやSNSで使う画像のクオリティに、もう一歩こだわりたい方
  • 生成したAI画像の「ここだけ直したいのに…」という悩みを抱えている方
  • ChatGPTの生成する画像が「ありがち」だと感じ、他人と差をつけたい方
  • リアルで写実的な、まるで本物の写真のような画像を求めている方

あなたがもしこれらのいずれかに当てはまるなら、このFluxモデルはきっと強力な武器になるはずです。

編集後記(筆者の感想):

個人的には、ChatGPTのGPT-image-1という画像生成モデルの画像生成は、日本語の文字入りの画像を生成できるので気に入っていますが、生成まで時間がかかるのと、流行っているせいで「よくありがちな画像」になるので、あえてChatGPTでの画像を使わないケースもあります。(いかにもChatGPTで作成下画像だよね、と思われてしまうことを避けたいからです。)

その場合、Fluxモデルの画像生成クオリティは以前から気に入っており、生成のスピードも早いため、あえてFluxモデルで画像生成をすることも多いです。日本語の文字は苦手ですが、文字入りの画像が求められないケースにおいては、Fluxモデルのクオリティも気に入ってますので、お勧めできます。よろしければPoeなどのFluxモデルが使用可能なツールで使ってみてはいかがでしょうか。

Black Forest Labs公式サイトはこちら

https://bfl.ai

Poe公式サイトはこちら(筆者がこのツールの中でFluxシリーズのモデルを使って画像生成しています)

https://poe.com

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