
AIを使って書籍の原稿を書きたいけれど、どのツールを使えばいいのか分からない——そんな悩みを抱えていませんか?
私ヒルトルも、以前は数週間から数ヶ月かけて自分で文章を書いていました。しかし今は、動画や音声コンテンツを文字起こしして、AIに長文の原稿を書いてもらう時代になりました。
ただ、AIツールも種類が多すぎて「結局どれを使えばいいの?」という疑問が湧いてきますよね。そこで今回、同じプロンプトを使って4つのAIモデルに書籍の原稿を書かせる検証を行いました。
この記事では、その結果を包み隠さずお伝えしますので、あなたが最適なAIツールを選ぶ参考にしてください。
なぜ今、AIで書籍を執筆するのか?
まず前提として、なぜAIを使って書籍を書くのがおすすめなのかをお話しします。
私はネット上で書籍を書いたり、長文のレポートを作成したりと、文章を書く仕事が多いです。動画を撮るのは得意なので、今まで大量の動画コンテンツを作ってきました。
そこで気づいたのが、音声や動画を正確に文字起こしして、そのデータをAIに渡せば、かなり質の高い文章コンテンツが作れるということです。
パソコンの前に座って原稿を書くのは、正直めちゃくちゃ大変です。でも、音声で喋ったり、誰かと対談したりするのは比較的ハードルが低いですよね。
一人で話すのが難しければ、誰かと対談形式で音声を収録する方法もあります。その内容をAIに書籍の原稿にしてもらえば、自分で一から書くよりも圧倒的に効率的に文章コンテンツを作れるわけです。
作家さん、ライターさん、講師の方など、文章を書く必要がある方には、ぜひこの方法を試していただきたいと思います。
検証条件:4つのAIモデルを同条件で比較

今回の検証では、2025年12月30日時点で利用可能な4つのAIモデルを使いました。
使用したAIモデル
- Claude Opus 4.5(Claudeの現時点での最高性能モデル)
- Gemini 3 Pro
- Gemini 3 Flash Thinking(思考モード)
- ChatGPT 5.2 Thinking Extended(最もしっかり考えてくれるモデル)
すべて「Thinkingモデル」と呼ばれる、しっかり考えてから回答してくれる性能を持つモデルを選びました。
検証に使った素材

私が以前作成した「セールスファネルマスター講座」というオンライン講座の文字起こしを使いました。約11万文字という、かなりボリュームのある素材です。
この同じプロンプトと素材を、4つのAIにまったく同じ条件で渡して、書籍の原稿を書いてもらいました。
プロンプト設計のポイント:AIに良い文章を書かせるコツ

ただAIに「書籍を書いて」と頼んでも、良い結果は得られません。私が実際に使っているプロンプトには、いくつかの重要な要素が含まれています。
1. 背景情報(自己紹介)を伝える
まずAIに「自分がどんな人間なのか」を伝えるための自己紹介文を入れています。これにより、AIが私の立場や専門分野を理解した上で文章を書いてくれます。
2. 役割プロンプトでロールプレイさせる
次に、AIにどんな役割で回答してほしいのかを明確に伝えます。
例えば今回であれば「あなたは10年以上の経験を持つセールスファネル構築の専門家で、こういった実績がありますよ」といった形で、詳細な役割を設定します。
このロールプレイによって、AIは単なる一般的な回答ではなく、専門家としての視点から文章を書いてくれるようになります。
3. フレームワークとスワイプファイルを活用
さらに「こういった構成で原稿を書いてください」というフレームワークと、「以前私が書いた書籍の原稿の一部」をスワイプファイルとして渡します。
これにより、AIは私の文体を理解した上で、指定した構成に従って原稿を書いてくれます。
4. 一章ずつ書かせる
今のAIモデルは一度に出力できる文字数に限界があります。大体1万文字くらいが限度です。
そのため、目次を作ってもらった後に「全部書いて」と頼むのではなく、「第1章を書いてください」「次は第2章を書いてください」と一章ずつ書かせるのがポイントです。
時間はかかりますが、いきなり全部書かせると薄い文章になってしまうので、この方法をおすすめします。
検証結果:どのAIが一番長く濃い原稿を書いてくれたか?

さて、いよいよ検証結果の発表です。
各AIに書かせた文章をAppleのPagesに貼り付けて、純粋な原稿の文字数だけをカウントしました(AIの「第1章書きましたよ」などのメッセージは削除しています)。
文字数ランキング
| 順位 | AIモデル | 文字数 |
|---|---|---|
| 1位 | Claude Opus 4.5 | 約10万文字 |
| 2位 | Gemini 3 Pro | 約4.2万文字 |
| 3位 | ChatGPT 5.2 Thinking | 約3万文字 |
| 4位 | Gemini 3 Flash Thinking | 約2万文字 |
圧倒的にClaude Opus 4.5が1位という結果になりました。13章構成で、1章あたり7,000〜8,000文字、内容によっては1万文字も書いてくれました。
もちろん、長ければいいというものではありません。でも書籍の原稿を書くのに短すぎると物足りないですよね。長文を書けるというのは、文章執筆AIの重要な性能指標だと思います。
各AIモデルの詳細レビュー
それでは、各AIモデルの特徴と仕上がりを詳しく見ていきましょう。
Claude Opus 4.5:圧倒的な長文執筆力

Claudeは10万文字という圧倒的な量の原稿を書いてくれました。
内容も、私が過去に作った動画コンテンツをもとにしっかりと、有料で販売しても恥ずかしくないレベルの文章に仕上がっていました。
Claudeも以前は箇条書きが多かったり、結構サボっている印象がありました。しかしSonnet 4.5やOpus 4.5になって、非常に性能が上がっています。
また嬉しいのが、使用制限が緩和されたことです。以前のOpus 4.1では、何回かチャットをやり取りすると「もう使えません」と制限がかかることがありました。
今回10万文字の原稿を書かせた後に使用状況をチェックしたところ、69%の使用でまだ30%ほどの余裕がありました。一つのチャット内で10万文字を超える原稿を書かせても、まだ続けて作業できるのは大きな進化です。
ちなみに私は月額20ドルのProプランを使っています。月額100ドルのMaxプランはアプリ開発者向けで、文章執筆であればProプランで十分です。
Gemini 3 Pro:バランスの取れた出力

2位のGemini 3 Proは、約4.2万文字。Claude Opus 4.5の半分以下ですが、内容は世の中に公開しても問題ないレベルです。
12ポイントのフォントで一般的なレポート形式にすると70ページほどになります。有料で販売することも可能ですし、無料で公開してもボリュームのある良い内容だと感じてもらえるでしょう。
Geminiは画像や動画の生成、キャンバス機能でのサイト制作など、マルチに使えるのが強みです。私もメインで使っているAIツールの一つです。
ChatGPT 5.2 Thinking:箇条書きが多め

ChatGPTも以前のGPT-4oに比べると日本語の性能が上がりました。しかし今回の検証では、少し物足りない結果に。
最初の方はいいのですが、だんだん途中から箇条書きが多くなっていく傾向がありました。視覚的にも空白部分が多く、シンプルすぎる印象です。
私のようにウェブマーケティングやコンテンツ作成で文章を書かせる目的では、ChatGPTは一番使わないですね。
Gemini 3 Flash Thinking:軽量モデルゆえの限界

Flashモデルは素早く回答してくれるのが特徴ですが、書籍原稿のような仕事で使う文章としては少し物足りないという結果になりました。
36ページ分の内容なので、「30ページもある文章を書いてくれた!」と考えれば十分なケースもあります。ただ他のモデルと比べると、シンプルで薄い内容という印象は否めません。
上級者向け:AntigravityでClaudeとGeminiを使い分ける

ここからは少し上級者向けの話になりますが、AntigravityというAI搭載エディターについてご紹介します。
Cursorが有名ですが、AntigravityはそのGoogle版だと思ってください。無料でも使えますし、Google AI Proに課金していればより多くのAI機能を使えます。
Antigravityの何がいいのか?
従来のClaudeやGemini、ChatGPTのウェブアプリでは、一章ずつ書いてもらった文章を手動でコピーして、GoogleドキュメントやWordに貼り付ける必要がありました。
しかしAntigravityを使えば、プロンプトや過去に書いた文章をファイルとして保存しておき、簡単に呼び出してAIに渡せます。AIが書いてくれた文章も自動的にファイルとして保存されるので、コピペの手間がなくなります。
GoogleのツールでClaudeを使う方法

さらに驚くべきことに、AntigravityはGoogle製のツールですが、Claude Sonnet 4.5とClaude Opus 4.5も選択できます。
つまり、Geminiに課金してAntigravityを使えば、その中でClaudeのモデルも使えてしまうのです。これは両方に課金するのが難しい方にとって、非常にありがたい選択肢ですね。
Antigravity(アンチグラビティー)の使い方については以下の記事の内容も参考にしてください!↓
どのAIに課金すべきか?目的別おすすめ
さて、ここまでの内容を踏まえて「結局どのAIに課金すればいいの?」という疑問にお答えします。
文章執筆がメインの方
→ Claude Pro(月額20ドル) がおすすめです。
長文の書籍原稿を書くなら、やはりClaude Opus 4.5が最強です。使用制限も緩和されており、ストレスなく作業できます。
画像・動画・マルチタスクをしたい方
→ Gemini AI Pro(月額2900円) がおすすめです。
Nano Banana Proによる画像生成、動画生成、キャンバス機能によるサイト制作など、様々なことができます。
両方使いたいけど節約したい方
→ Geminiに課金してAntigravityを活用するのがおすすめです。
Antigravityを使えば、Geminiのモデルに加えてClaudeのモデルも使い分けられます。
まとめ:AI書籍執筆を始めるための次のステップ
今回の検証結果をまとめると、以下のようになります。
- 長文の書籍原稿を書かせるなら、Claude Opus 4.5が圧倒的におすすめ
- Gemini 3 Proも悪くない選択肢、特にマルチに使いたい方向け
- ChatGPT 5.2とGemini 3 Flash Thinkingは、文章執筆には物足りない
- 上級者はAntigravityを使って両方のモデルを効率的に活用できる
2026年もAIツールは進化し続けるでしょう。私も引き続き、自分の仕事で使っているAIツールの活用方法を発信していきますので、ぜひチェックしてください。
まずは自分の音声や動画コンテンツを文字起こしして、AIに書籍の原稿を書かせることから始めてみてはいかがでしょうか?
YouTubeやポッドキャスト、ウェビナー、講演会など、録音・録画しておいたコンテンツがあれば、それが書籍の素材になります。
もし「どんなAIツールがあるのか、もっと詳しく知りたい」という方は、私が無料で配布している電子書籍「最新AIツール大全」をぜひ読んでみてください。定期的に内容をアップデートしており、最新のAI活用法を学べます。
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