
Googleの新しいAIツールである「Stitch」を使えば、デザイン知識ゼロでもウェブサイトが作れるって本当?この記事では、プログラミングもデザインも素人な私ヒルトルが、実際に「Stitch」を使ってサイト制作に挑戦したリアルな体験談を全部お見せします。驚くほど簡単にデザインができた話から、日本語で使った際の思わぬ落とし穴、そして現時点でこのツールが本当にあなたのビジネスの役に立つのかまで、忖度なしの本音でレビューします。AIによるサイト制作の”理想と現実”に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
デザイン知識ゼロでも、AIでウェブサイトが作れる時代に?
「自分のビジネスのために、手軽にウェブサイトを作りたい…」
もしあなたが自分の商品やサービスをオンラインで広めたいと考えているなら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
ひと昔前までは、ウェブサイト制作といえば専門業者に高額な費用を払うか、自分でプログラミングやデザインの分厚い本を読み解くしかありませんでした。時間もコストもかかり、多くの個人事業主や中小企業経営者にとって、それは大きな壁だったかもしれません。
しかし、AI技術が急速に進化し、状況は大きく変わりつつあります。
今回、なんとあのGoogleが、プロンプト(AIへの指示文)を入力するだけでウェブサイトやアプリのデザインを自動で生成してくれるという、驚きのAIツールを発表しました。
その名も「Stitch」。
「これさえあれば、もうデザイナーやプログラマーに頼らなくても、自分でサクッと高品質なサイトが作れるのでは?」
そんな期待を胸に、プログラミングもデザインも全くの素人である私ヒルトルが、この新しいAIツール「Stitch」を実際に試してみました。 この記事では、そのリアルな体験談と、現時点で「Stitch」は本当に”使える”ツールなのか、本音でレビューしていきます。
「高額な外注費」と「終わらない修正」… ウェブサイト制作の”あるある”な悩み

この記事を読んでいるあなたも、もしかしたらウェブサイト制作で苦い経験をしたことがあるかもしれません。
- 業者に頼むと、とにかく高い。 ちょっとした修正でも追加料金がかさむ…
- デザイナーにイメージが伝わらない。 何度もやり取りするうちに、理想とは違うものが出来上がってしまった…
- 自分で作ろうにも、専門用語がちんぷんかんぷん。 結局、挫折してしまった…
これらは、私自身もかつて経験してきた悩みですし、多くの経営者仲間からよく聞く話です。
ビジネスを前に進めるためにウェブサイトは不可欠。それなのに、その入り口で多くの人が時間、お金、そして情熱をすり減らしてしまっているのが現実です。
もし「Stitch」のようなAIツールが、こうした制作のハードルをぐっと下げてくれるとしたら…?
それは、私たち個人事業主や中小企業にとって、まさに“救世主”のような存在になるかもしれません。
そんな期待と、ほんの少しの疑いを持ちながら、実際の使用感を見ていきましょう。
【実践レビュー】非デザイナーが「Stitch」を実際に使ってみた結果

さて、ここからは私が実際に「Stitch」を触ってみた結果を、ありのままにお伝えします。果たして、AIは私の頭の中にあるイメージを形にしてくれるのでしょうか。
プロンプト一つで本当にデザインができた!
まず驚いたのが、その手軽さです。
「日本食レストランのウェブサイト」
と、本当に簡単なプロンプトを入力しただけ。するとすぐにAIが「どんなページが必要ですか?」と聞いてきたので、「トップページを作ってください」とお願いしてみました。
待つこと、ほんの数十秒。
本当に、それっぽいウェブサイトのデザインが一瞬で出来上がりました。 AIが生成したであろう画像も配置されていて、パッと見はなかなかいい感じです。コーディングの知識も、デザインのセンスも一切不要。ただ言葉で指示するだけで、ここまで作ってくれるスピード感には正直、舌を巻きました。
「これはすごい…!」と、興奮したのも束の間、少し気になる点が出てきます。
日本語対応の壁:フォントと画像が残念なことに…

生成されたウェブサイトは、当然ですが最初はすべて英語でした。そこで、AIにこうお願いしてみました。
「文字を日本語にしてください」
すると、AIが裏側で何やら作業を始め、サイトの文字が日本語に翻訳されました。しかし…。
どうにもフォントが不自然で、一昔前の海外製ソフトのような、少し怪しげな雰囲気になってしまいました。
さらに残念だったのが、画像です。
さっきまで良い感じのお寿司の写真だったはずが、なぜかスニーカーの画像に差し変わっている…。 レストランのサイトなのに、これでは意味が分かりません。
やはり、こうしたGoogleの新しいサービスは、まず英語圏が優先されるのが常です。特にアルファベット以外の言語、日本語のような複雑な言語への対応は、どうしても後回しになりがちなのが現実ですね。日本市場で本格的に使うには、まだ少し早いのかな、というのが正直な感想です。
英語なら高品質!海外向けECサイトのデザイン

日本語がダメなら、英語のままだとどうでしょうか。
気を取り直して、今度は海外向けのECサイトを想定し、「盆栽の専門店(Homepage for Bonsai Tree for Specialty Store)」という、少し日本らしいテーマで試してみました。
すると、やはり英語ベースで生成されたデザインは、なかなかのクオリティです。
一番上の画像は正直、あまり盆栽っぽくはなかったですが(笑)、全体的には洗練されていて、かっこいいECサイトのデザインがすぐに完成しました。
さらに、ただデザインを作るだけではありません。

画面の右上にはテーマを切り替える機能があり、ボタン一つでライトモードとダークモードを瞬時に切り替えられます。 その他にも、メインカラーの変更、フォントの指定、さらには画像の角の丸み(ボーダーラディアス)を調整するスライダーまで用意されていました。

これはデザイナーが細部のデザインを調整する際に、とても重宝する機能でしょう。言葉で指示して大枠を作り、細かい部分は用意されたメニューで調整していく。 そんな使い方ができそうです。海外向けのサイトを作るのであれば、デザインのたたき台としては十分に役立ちそうです。
プロとの連携も?Figmaにコピーできる驚きの機能

そして、個人的に「これは面白い!」と感じたのが、デザインツール「Figma(フィグマ)」との連携機能です。
正直なところ、私はFigmaを本格的に使ったことがないのですが、ウェブデザイナーやアプリ開発者にとっては、今や必須とも言える人気のデザインツールです。
Stitchには、生成したデザインをワンクリックでコピーして、そのままFigmaに貼り付けられる機能が備わっていました。

実際に試してみると、本当にStitch上のデザインが、そのままFigmaの編集画面にペーストされたのです。
これはつまり、
- まずAI(Stitch)に、ざっくりとしたデザインのラフ案を大量に作らせる
- その中から良さそうなものを選び、Figmaに持っていく
- Figma上で、プロのデザイナーが細かい部分を修正・調整して仕上げる
といった、AIと人間の共同作業が可能になるということです。
ゼロからデザインを考えるのは大変な作業ですが、たたき台があれば仕事は格段に速くなります。この機能は、おそらくプロのデザイナーの方々にとって、かなり便利なものなのではないでしょうか。
結論:現時点で「Stitch」は、一体”誰のため”のツールなのか?

さて、一通り「Stitch」を触ってみて、私が感じた結論を正直にお伝えします。
現時点(2025年6月)では、「Stitch」は私たちのような非デザイナー・ノンプログラマーが、自力でウェブサイトを完成させるためのツールではありません。
むしろ、これは「プロのウェブデザイナーが、デザイン作業を効率化するためのツール」だと感じました。
Figmaとの連携機能を見ても、明らかにプロの現場で使われることを意識しています。
私のような素人が使うには、
- 日本語の出力クオリティがまだ低い
- 生成されるのはあくまで「デザイン案(モックアップ)」であり、実際に機能するウェブサイトではない
という大きな壁があります。このデザイン案を元に、結局はコーディングという専門作業が必要になるため、「これだけでサイトが完成する」というわけではないのです。
「AIで楽々サイト制作!」と期待すると、少し肩透かしを食らってしまうかもしれません。
日本語での情報発信をしたい、自分で集客から販売まで完結させたい、と考えている多くの個人事業主や中小企業経営者にとっては、今すぐ実用的に使える段階にはない、というのが私の見解です。
まとめ:AIツールの進化と、私たちが今すべきこと

今回、Googleの新しいAIツール「Stitch」を試してみて、ウェブ制作の未来が大きく変わっていく可能性を強く感じました。 いずれは、私のような専門知識がない人間でも、頭の中のイメージを伝えるだけで、完全に機能するウェブサイトを一瞬で作れる日が来るのかもしれません。
しかし、大切なのは「今」です。
未来の便利なツールを待っている間にも、あなたのビジネスは進んでいきます。お客様に商品を届け、価値を提供し、売上を上げていかなくてはなりません。
AIツールは、あくまでビジネスを加速させるための「道具」の一つです。本当に重要なのは、誰に、何を、どのように届けるかという「マーケティングの仕組み」そのものです。 どんなに優れたデザインのサイトも、その中身や裏側の戦略がなければ、お客様を呼び込み、商品を販売することはできません。
新しいツールに振り回されるのではなく、まずは着実に集客し、売上を生み出すための本質的な仕組みづくりに目を向けることが、今あなたがやるべきことではないでしょうか。
編集後記:筆者の感想
Googleの新しいAIサービスあるあるですが、やはり最初は日本語対応に難ありなのが残念ではありますね。ただ、Googleもアメリカの企業ですので、いきなり最初から多言語対応をするよりも、まずは英語のみでプロダクトを作成し、もし人気が出れば機能を追加してブラッシュアップする、というステップで開発をしているのでしょう。(いきなり完璧なものを目指さない、という考え方は非常に参考になりますね。)
実際に触ってみた感想としては、私のような非デザイナーが触るツールというよりも、本職のウェブデザイナーの方がFigmaなどのデザインツールと組み合わせてWebサイトのデザインやモックアップを素早く作成するためのツールという印象ですので、使う人は限られるのかな?という印象です。ウェブデザイナーの方や、AIを使ったサイト作成にチャレンジしてみたい方は試しに触ってみてもいいと思います。
Stitch公式サイトはこちら(無料で使えます。Googleのアカウントが必要です)